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『プリティ・イン・ピンク/恋人たちの街角』3|アニー・ポッツにおまかせ

その他の現代の女優たち
その他の現代の女優たち
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作品データ

作品名:プリティ・イン・ピンク/恋人たちの街角 Pretty in Pink (1986)
監督:ハワード・ドゥイッチ
衣装:マリリン・ヴァンス
出演者:モリー・リングウォルド/ジョン・クライヤー/アンドリュー・マッカーシー/ジェームズ・スペイダー/アニー・ポッツ

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アンチ・ミニマル!アンチ・ノームコア!

モリー・リングウォルド扮する主人公アンディの親友であり、レコード店「TRAX」の経営者(アンディはここでバイトしている)にして、彼女の姉のような存在のイオナ。彼女のファッションは、アンディとは対極のスタイルであり、ここにファッションというものの本質があります。ファッションとは、同じ感覚の集まりよりも、全く違う感覚の異種交配により生み出されるものの方が遥かに刺激的なのです。

つまり同じテイストの人間が集まる中から生み出されるスタイルは、その時点で、もはや飽和状態を迎えているということです。ファッションの本質にあるのは、混在であり、例えば、1990年代にショートソックスの女子高生の中に、ルーズソックスの女子高生が一人現れる街の風景はファッションであり、それがルーズソックスを履く女子高生で街が溢れかえった時には、そのファッションはもはや刺激的ではなくなるのです。それはストリートカルチャーにも共通する部分ともいえます。ストリートファッションの進化は、群れるストリート野郎の中からではなく、群れない野郎から生み出されてきた歴史なのです。

初登場にして、いきなりパンキッシュなヘアスタイル。

天井に散りばめられたレコード、レコード、レコード・・・

壁打ちホッチキスで、万引き少年を撃退!

イオナ・ルック1 パンク・ブラック・ガール
  • PVCタンクトップ、ベアバックスタイル
  • 白の半そでシャツ。背中はオープン
  • レザーベルトとドロンジョ・グローブ
  • 左の二の腕にバングル
  • 黒のPVCロングスカート
  • 三連リングのイヤリング
  • 右腕にラバーリングの重ねつけ
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ティエリー・ミュグレー・テイスト

そして、ミュグレー風ボディコン・スタイル。

恐らく2018年SSには、各ブランドが『ボディ・コンシャス』を再構築するでしょう。

イオナ・ルック2 ボディ・コンシャス
  • 80年代風ニュールックドレス、パワーショルダー
  • 右腕にはリングの重ねつけ
  • 左手には黒のラバーリング重ねつけ
  • 黒のヘッドドレス、レッドネット

背後にあるボーリング・ランプが実に印象的です。

イオナ・ルック3 ブロンディ・ルック
  • ブロンディ風のウィッグ
  • バイカラー・チャイナドレス
  • ブラックパンスト
  • ブラックローヒールパンプス
  • 左手にブレスレット

1980年代を代表するティエリー・ミュグレーに象徴されるボディ・コンシャスと、「ブロンディ」のデボラ・ハリーに象徴されるパンキッシュな東洋ミックスを取り入れるイオナ。インスタやブログを見て、装飾性に乏しいファッションに身を包み、ミニマルやらノームコアと言っていた本質にあるものが、ファッションではなく、ファスト・ファッションに先導されたマスファッションでしかなかったという真実。

ファッションはどこまでもアンチ・ミニマルであり、ハードコアであるという真実をイオナは思い出させてくれます。