バニーユ レザー
原名:Vanille Leather
種類:オード・パルファム
ブランド:Bdk パルファム
調香師:ドミニク・ロピオン
発表年:2023年
対象性別:ユニセックス
価格:10ml/9,350円、100ml/46,200円
販売代理店ホームページ:NOSE SHOP
26歳の青年がパリで創業した『Bdk パルファム』
私は香水業界で学び続け、成長していきたいと思っています。現在、私は調香師、研究室、エバリュエーターから多くのことを学んでいます。また、修士課程でジボダンのチームで1年間研修し、貴重な知識も得ました。
今後も専門家から学び続け、学び、創造する時間をもっと与えられたいと思っています。だからこそ、私は調香師ではなく、クリエイティブ・ディレクターであり、クリエイティブ・プロセスに深く関わり、調香師という専門家から学ぶのだと常に言っています。調香師と私のコラボレーションは、美しい香りを創り出す上で非常に重要です。
デイヴィッド・ベネデック(2023年のインタビュー。日本のメディアが誤って記載しているので、ここは訂正すべきでしょう。彼は調香師ではなく、クリエイティブ・ディレクターなのです。つまりとても謙虚な人なのです。)
デイヴィッド・ベネデック(1989-)が、弱冠26歳でフランス・パリで創業した『Bdk パルファム』は、2016年にファースト・フレグランスを発表して以来、10年も経たないうちに、世界的な知名度を誇るニッチ・フレグランス・ブランドの地位を獲得していきました。
ベネデックは、祖父母がルーマニア系の人で、第二次世界大戦中にルーマニアからフランスに亡命してきました。そして終戦後、駐屯するアメリカ兵にフレグランスを専売するビジネスを行い大成功を収めました。
1960年代に、祖母と父が(祖父は急逝していた)、ルーヴル美術館のすぐ近くにあるロワイヤル通りとサントノレ通りの角に最初の香水店「Benlux」をオープンし、今でも観光客の香水購入の聖地として人気を博しています。そんな環境の中にいたからこそ彼の香水ビジネスへの覚醒は早かったのでしょう。
2012年にIFMで香水学を専攻し、インターパルファムでインターンシップを受け、より本格的に調香の勉強をする必要性を感じ、ジボダン、そしてサンキエームサンスで学びました。そして、Mane社で働きながら、僅か26歳で、姓を略した「Bdk パルファム」を創業したのでした。
ラグジュアリーの真髄を、素肌で感じることが出来るバニラの香り
そんなBdkから、2023年に〝コレクシィオン デ ゼクスクルジフ〟の新作として発売されたのが「バニーユ レザー」でした。ドミニク・ロピオンにより調香されました。
この香りの誕生のすべてのはじまりは、パリのENSAD(国立高等装飾美術学校)のファッション科のランウェイショーで、ドミニク・ロピオンが学生と協力し、衣服との相性が良い官能的なグルマンを生み出したことでした。
その香りを、IFFからデヴィッド・ベネディックはプレゼントされ、すぐに気に入ったのですが、少し抽象的だと感じたので、実際にドミニクに会って話したいと思いました。そして二人はこの香りを製品化することにしました。4回のミーティングを重ねて、この香りは誕生しました。
〝ラグジュアリーの真髄を、素肌で感じることが出来る、贅沢さと洗練さを感じさせる、日常を超えた体験を生み出すこと〟をテーマに掲げ、チューベローズとオレンジフラワーのアブソリュートによりさらに明るさを与えました。
さらにピンクペッパーで中毒性のあるスパイシーなひねりを加え、オークウッドがマダガスカル産バニラ・アブソリュートの革のような、動物的な側面を強め、パチョリがバニラのスモーキーな側面を強めることになりました。
極めつけの天然香料を揃え、超一流のシェフが生み出した、魅惑のバニラの香りのフルコース
この香りで私はバニラの神秘性と荘厳さとその大胆さに対し敬意を表しました。貴重なバニラポッドと白い花のブーケを組み合わせ、その温かく官能的な個性をゆっくりと表現しようと思ったんです。
