ルール ミステリユーズ
原名:L’Heure Mysterieuse XII
種類:オード・トワレ
ブランド:カルティエ
調香師:マチルド・ローラン
発表年:2009年
対象性別:ユニセックス
価格:75ml /36,465円
公式ホームページ:カルティエ
13まで数字が存在する〝香りの時計盤〟の『12』の香り
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2009年発売当時のボトル・デザイン ©Cartier
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発売当時のマチルド・ローラン様 ©Cartier
ハイジュエリー・ブランド、カルティエが、2009年からスタートしたブランド初のラグジュアリー・コレクション「レ ズール ドゥ パルファン〝香水の時間〟」は、通常の12までではなく、13まで数字が存在する〝香りの時計盤〟です。
13の親密な香りを表現する13の時間。それはかつて経験したことがある感情への道しるべのように全感覚に広がる〝香りのアート〟のコレクションとして五種類の香り(ムスク、レモン、フルーツ、パチョリ、ベルガモット)からはじまりました。そのうちのひとつが「ルール ミステリユーズ」です。
〝ルール ミステリユーズ=神秘の時間〟は、数字の〝12〟が振り当てられている香りです。
神秘的なインセンスとジャスミンとパチョリがひとつになり、神秘の時を刻むこの香りは、カルティエの専属調香師マチルド・ローランにより調香されました。
カルティエの〝ミステリークロック〟
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ミステリー・クロック「モデルA」 ©Cartier
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グレフュール伯爵夫人、1896年。
〝L’Heure Mysterieuse=ルール ミステリユーズ〟の着想源となったのは、1912年に誕生した、文字盤がなく時計の針が空中に浮いているように見える〝ミステリークロック〟からでした。それは伝説の時計職人モーリス・クーエとルイ・カルティエにより生み出されました。
フランス香水文化のバイブルとも言えるマルセル・プルーストの小説『失われた時を求めて』のゲルマント公爵夫人のモデルでもあり、ベルエポックのパリ社交界でもっとも美しい貴婦人と言われた、グレフュール伯爵夫人(1860-1952)も1914年に「モデルA」を購入しました。
そして、遂にミステリークロックが、2013年に、約100年の時を経て、腕時計として、カルティエの究極のサヴォアフェールを駆使して「ロトンド ドゥ カルティエ ミステリアス アワー ウォッチ」の名で転生したのでした。
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ロトンド ドゥ カルティエ ミステリアス アワー ウォッチ ©Cartier
〝獣のように徘徊する静寂〟に愛される香り
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©Cartier
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©Cartier
解き明かされない永遠の謎、それが神秘。〝輝きに包まれる神秘〟を数多く生み出してきたカルティエが、香りの領域においても〝神秘の時間〟を生み出してくれます。
マチルド・ローランが〝秘め事への招待状、耳打ちするように香り、酔わせるように肉欲に浸らせる〟と形容するこの香りは、月琴の響きのように静々とたゆたうお香(インセンス)からはじまります。
この香りの秘められたテーマは、〝獣のように徘徊する静寂〟なのです。
すぐに、濃厚なパチョリとジュニパーベリーとナツメグがアンティークなセピア色のビターチョコレート(オレンジ味)のような薄靄で包み込んでくれます。とても物憂げな、それでいて空中浮遊しているような不思議な甘い心地よさ=瞑想タイムに浸っていると、思いがけない香りを遠くから感じはじめるのです。
そして、息をのむほど美しいジャスミンと、感覚を研ぎ澄ませるメントールの効いたコリアンダーがパチョリに溶け込んでゆくのです。一方で、樹脂のようにフレッシュに甘いエレミが立ち上り、スモーキーなお香が、すべてをひとまとめにし、肌を透かして心に染み入るように、神秘的な捉えどころのないビターな甘さをクリーミーに広がらせてゆきます。
力強さともろさ、美と壊れやすさが、素肌の上で神秘的なバランスを保ち、〝肉欲で汗ばむ肉体の匂いと、この世のものとは思えない心が透けて見えるようなうつくしい香り〟を同時に漂わせてくれます。
まるで人間と神が対峙する瞬間をボトルに封印したようなスモーキーなオリエンタルの香りです。それは公式サイトにも記載されている通り、一時間で、心の疲れを判断してくれる〝精神と時の部屋〟のようです。
香水データ
香水名:ルール ミステリユーズ
原名:L’Heure Mysterieuse XII
種類:オード・トワレ
ブランド:カルティエ
調香師:マチルド・ローラン
発表年:2009年
対象性別:ユニセックス
価格:75ml /36,465円
公式ホームページ:カルティエ
シングルノート:インセンス、エレミ、パチョリ、ジャスミン、コリアンダー、ナツメグ、ジュニパーベリー