シカゴのラルフ・ローレンの実店舗で選んだ衣裳
クレア・ルック1-2 ウエスタンルック
- ピンクのVネックのカットソー
- ブラウンのペイズリー柄のミディアムラップスカート、ハイウエスト
- ブラウンの太ベルト
- ブラウンのレースアップのビクトリア朝風乗馬ブーツ
- 腕時計
- ブラウンのレザーショルダーバッグ
最初にマリリン・ヴァンスによって用意されていたクレアの衣裳(ピンクのニットのセーターをレイヤードしたもの)に対して、当時16歳のモリー・リングウォルドは、クレアらしく洗練されていないとジョン・ヒューズに伝えました。そして、二人は、当時シカゴに唯一存在したラルフ・ローレンの店舗を訪れ、クレアの衣裳を揃えていったのでした。つまり、クレアのファッションは、端々にいたる全てが、モリーの感性によって作り上げられたものでした。
ただし、レザージャケットだけは、ラルフ・ローレンのものではなかったとモリーは回想しています(スカート、シューズ、トップスは確実にラルフ・ローレンのもの)。ちなみにカットソーは購入時は白色でしたが、薄いピンク色に染めなおしたのでした。
PRフォト向けのクレア・ルック
クレア・ルック2 メンズライク・ジャケット
- ブラウンのジャケット、ノッチラペル、袖はロールアップ
- ブラウンニット
- マルチカラーチェックスカート
- 白のレースのスパッツ
- ブラウンブーツ
- 左耳にだけ、マザーオブパールのハート型イヤリング
その男の名をミスター・サタデーモーニングと呼ぶ
ジョン・ヒューズの作品に必要不可欠なのが、若者相手に本気になって怒る教師の存在です。現在においては死滅しつつあるこのタイプの教師が、逆に斬新です。
土曜日の朝から始まる懲罰自習の監視人として登場するのが、ポール・グリーソン(1939-2006)扮する校長のリチャード・ヴァーノンなのです。またの名を〝ミスター・サタデーモーニング〟。バリー・マニロウのようにスーツを着こなす渋いイケメン教師です。1980年代に日本人で演じるとするならば、当時の高田純次でしょうか。同じくジョン・ヒューズ監督の『フェリスはある朝突然に』(1986)のルーニー校長に匹敵する存在感です。
ちなみに、ジョン・ベンダーを演じたジャド・ネルソンは、ステラ・アドラーの門下生だったこともあって、カメラの前以外でも、すっかり役柄に入り込み、モリー・リングウォルドを苛めていました。そのため、ジョン・ヒューズは彼を解雇しようとしたのですが、それを必死になって止めたのが、ポール・グリーソンだったのです。