ジェームズ・ボンドの最大の敵は、グッドナイトだった。
グッドナイト・ルック6 ビキニ
- ビーチバレー選手が着けていそうな健康的なビキニ
- ヌードカラーのエスパドリーユ・パンプス
「私はビキニの女性が好きだ。なぜなら、武器を隠すことが出来ないから」とスカラマンガに言われ、ビキニ姿になるグッドナイト。「一生ここにいてもいいと思っているの」とすっかり寛いでいる雰囲気が、男の油断とバカな欲望を掻き立てます。女性ならばよく分かるのですが、彼女は女性の最高の武器を使い慣れているかなり狡猾な人です。だからこそ、諜報部員になれたのでしょう。男性から見たら〝ただのドジな女と思わせる女ほど、恐ろしい女がいないこと〟を女性は知っています。
「あの人は天然だからなぁ~」と阪急なんかの高級百貨店でも評判の美人販売員が、女性の仲間内では、「あの人は計算高い人よ」と言われる現象とよく似ています。最も計算高い女性は、男性の油断を誘う術を知り尽くしているのです。
さて、ここから、ミス・グッドナイトの活躍が始まります。ボンドガール史上最もジェームズ・ボンドを境地に立たせた伝説の始まりです。
太陽光エネルギー変換装置「ソレックス・アジテーター」のスイッチをお尻で押してしまい、あわやボンドは焼き殺されそうになるのです。さらに、コント仕様の痛くなさそうな棒切れで屈強な黒人技師兼用心棒に不意打ちをして、「絶対ここにはモノを落とさないでください」なんて書いてある巨大容器の中に、黒人は落ちてしまい、ドミノ式にスカラマンガのアジトは大爆発することになるのです。
ボンドとリアル爆薬の中、ビキニ姿で逃げ惑うグッドナイト。いや、もうこの時の本人の心境から言うと、ブリット・エクランドと呼ぶべきでしょう。そして、凄まじく転倒するのですが、それでも冷静に撮影を続ける男がいた。その男の名をガイ・ハミルトンと呼びます。
最後は、グッドナイトの思うとおりの展開へと・・・
歴代ボンドガールの中で最もスピンオフを見たかった人
スカラマンガのアジトとなる島ピンカン島にキャストおよび撮影クルー一同が通うための最寄の地プーケットは、当時、まだリゾート地ではなく閑散とした地方都市でした。そのため、現地の娼館をホテルに作り替え、そこに全員滞在していました。しかも、移動するボートにおいても、常に、本物の海賊に対する脅威を感じながらの移動でした。
ボンドムービーの魅力は、こういった未開の地を開拓していくところにもあります。
さて、一般的には、本作のボンドガールは歴代ボンドガールの中で印象の薄い部類に入ると言われています。しかし、もし歴代ボンドガールでスピンオフが作られていたならば、「諜報部員見習い2年目」のグッドナイト嬢ほど魅力的な存在はなかったのではないでしょうか。計算してるのかしてないのか分からない女性の狡猾さを武器に活躍するその姿をもっと見たいと思ったのは私だけでしょうか。