バニラは硫黄の香りとほんのりハチミツの香りのチューベローズで飾られ、ジャスミンの力強い甘さに包まれ、最後にオレンジブロッサムの丸みのある官能的な香りに溶け込んでいきます。余韻を強めるために、オークウッドとパチョリの香りを中心に配することにしました。
ドミニク・ロピオン
極めつけの天然食材が揃っていても、それらの食材を使いこなせる超一流のシェフがいない事には、超一級のフレンチは生まれません。それと同じで、極めつけの天然香料を揃えることが出来ても、それらの香料を使いこなせる超一流の調香師がいないと、超一級の香水は生まれません。
さらに加えて言うと、超一級のフレンチとは、誰からも愛される料理を生み出すのではなく、フレンチが分かる人を対象にした料理になるのです。
「バニーユ レザー」は、超一級のフランス香水(特にゲラン)を愛している人々を対象にした、超一級のバニラ、グルマン、レザー、チューベローズが感じられる香りです。それは、超一流シェフであるドミニク・ロピオンが、明確なるターゲット層に向けて生み出した、疑う余地がない超一級の香水なのです。
はじまりからとても贅沢に甘やかされたバニラが、川の流れのように、素肌の上を流れてゆきます。ピリっと弾けるピンクペッパーとふんわりパウダリーなヴァイオレットが、バニラがとろけてにおい立つ素肌の上に、エレガントなコスメティックノートの粉雪を降らせてゆきます。
甘く艶やかに磨き上げられた、光り輝くボディの周りを舞う、コスメティックな粉雪に、フェミニンなバニラの香りが溶け合うのです。そしてバニラのレザーの側面も強調されてゆきます。
この辺りで、この香りを身に纏う淑女の皆様は気づかれるのではないでしょうか?どうやら、この香りはパリモードの歴史をひとまとめに身につける、見えないワードローブなのだということを。
バニラとチューベローズで磨き上げられた肉体を、ヴァイオレットと(バターのような)アイリスがメイクアップを、ジャスミン×オレンジ・ブロッサムとパチョリが洗練された衣服を、バニラのレザーの側面がレザーバッグやシューズ、ジャケットを連想させるように、見事なバランスで、あなたの素肌と心に、超一級の香りのフルコースが届けられてゆくのです。
そして、何よりも重要なのが、IFF独自の新しい抽出法によりコニャック樽から抽出されたオークウッドの存在です。このオークウッドの存在が、バニーユレザーをオーク樽熟成させているのです。このバニラがどこか、自己陶酔にも似た、酔わせるようなめくるめく感覚を着用者に与えるのはそのためです。
とても洗練された『甘いパリの恋人』を生み出す香り
シャネルやディオール、ジバンシィ、イヴ・サンローランのパルファン部門のクリエイティブ・ディレクターがこの香りの中に身を置いた瞬間、「自分のブランドのエクスクルーシブ・ラインに欲しかった!」と地団太を踏んで悔しがったことでしょう。それくらいに、50年代から脈々と続くパリモードを体現した『甘いパリの恋人』を生み出す香りです。
とてもミニマルなアールデコ調の洗練されたボトルのキャップは、パリのグラン・パレの屋根からインスピレーションを得ています。
(Bdkが他ノニッチ・フレグランスと一線を画す点は何だと思いますか?という質問に対して)品質です。本当に、正直に言って、品質と創造性だと思います。Bdkのクリエイティブ・ディレクターとして、配合に使われる原材料を知っていますし、Bdkでのアプローチも知っています。これは本当に高品質の原材料を使った高級香水です。クリエイティブだと思います。Bdkパルファムの香りを嗅ぐと、業界で他に似た香りは感じられません。
デイヴィッド・ベネデック
香水データ
香水名:バニーユ レザー
原名:Vanille Leather
種類:オード・パルファム
ブランド:Bdk パルファム
調香師:ドミニク・ロピオン
発表年:2023年
対象性別:ユニセックス
価格:10ml/9,350円、100ml/46,200円
販売代理店ホームページ:NOSE SHOP
トップノート:ピンクペッパー、ヴァイオレット
ミドルノート:インド産チューベローズ・アブソリュート、エジプト産ジャスミン・アブソリュート、オレンジフラワー・アブソリュート
ラストノート:マダガスカル産バニラ、インドネシア産パチョリ、オークウッド、アイリス、ベンゾインレジノイド、レザーアコード