アクア ディヴィーナ
原名:Aqva Divina
種類:オード・トワレ
ブランド: ブルガリ
調香師:アルベルト・モリヤス
発表年:2015年
対象性別:女性
価格:25ml/6,100円、40ml/8,700円、65ml/11,700円
ブルガリ版『ヴィーナスの誕生』
2005年からはじまるブルガリの「アクア シリーズ」(Aqvaとスペルされる理由は、ラテン語にはuが存在しない為)から、2015年2月にはじめてレディースフレグランスが発売されました。
その名を「アクア ディヴィーナ」と申します。〝塩から生まれる甘味〟という神秘的なウォータリーフローラルの香りは、アルベルト・モリヤスにより調香されました。
きらきらと輝き、実に官能的で、〝素肌にもう1枚肌を纏っているような〟女性のうなじから立ち上るような香り。それは、無垢な香りではなく、ボッティチェッリが描いたヴィーナスを感じさせる親密な香り。
人工的でもなく、もっともらしく洗練を装っているのでもない、ほぼ手を加えていないナチュラルなエレガントさ。
アルベルト・モリヤス
この香りは、ルネサンスの画家サンドロ・ボッティチェッリによる『ヴィーナスの誕生』を、ブルガリ流に解釈した香りです。そして、何よりもこの香りの全てを物語るのが、アフロディーテーが身に着けていた黄金の装飾品のようなボトルデザインです。
さらにボトルのカラーは、ヴァーナスが立つ貝殻を連想させるホワイトパールであり、ボトルのシルエットは、ピンクゴールドのキャップがついた宝石のように美しい円盤型です。
ブルガリ版『ヴィーナスの誕生=アクア ディヴィーナ』の名の意味は「神の水」。母性を感じるような温かさと母貝の艶めきを思わせるまろやかなパウダリー感のあるこの香りは、女性の繊細さだけでなく、生命の始まりである〝海〟と、さらに女性の持つしなやかな強さを表現した香りです。
優しさと美しさと強さのバランスが取れた香り
〝地中海の驚異から生み出された新しいジュエリー〟とまでブルガリが謳うこの香りは、ブルガリ屈指の難解な香りです。それは一言でいうと、優しさと美しさと強さのバランスが取れた香りです。
この香りの特異なところは、〝海〟の香りを生み出す時に重用される合成香料カロンを一切使用せずに、ヴィーナスが誕生する〝海〟の香りを創造しているところにあります。
イタリアの太陽が音もなく爆発したようにスパークリングするベルガモットからこの香りははじまります。すぐにピンクジンジャーが「もっと光を!」と、歓喜の声を上げるように、熱を帯びた砂のぬくもりを感じさせるように柔らかなスパイス感を加えてくれます。
そうです。この一吹きを浴びた瞬間、誰もが〝夢にまで見た理想の美しきビーチ〟へと瞬間移動してゆくのです。
さらにもうひとつ、強烈な〝塩〟の香りが、〝海の潮風〟というよりも、ソルティ(塩の持つサラサラとした感触に近いもの)を感じさせる、いわゆるマリンノートとは全く別物でありながら、どこか〝海〟を感じさせる不思議な香りで包こんでゆくのです。
それは海水からあがるヴィーナスの肉体の滑らかな輝きと同じくらいに、地中海のアトランティスに向かい水の世界に飛び込んでいく、アクアの煌きを一身に背負うヴィーナスのしなやかさを感じさせます。どこかに静かに眠る真珠を探して女性は潜るのです。まるで運命の人に出会うための旅に出るように・・・
やがて空気のように、他の香りの邪魔をせず、引き立ててくれる〝塩〟の香りが、クリーミーなマグノリアとグリーンフルーティーなマルメロを優しく愛撫してゆきます。
塩味と甘みが絶妙に同居する中、ついには海水を帯びた肌が、太陽の祝福を受けているようなパウダリーな蜜蝋と、ウッディでムスキーな透き通るようなアンバーに包まれてゆくのです。
同じ塩系のジョー・マローン・ロンドンの「ウッド セージ & シー ソルト コロン」と比較される香りです。
キャンペーン・モデルとして、スーパーモデルでありヴィクトリアズ・シークレットのエンジェル、マグダレナ・フラッコウィアック(1984-)が起用されていました。
香水データ
香水名:アクア ディヴィーナ
原名:Aqva Divina
種類:オード・トワレ
ブランド: ブルガリ
調香師:アルベルト・モリヤス
発表年:2015年4月1日
対象性別:女性
価格:25ml/6,100円、40ml/8,700円、65ml/11,700円
トップノート:ソルト、ベルガモット、ピンクジンジャー
ミドルノート:マグノリア、マルメロ(西洋かりん)
ラストノート:蜜蝋、ヌードアンバー、ウッディノート