ローセルジュルタンス|〝世界で最も高価な石鹸〟の香り=限りなく透明に近いホワイト

セルジュ・ルタンス
セルジュ・ルタンス
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ローセルジュルタンス

原名:L’Eau Serge Lutens
種類:オード・パルファム
ブランド:セルジュ・ルタンス
調香師:クリストファー・シェルドレイク
発表年:2010年
対象性別:ユニセックス
価格:100ml/20,350円
公式ホームページ:セルジュ・ルタンス

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〝世界で最も高価な石鹸〟の香り=限りなく透明に近いホワイト

©Serge Lutens

©Serge Lutens

このコレクションを通じて、静寂のひとときを過ごし、原点に立ち返り、本質と再びつながる。

「アイロンの下から、洗い立ての服のような香りのする蒸気が立ち上る」セルジュ・ルタンス

水の清涼感、アイロンをかけたばかりのシーツのパリッとした感触、夢を見るための枕カバー…。セルジュ・ルタンスの「ロー」は、真のラグジュアリーが何よりも「清潔さ」に体現される世界との繋がりを、私たちに再び呼び起こしてくれます。香水を衛生的で社会的なマナーとして捉える概念をはるかに超えた、決定的かつ革新的なフレグランスです。

セルジュ・ルタンス公式サイトより

香りに満ちすぎている、あるいはもっと正確に言えば、防腐処理されたようなこの世界への反発である。なぜなら、これはもはや誘惑ではなく、ミイラ化に他ならないからだ。

もし創造の原理というものが存在するならば、それは〝裏切り〟そのものである。「ローセルジュルタンス」は、反応であり、行動であり、意志である。清らかでありたい、すべてを支配する偽りの香りと決別したいという意志。つまり偽りに対する一撃であり、第一ラウンドでのノックアウトである!

これは私がもう一度めくらなければならない、真っ白なページだ。

セルジュ・ルタンス(以下、すべての引用は彼自身のお言葉)

2010年2月(日本発売は同年4月から)に、セルジュ・ルタンスのラインナップの中で最も安いエントリー・プライスのコレクションとして「ルタンスの水(ロー)」コレクションの展開が開始されました。この中で中心的な立ち位置を占めているのが同年から発売されている「ローセルジュルタンス(セルジュ・ルタンスの水)」です。

過剰な香水の匂いに満ち溢れたこの世界に対する反乱という〝アンチ・パフューム〟のコンセプトで、モロッコのアトラス山脈の頂きに登ったとき、その爽やかな空気や水からインスピレーションを受け、約15年前にこのプロジェクトに着手したが、12ヶ月後に中断しました。それから6、7年後に再び取り掛かり、何度か試行錯誤を重ねた末、突然すべてがまとまったという。

そんな15年もの歳月をかけ生み出されたこのフローラルアルデヒドの香りは、世を支配する作為的な香りと一線を画した〝世界で最も高価な石鹸〟の香りとして、クリストファー・シェルドレイクにより調香されました。

ということは、つまりは〝アンチ・セルジュ・ルタンス〟の香りだということが、このブランドの面白さです。それはルタンスの香りに疲れた人々への箸休めの香りとも言えます。

2022年よりコレクションはリニューアルされ「マタンルタンス」コレクションとなりました。

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ルタンスが〝アンチ・パフューム〟と呼んだ「水」の香り

©Serge Lutens

©Serge Lutens

マグノリアの花が舞うような広がりからはじまり、セージの微笑みが洗いたての純白なリネンの感覚を思い描かせます。

昔のフランスの王子の眠りを優しく包み込むような枕の香り。綺麗な空気が肌に溶け込み清らかな夢へといざなってくれるよう。

私はフレッシュで、その爽やかさが持続し、水を連想させ、かつコロンのような匂いがしないものを求めていたのです。私はコロンは我慢できないんです。そのフレッシュさは、入浴によって得られる清潔感の心地よさを表現することを意図しています。

私にとって、清潔であること、清潔な香りを漂わせ、白いシャツを着ることは、究極の贅沢です。この世で最も純粋なものは白いシャツです。

私はこの過ぎ去っていく感覚と香りを捉え、それを長く保ちたいと思い、調和の連続をボトルに封じ込めました。アイロンをかけた時のあの素晴らしい香りを再現したかったのです。そのため、クラリセージを配合しました。

〝アンチ・パフューム〟つまりは当世風に言うと〝くたばれ!私のパフューム〟の精神で生み出されたこの香りは、大いなる山河に身を委ねるように、冷たい清流が素肌の上を流れてゆくように、爽やかなシトラス(雪解けの水とレモンやライム)と、ほんのりアルデハイドが泡立つ(かすかに塩っ気が感じられる)オゾンノートの清々しいハーモニーからはじまります。

セルジュ・ルタンスが「マルセイユ石鹸、新鮮な水で満たされた木製の桶、洗濯ばさみ、屋外に干された白いシャツ」と例えたこの香りには、セルジュ・ルタンスの闇は一切存在しません。逆に感じられるのは、朝露を含んだクリーミーなマグノリアが広がり、天に召され、過去の苦悩と煩悩から解き放たれた、昇天するような、清潔感を、シンプルに味わう贅沢な感覚に満たされてゆきます。

大自然の中にある手入れの行き届いた老舗の宿で、丁寧にアイロンがけされた清潔なリネンに包まれ、ぐっすり安眠した後、早朝の温泉で身も心も温められる。そしてその後、ひんやりと涼やかな、生き生きとした自然の中を散歩するような、(セージをはじめとする野生のハーブの)苦みと甘みが織りなす心地良い清潔感に満ちたハーバル・グリーンな余韻に、香水に疲れた民の心が癒されていくことでしょう。

張りのあるミントとホワイトムスクに優しく包まれていく瞬間が、明るく、フレッシュで、軽やかで、シャープで、ほんのり酸味がある、でありながらアクアティックに転ばないミネラルな感触、心とからだを解放するような、「白紙のページ」が生み出されていくような、ひときわ澄んでいて冷たいリフレッシュ感に包まれてゆきます。

真に名前の通り「水」「おいしい水」「あかるい透明感」「限りなく透明に近いホワイト」そのものの香りと言えます。

B’zの稲葉浩志さんが愛用されているフレグランスとしても有名です(岡山県津山市で「イナバ化粧品店」を営んでいる母に薦められて愛用しているらしい)。

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香水データ

香水名:ローセルジュルタンス
原名:L’Eau Serge Lutens
種類:オード・パルファム
ブランド:セルジュ・ルタンス
調香師:クリストファー・シェルドレイク
発表年:2010年
対象性別:ユニセックス
価格:100ml/20,350円
公式ホームページ:セルジュ・ルタンス


シングルノート:アルデハイド、マグノリア、柑橘類、ミント、クラリセージ、ホワイトムスク