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【カルヴェン】カルヴェン ラブソリュ(フランシス・クルジャン/ジェローム・ディ・マリノ)

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カルヴェン ラブソリュ

原名:Carven L’Absolu
種類:オード・パルファム
ブランド:カルヴェン
調香師:フランシス・クルジャン、ジェローム・ディ・マリノ
発表年:2015年
対象性別:女性
価格:50ml/10,500円、100ml/13,800円

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第三のカルヴェンの女=灼熱の白い炎の女の香り

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かつて1946年に伝説の香水「マ グリフ」や、1957年に「ベチバー」を発表してきたカルヴェンは、20世紀末にはすっかり衰退し、21世紀はほとんど滅んでいました。そんな中、カルヴェンは2013年(日本では8月28日)に「カルヴェン ル パルファン」と共にフレグランス市場に戻ってきたのでした。

当時のカルヴェンのアーティスティック・ディレクターだったギョーム・アンリ(1978年生まれ、2009年からカルヴェン、2015年1月からニナ・リッチ、そして2018年からはパトゥのクリエイティブ・ディレクターをつとめる)がはじめてフレグランスのコンセプト、パッケージなどのクリエーションを担当しました。

フローラル・シプレの香りは、若き日に「ベチバー」を愛用していたというフランシス・クルジャンにより調香され、世界的な大ヒット作となりました。

その〝カルヴェン旋風〟の中、2014年に同じ調香師の下で生み出されたのが「カルヴェン ロードトワレ」でした。そして2015-16AWコレクションよりカルヴェンのデザイナーはアレクシス・マーシャルとアンドリア・カヨドに変わりました。

ジェローム・ディ・マリノ

その時、2015年9月の新作フレグランスとして発売されたのが「カルヴェン ラブソリュ」でした。〝完全なカルヴェン〟と名付けられたフロリエンタル・シプレの香りは、クルジャンと新進気鋭の調香師ジェローム・ディ・マリノにより、9ヶ月間が費やされ生み出されました。

「サルバドール・ダリがクリエイションするような感覚で調香していきたい」というディ・マリノは、フランス・ヴェルサイユにある世界屈指の香料国際高等学院イジプカを卒業しており、2年間のジボダンのインターンシップに参加した後、ジバンシィで1年勤務し、高砂に入社しました(憧れの調香師は、クルジャンとオリヴィエ・ポルジュ)。

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さらに美しい「カルヴェンの白」を完成させる。

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白いワンピースを着た女性が太陽の下で輝いているような、フレッシュなイタリアン・マンダリンの爽やかな広がりからこの香りははじまります。すぐにイランイランが、清潔感たっぷりな女性に、官能的なフローラルシャワーを振り撒いてゆきます。

そしてジャスミンとチューベローズが加わり、神秘的なパチョリとクリーミーなサンダルウッドとひとまとめになり、太陽の下で、夜にしか解き放つことのない濃厚な甘やかさをまったりと広がらせてゆきます。

さらに涼やかなアイリスとシスタスアブソリュートも溶け込み、やがてバルサミックなオリエンタルの白い炎で、燃えるようなエレガンスで全身を包み込んでくれます。

2000年にジャン=クロード・エレナザ・ディファレント・カンパニーを立ち上げたボトル・デザイナー、ティエリー・ドゥ・バシュマコフによるボトル・デザインは、ギヨーム・アンリが「薬局か実験室から盗んできたように見えるんだ」というコンセプトで作られています。

ディオールジャドールを連想させるマサイ族のネックレスを連想させるボトルキャップが印象的です。

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香水データ

香水名:カルヴェン ラブソリュ
原名:Carven L’Absolu
種類:オード・パルファム
ブランド:カルヴェン
調香師:フランシス・クルジャン、ジェローム・ディ・マリノ
発表年:2015年
対象性別:女性
価格:50ml/10,500円、100ml/13,800円


トップノート:イタリアン・マンダリン、マダガスカル産イランイラン
ミドルノート:エジプト産ジャスミンアブソリュート、チューベローズ、アイリス
ラストノート:インドネシア産パチョリ・リーフ、サンダルウッド、スペイン産シスタスアブソリュート(ラブダナム)