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キリアン

【キリアン】アップルブランデー オン ザ ロックス(シドニー・ランセスール)

キリアン
©KILIAN PARIS
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アップルブランデー オン ザ ロックス

【特別監修】Le Chercheur de Parfum様

原名:Apple Brandy on the Rocks
種類:オード・パルファム
ブランド:キリアン
調香師:シドニー・ランセスール
発表年:2021年
対象性別:ユニセックス
価格:50ml/33,000円
販売代理店ホームページ:ラトリエ デ パルファム

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2013年版と2021年版が存在する「アップル ブランデー」

©KILIAN PARIS

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2021年10月27日から開催されたサロンドパルファンにおいて伊勢丹新宿店で「キリアン」のコレクション「ザ リカーズ」の新作二作品「アップルブランデー オン ザ ロックス」と「ルール ヴェルト」が先行販売されました(11月24日より日本橋三越本店/阪急メンズ東京/ジェイアール名古屋髙島屋でも発売されています)。

それぞれの香りのコンセプトは、ニューヨークとパリの都市における特徴的な飲み物であるアップルブランデーのオンザロックとアブサンです。

ニューヨーク・ブティック ©KILIAN PARIS

「アップルブランデー オン ザ ロックス」は、アロマティック・フルーティーな香りです。この香りはシドニー・ランセスールにより調香されました。

元々は2013年11月に、ニューヨークのミートパッキング・ディストリクト(昔は精肉工場が集まり、夜には女装した売春婦が立っている治安の悪い場所だったが、21世紀に入り、かなりお洒落な店の多いエリアになりました)のワシントンストリート804番地にキリアンのブティックがオープンした時、〝ブティック・エクスクルーシブ〟としてシドニーが生み出した「アップル ブランデー」をアレンジしたものです。

なぜニューヨークが「アップル ブランデー」かと言うと、それはニューヨーク市のニックネームがビッグアップルだからです。つまりキリアン・ヘネシー(世界最大のコニャック生産企業ジャズ・ヘネシー&カンパニーの創設者であるリチャード・ヘネシーの子孫)曰く「この香りは、ビッグアップルとコニャックのウインクなのさ」ということなのです。

ちなみにアップルブランデーとは、ブドウの代わりにアップルを使って作られた蒸留酒のことを言います。その中でも、最上級のものには「カルヴァドス」という名が与えられます。

シードルとアップルブランデーの違いについては、シードルが醸造酒で、アップルブランデーが蒸留酒になります。醸造酒を蒸留させて作るのが蒸留酒です。

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2013年の元祖「アップル ブランデー」について

©KILIAN PARIS

オリジナルの香りは、濃厚な焼きりんごのようなアップルサイダーからはじまります。ここにブランデーのようなラム酒とバニラが注ぎ込まれてゆき、まるでスモーキーなシガーのような芳香に包まれてゆきます。

やがて、オーク樽とキャラメルのようなアンバーが溶け込み、アップルの香りは減退してゆきます。そして、シダーの森の中にあるブランデー貯蔵庫に導かれるように、甘さよりも滑らかなドライウッドが突出した実にリアルなブランデーが肌の上にスムーズに広がってゆくのです。

シダーはテキサスシダーと中国産ホワイトシダーがブレンドされていました。この二種類のシダーとスペイン産のベンゾインを組み合わせて、スモーキーでウッディなオーク樽の香りを表現しており、アルコールが蒸発した際の甘い香りをバニラとアンブロクサンで表しています。

エンジェルズ シェア」と比較しても、フルーティーなブランデーの香りであり、ブランデーを被ったくらい濃厚です。

2-メチルペンタン酸エチル(Manzanate)は、フルーティーなアップル、甘いパイナップル、シダーの香りがする合成香料です。クリードの「アバントゥス」でも使われています。
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甘くて酸っぱい大人の恋の物語

©KILIAN PARIS

オリジナルの「アップル ブランデー」のオープニングに、〝オンザロック〟の要素を組み込み、新たに生まれ変わったのが新作の「アップルブランデー オン ザ ロックス」です。

ベルガモットとパイナップル、カルダモン、そして、包み込むようなアンブロキサンにより表現した〝オンザロック〟のアイシーフレッシュな芳香からこの香りははじまります。すぐに焼き焦がしたアップルがラム酒に酔わされながら現れます。

この〝オンザロック〟が肌の上で甘やかされ、ピリっとしたパイナップルが突出し、アップルブランデーに酔わされる瞬間。これがこの香りの醍醐味です。

そこにほんのりと(湿った草原のような)モスと(蕩けるようではなくクールな)バニラが加えられ、清涼と躍動を伴わせたシダーウッドにより、ニューヨークのナイトクラビングを連想させる華やかな官能の予感を導きながらほろ酔い気分のドライダウンへと終結してゆくのです。

華やかな夜を感じさせながらも、そこには苦い夜を何回も乗り越えた一人の女性(もしくは男性)がいるのです。再び、愛を求めて甘い夢を掴もうとする、表面上は笑顔を見せない大人の男女のための甘くて酸っぱいブランデーの香りなのです。完璧なイブニング・コンパニオンです。

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どのようにしてオンザロックは生み出されたか?

アメリカ人はフランス人に比べてよりフレッシュな香りを好みます。だからこそ、「オンザロック」の要素を追加しました。ただし、アメリカ人女性が必ずしもフレッシュなものを好むわけではありません。

キリアン・ヘネシー

この香りのイメージは、アップルブランデーをオンザロックで飲むときに、キンキンに冷えたブランデーの冷たい口触りから、喉を通る時の甘さと温かさです。

柑橘であるベルガモットの酸味が冷たさを感じさせ、カルダモンもコールドスパイスなので、同じく冷たさを表現してくれます。ちなみに「ウォッカ オン ザ ロックス」でもカルダモンが使われています。

そして、パイナップルは、現代風の男性像を作り出すために使用されています。それはクリードの「アバントゥス」、シャネルの「ブルー ドゥ シャネル」、ニシャネの「ハジワット」、ダビドフの「クールウォーター」といったメンズフゼアによく使われます。

アンブロキサンは、アルコールが生み出す幻想的な雰囲気や、酔わせる効果を生み出しています。

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香水データ

香水名:アップルブランデー オン ザ ロックス
原名:Apple Brandy on the Rocks
種類:オード・パルファム
ブランド:キリアン
調香師:シドニー・ランセスール
発表年:2021年
対象性別:ユニセックス
価格:50ml/33,000円
販売代理店ホームページ:ラトリエ デ パルファム


トップノート:カルダモン、ベルガモット
ミドルノート:ラム、アップル、パイナップル、バニラ、ブランデー、モス
ラストノート:アンブロクサン、シダー