アレッサンドロ・ミケーレが愛するリングレッツ
アンディ・ルック4 フローラル・オン・フローラル
- 赤のフォクシーサングラス
- 水色のカーディガン。バラの刺繍
- 白のレースブラウス
- フローラル・サブリナパンツ
- ピンクのルーズソックス
- レースアップブーツ
現在のグッチのクリエイティブ・ディレクター、アレッサンドロ・ミケーレが愛するこの作品。何よりもカッコいいのは、ラグジュアリー・ブランドのデザインをチープに再現したのではなく、逆にラグジュアリー・ブランドに、真似させたスタイリングの提案がリングレッツの中には、多く存在するということです。その一つが、グラニー・シックっぽくなっていないこのコーディネートなのです。ミケーレのテイストの根本には、この作品が深く根ざしています。
ちなみにこの作品でマドンナのファッションをアンディが褒めるシーンがあります。そして、ミケーレは30年後の2015年~16年に、マドンナの「レベルハート・ツアー」のコスチュームを手がけることになるのです。
80年代といえばトムボーイ・スタイル
アンディ・ルック5 トムボーイ・スタイル
- 黒のジャケット
- 白シャツ
- 白のレギンスにベージュソックスを重ねる
- 黒ドレスシューズ
- レイバンのウエリントンのサングラス
アンディ・ルック6 ピンク・オン・ピンク
- ピンクのブラウス
- ピンクのスパッツ
80年代ファッションの素晴らしさとは?
アンディ・ルック7 アーミーテイスト
- アーミーテイストなグレーのジャケット、胸にフラップポケット、黒のパイピング。ジャケットの左から後ろにかけて、丈を短くカットし、ピンクのニットを
- 変わったカラーのブラウス
- ゴールドチェーンネックレス
- 白のフレアスカート
- すでに登場しているレースアップブーツ
- クリーム色のトートバッグとポシェット
アンディ・ルック8 ボヘミアン・モード
- グレーのペイズリー柄の半そでブラウスとスカート
- グレーのインナー
- 大きなパールネックレス
- 赤のフラットシューズ
七変化するアンディ。その中には、トレンドは存在せず、ただその日に着たい服を着る。色々な自分を吐き出すことによって、自分の個性をたくさん作り上げていく作業。それは何かを見て真似をするのではなく、あくまでも自分の触れ合ったファッションとは全く関係のないものから磨き上げた感性によって、生み出すファッション感度。
この映画を80年代に見て、ファッションに目覚めた若者が多かった理由。それは間違いなくルール無用の「自由」が、ファッションに渦巻いていたからでしょう。今、私たちは溢れんばかりのファッション情報を前に、すごく臆病になってしまっています。そして、もう昔のように無邪気に「自由」にファッションを楽しむことは出来ません。だからこそ、ファッションの歴史を知り、自信を持って、リスクを犯し、個性を生み出す「ファッションの最終形態」の時代が始まったのです。