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【ロリータ レンピカ】ロリータ レンピカ フォービドゥンフラワー(アニック・メナード)

ロリータ・レンピカ
©Lolita Lempicka
ロリータ・レンピカ
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ロリータ レンピカ フォービドゥンフラワー

原名:Lolita Lempicka Fleur Défendue / Forbidden Flower
種類:オード・パルファム
ブランド:ロリータ レンピカ
調香師:アニック・メナード
発表年:2008年
対象性別:女性
価格:30ml/4,900円

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〝禁じられた花〟という名の『まぼろしのレンピカ』

©Lolita Lempicka

1983年に、29歳のジョジアンヌ・マリーズ・ピヴィダが創業したロリータ レンピカは、そのブランド名を、ウラジーミル・ナボコフの小説『ロリータ』と、アール・デコの女流画家タマラ・ド・レンピッカから拝借しています。

1984年にパリのマレ地区にブランドの旗艦店をオープンし、同年東京でファッション・ショーを行います。そして、翌年、パリコレにおける初めてのファッションショーを開催しました。

レンピカは、1987年から90年にかけてキャシャレルのアーティスティック・ディレクターも兼任することになり、さらに1987年よりオンワード樫山とパートナー契約を締結し、ブランディングは波に乗ることになりました。

1997年に、レンピカの幼少期のおとぎ話にインスパイアされたブランドのファースト・フレグランス「ロリータ レンピカ」が、韓国の化粧品メーカーであるアモーレパシフィックと提携することにより(2017年まで)、発売されました。

この〝グルマンの金字塔〟のニュー・ヴァージョンとして2008年に限定発売され、発売と同時に各店舗で即日完売を記録した〝まぼろしのレンピカ〟。その名も「ロリータ レンピカ フォービドゥンフラワー」=〝禁じられた花〟です。

フローラル・フルーティの香りは、オリジナル版を調香したアニック・メナードにより調香されました。

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〝黄色いリンゴ〟と見せかけ、実は〝黄色いさくらんぼ〟の香り

©Lolita Lempicka

〝禁断の花園〟に足を踏み入れた少女の白い素足の足元に転がる黄色いリンゴ。それだけは決して手に取ってはいけないというロリータ・レンピカの森の妖精たちの静止を振り切り、少女はそのリンゴを頬張ってしまうのでした。そんな情景からこの香りははじまります。

爽やかなのか、ピリッとしているのか、毒されているのか分からない魔草のようなストロベリー・リーフとニガヨモギによる、実に無邪気で不可思議な、フレッシュグリーンなハーブと酸味の効いたレモンのハーモニーが広がってゆきます。

それは少女の閉じられていた感覚が開いていくような、希望に満ちた、それでいて、一抹の不安を感じさせる、メルヘンとリアルが繊細なバランスで解き放たれていきます。

すぐに太陽のように黄色いミモザの花蜜と、官能的に揺らめく甘いピオニーが、グリーンの輝きの中に豊かな自然との繋がりを伝えるように、満開の花を咲かせてゆきます。そしてアブサンの薄靄に覆われてゆきます。

さらにミルキーなムスクの雨も降り注ぎ、クッキーのようなアーモンドと温かいモレロチェリーが溶け込み、信じられないほど美しく、酔わせる危険な甘き匂いに満たされてゆきます。

やがてすべてはレモンカラーの黄色いさくらんぼの香りに包まれる中、軽やかにパウダリーなアイリスとヴァイオレットが加わり、触れたいという欲望を掻き立ててゆきます。そんな決して触れることは許されない「呪われた」禁断の花々が咲き乱れる庭園の情欲の嵐に包まれ、どうか夢なら覚めないでと言わんばかりの幻想的な余韻が、素肌に残されてゆきます。

キレのある涼しげな甘やかなレモン×しゃぶってみたくなるチェリーの香りが、この香りの中に、ロリータに夢中になる中年紳士に対する冷ややかな視線を感じさせます。蔑まれれば蔑まれるほど、素肌はより、生気を取り戻していくものなのです。

ディオールの「ヒプノティック プワゾン」の存在を予感させる香りです。

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香水データ

香水名:ロリータ レンピカ フォービドゥンフラワー
原名:Lolita Lempicka Fleur Défendue / Forbidden Flower
種類:オード・パルファム
ブランド:ロリータ レンピカ
調香師:アニック・メナード
発表年:2008年
対象性別:女性
価格:30ml/4,900円


トップノート:ストロベリー・リーフ、ミモザ、ニガヨモギ
ミドルノート:ピオニー、ヴァイオレット、アニス、アイリス
ラストノート:アーモンド、チェリー、ムスク