エディター・プロフィール:圭子・スカイウォーカー
生年月日不明。性別不明。国籍日本。見た目は30代前半、身長170cmくらい。藤圭子にすごく似ている。ラグジュアリー・ファッションに対する情報の幅の広さから、恐らく現役の関係者と推測される。本人とのやり取りはメールと電話と二度っきりの会見のみ。口癖「ファッション誌はあてにならないので読まないわ」。大好きなものは「ダイアン・アーバスの写真とニーナ・シモン」、最も嫌いなものは、「SNSに夢中な女子と、プチプラ自慢する人たち」とのこと。(長谷紅記) |
10.ディオール
前シーズン記事 2018年春夏おすすめラグジュアリーバッグPART10<ディオール>
ディオールとシャネル。この二つのブランドは、コスメ・ラインとの相乗効果によって、あらゆる年代の女性にとって〝永遠の憧れ〟になっているブランドなの。それに匹敵するブランディング効果を生み出せているのは、トム・フォードのみ。しかし、なぜかディオールには、ぱっとしたアイコン・バッグがレディ・ディオール以外に誕生しないの。そんな危惧をやっと覆すことになる二つ目のアイコニック・バッグが誕生したの。その名は、サドルバッグよ。 |
かつて、フェンディのバゲットと、ヴァレンティノのロックスタッズを生み出したマリア・グラツィア・キウリが2016年に、ラフ・シモンズの後任としてディオールの主任デザイナーになったの。
さらに、2018年に、ルイ・ヴィトンからやって来たディオールのメンズ・ライン(ディオール・オムのブランド名は2019年SSよりディオールになる)の新しき主任デザイナー・キム・ジョーンズにより勢いに乗るディオール。
シャネルに匹敵する〝パリモードを体現するメゾン〟であるディオール。コスメに関しても、香水に関しても、シャネルに劣る部分はないんだけれど、どうしてもバッグに関しては、ディオールは到底シャネルに敵わなかったの。そんなブランドとしての弱点を克服するべく21世紀はじめに誕生した「サドルバッグ」を復活させたのよ。
「シャネルには、メンズラインが存在しない。一方、ディオールには、バッグが存在しない」。そんな軽口をもう叩かせないと言わんばかりに、ラグジュアリー・バッグにおけるディオールの逆襲が今まさに始まろうとしているのよ。
サドルバッグ 320,000円 ★★★★★
1999年に、ディオールの2000年春夏コレクションにおいて、当時の主任デザイナー・ジョン・ガリアーノにより創造されたバッグ「サドルバッグ」は、馬鞍のフォルムにゴールドの“D”があしらわれたデザインにより、誕生と同時にセンセーションを巻き起こしたの(上記の四枚の写真は、ガリアーノによるサドルバッグ)。
パリス・ヒルトンが愛用したこともあり、2001年に空前の売れ行きを見せたサドルバッグによって、ディオールのアクセサリー部門は、前年比60%以上の売り上げをあげたのよ(2008年までサドルバッグは販売された)。
そんな伝説のアイコン・バッグが、2018-19年秋冬コレクションで、マリア・グラツィア・キウリによって復活したの。
なかでもジャカードキャンバスにロゴが敷き詰められた、アイコニックなオブリーク柄(1970年に誕生)を蘇らせたサドルバッグが特に人気よ。マリアによる新提案は、18万円(も!)するメダリオン・ストラップとの組み合わせ。
2018年7月19日に世界同時発売され、一瞬にして2018年の話題の中心になったサドルバッグ。「シャツやジャケットのように身に着けるこのバッグは、ストラップの仕様が快適でその存在を忘れてしまうほど」とマリアがコメントするように、肉体へのフィット感が本当に絶妙なバッグなの。