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【リベルタ パフューム】サクラ マグナ(山根大輝/武宮志昌)

その他
©Scentopia Inc
その他その他ブランド調香師香りの美学
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サクラ マグナ

原名:Sakura Magna
種類:オード・パルファム
ブランド:リベルタ パフューム
調香師:山根大輝、武宮志昌
発表年:2021年
対象性別:ユニセックス
価格:50ml/19,788円
公式ホームページ:リベルタ パフューム

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2021年に、下剋上を果たしたリベルタパフューム

©Scentopia Inc

毎年同時期に伊勢丹新宿店で開催されていたサロンドパルファンが、2021年10月27日(水)~11月9日(火)にかけて初めて伊勢丹新宿店メンズ館においても本館と同時開催されることになりました。

そして、その「目玉イベント」として2週間の限定店舗を出店することになったのが新進気鋭の日本のフレグランス・ブランドであるリベルタパフュームでした。結果的に、この2週間は、「リベルタの2週間」と香水業界内で囁かれるほどに、全国の香水愛好家の心を一瞬にして鷲づかみにすることになりました。

そして、サロパにおける大成功後、リベルタパフュームが2021年3月から発売しているLIBERATION(リバレイション)コレクションが俄然、香水愛好家の間で注目を浴びるようになったのでした。

あらゆる既成概念を取っ払い、自由な発想とアコードでクリエーションするというコンセプトで生み出される「香りのないものに、香りを与える」シリーズの一作目の香り「サクラ マグナ」(=偉大な桜)は、2021年3月に発売されました。山根大輝氏と武宮志昌氏により調香されました。

〝威風堂々と咲き誇る満開の桜〟をイメージしたこの香りは、調香師である山根氏が持っていた「従来の桜の価値観」への違和感が起点となっています。

私が幼少期に住んでいた場所は、住宅街ですが全長3kmもある桜並木が有名でした。満開になると、まるで覆いかぶさるように咲く桜の情景は、他のブランドが表現するような可憐な桜とは異なっていたと思います。その原体験にある香りはなんだろう、と常に問いかけながらクリエーションすることを大切にしていました。

構想期間を含めると1年くらいかけて、39回(もしかしたらこの香りの名は、「サクラ 39」になっていた可能性もありました)の試作を経て出来上がりました。同じくパフューマーである武宮と共同クリエーションする初めての試みでもあったので、お互いの感性を混ぜていくことにも多くの苦労がありました。

山根大輝

静かに桜花爛漫たる、王朝絵巻のような優雅な香り。

©Scentopia Inc

「香りのないものに、香りを与える」「LIBERATION」それはまさに〝香りの自由への道〟です。それは香りのないものに、香りを与え、解放していくという創作活動なのです。

新渡戸稲造の有名な言葉「薔薇は桜の単純さを欠いている」を例に出すまでもなく、日本人にとって、永遠に忘れがたい情景のひとつである〝満開の桜〟を香りを通して表現したこの香りは、ジャスミンサンバックとイランイランの香りからはじまります。そこには桜が散る儚さではなく、満開の桜の力強さが存在します。

桜の香り=可愛らしいチェリー・ブロッサムという通念を突き破っていく、大地と大樹の力強さを感じさせる桜の香りがそこにはあります。それは新しいことをしているにも関わらず、日本人の心の奥底に眠る〝桜の記憶〟を蘇らせるようです。

やがてジャスミンアブソリュートとヴァイオレットが、【永遠に枯れない桜花爛漫の香り】を生み出していくように、(単品で嗅ぐと不快な)インドールとスパイシーなアニスアルデヒド、さらには(杏仁豆腐のような)ベンズアルデヒドとクマリンを加え、いのちの輝きを与えてゆきます。

そして、ラストノートにおいてこの桜の香りの個性を際立たせる、最も重要な二つの香料が現れるのです。それはイリスアブソリュート(1Kgで1000万円する貴重な香料)とバニラアブソリュートです(リベルタパフュームのジャーナルには、ゲランの「ルール ドゥ ニュイ」からインスパイアされたという裏話も)。

二つの香りが溶け合いながら、酔わせるようなリキュールのほろ苦さを漂わせてゆきます。そして、クリーミーなサンダルウッドと結びつき、伸びやかに、天に向かってその枝を猛々しく伸ばしてゆき、満開の桜が、太陽に向けてその花びらを舞い散らす瞬間を待ち構えているように、柔らかな温かい余韻で包み込んでくれるのです。

20代~30才の若者が生み出した「サクラ マグナ」には、優れた日本文化の継承とも言える、銀閣寺や竜安寺の庭に代表されるような<見る側に想像の余地を残す>という特徴があります。

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〝香りの民主化〟の真の意味とは?

©Scentopia Inc

「サクラ マグナ」の魅力は、満開の桜が、桜吹雪にならずに、肌の上で桜花爛漫し、静かな夜風にそよぎ、優しく柔らかな空気で包み込んでゆくところにあります。

つまりは、リベルタパフュームのジャーナルにも説明されているように、

  1. チェリー・ブロッサム・・・甘酸っぱさのあるサクランボの香りとフローラル調の香料をブレンドし生み出されたフルーティな香り。
  2. 桜餅・・・バニラのようなふくよかな甘みを特徴とする、桜の葉に含まれる香気成分クマリンを使用した軽やかなフローラル調の香り。

「サクラ マグナ」は、それらの特徴を持つ一般的な〝桜という名のつく香り〟とは、一線を画した香りです。このような思い切った香りを創造することが出来るのは、ディストリビューターに依存せず、自社販売網を確立しているからなのです。

それにしても、ブランドの最初の香りから、ジャスミンアブソリュートとイリスアブソリュートというとんでもなく希少価値の高い香料をブレンドしていくとは、考えることは出来ても、いざ実現させ、香りを生み出すとなれば、なかなか出来ないことです。

そして、カイエデモードは、「サクラ マグナ」を徹底分析している中で、ひとつ大きな革命に気づかされたのでした。それは、リベルタパフュームのジャーナルを読みながら、実際の香りを追体験していくという、香りの創造のプロセスを肌で楽しんでもらう、世界でも稀有な試みをリベルタパフュームは行っているということです。

なるほど!これが〝香りの民主化〟なのだ(それは〝香りの民衆化〟ではなく)!と気づかされたのでした。

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香水データ

香水名:サクラ マグナ
原名:Sakura Magna
種類:オード・パルファム
ブランド:リベルタ パフューム
調香師:山根大輝、武宮志昌
発表年:2021年
対象性別:ユニセックス
価格:50ml/19,788円
公式ホームページ:リベルタ パフューム


トップノート:ジャスミンサンバック、アーモンド、イランイラン
ミドルノート:ジャスミンアブソリュート、ヴァイオレット、アニス
ラストノート:イリスアブソリュート、バニラアブソリュート、サンダルウッド

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