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関西・名古屋

阪急メンズ大阪 フレグランスカウンター【全国フレグランス×香水聖地巡礼ガイド2024】

関西・名古屋
©阪急メンズ大阪
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阪急メンズ大阪 フレグランスカウンター

場所 大阪・阪急メンズ大阪
住所 大阪府大阪市北区7 北区 角田町7-10 阪急メンズ大阪地下1階
電話 06-6361-1381

2023年11月29日にリニューアル・オープンした阪急メンズ大阪のフレグランスカウンターに、新生クリードが、西日本ではじめて再上陸しました(2019年5月31日以来)。さらに、梅田地区ではじめてキリアンも上陸することになりました。こちらには、二人の素晴らしいソムリエールの方がおられます。
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まず最初に

大阪のメンズ館は、一階から三階まで賑わっています。しかし、地下一階はそうでもなく、特にフレグランスコーナーは、一階から三階と比較すると、別の館なのか?と感じるほどに閑散としています。

ここでカイエデモードが提案するのは、今、本館で行っているような、ミックススタイルのフロア作り(特にバレンタインチョコのシーズンに行っていたような)で、顧客様の潜在的な購買欲を目覚めさせる、百貨店だからこそ打ち出せる施策を行うべきではないだろうかということです。

つまり、フレグランスコーナーは、そのまま置いておいて、一階にはクリード単独カウンター、二階にはキリアン、三階にはペンハリガンのポートレートといった風に散らしておいて、各カウンターに選ばれしフレグランス・スペシャリストの方々を配し、その場で思う存分接客して頂きつつ、地下一階のフレグランスコーナーの魅力も伝えていく努力をしていくと、もっともっとカップルで香水選びしたくなる『香水聖地』になっていくのではないだろうか?とふと感じました。

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クリードとキリアンとトム・フォードとペンハリガンが勢揃い。

©阪急メンズ大阪

1929年に創業したうめだ阪急百貨店は、『東の伊勢丹、西の阪急』と言われるほど、西日本では磐石の帝国を築いています。特に大阪においては、阪急は圧倒的な力を誇っています。そんなうめだ阪急百貨店が、2005年に大改装工事を経た後、2008年2月1日に、メンズ館もオープンさせることになりました。

このメンズ館の地下一階には、西日本でも二番目に大きなフレグランス・コーナーが存在するのですが、今では、〝お客様の期待を裏切ってきた〟結果なのでしょうか、いつみても閑散としています。まず最初に、リニューアル前に存在したこの売り場の問題点を挙げていきます。

  1. 商品ラインナップは素晴らしいのですが、売り場におられる香水販売代理店の販売員の方々の香りの接客力にムラがある(惰性で仕事している感たっぷり)。
  2. 百貨店の販売員さんの方が、フレグランスについて勉強熱心である。
  3. 展開しているアイテムが本店と重なっており、わざわざこちらに来る必要がない。
  4. そもそも地下一階にフレグランスコーナーがあることを知らない人が多い。
  5. 男性のお客様も、本館でフレグランスを購入するようになった(今では男性もコスメコーナーでフレグランスを購入することに抵抗感はなくなった)。
  6. フレグランスにジェンダーがなくなった(ジェンダー分けはもはや時代遅れである)。

とにかくいつも閑散としている印象が強いこのフレグランス・コーナーが、2023年11月29日に大々的なリニューアルを行うという大きな勝負に出ました。

新たに導入されたAIシステム「カオリウム」は、予想通り、人々の心を掴むことはありませんでした。そもそもわざわざ実店舗にまで行って、人間からではなくAIの診断を受ける気になるかということです。さらにこのシステムを導入していると、どうしても香水接客力がない店舗なので自分で選んで下さいという風に、感じてしまいます。

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『関西のブルーベルの希望の星』

AI診断はともかくとして、クリード、キリアンといったうめだ阪急本店にはない人気ブランドのフレグランスが置かれることになったのは素晴らしいことです。

ちなみに新設されたディオールのメンズラインは、「ハイヤー」や「ディオール オム」「ファーレンハイト」といった通常のコスメカウンターでは日の目を見ないメンズラインが表に置かれているのですが、残念ながら、しっかりとフレグランストレーニングを受けていない過去の〝ディオールの悪い部分〟を引きずっているようで、空気のような存在になってしまっています(有楽町阪急のディオールコスメと同じイメージ)。

さてまずはクリードからです。「アバントゥス」「スプリングフラワー」「シルバー マウンテン ウォーター」など、根強いファンを持つ1760年創業の英国のフレグランス・メゾンが、日本から撤退したのは2019年5月31日のことでした。撤退の理由は、ブルーベルの店舗に対して、売り場環境に対する不満が原因だったと言われています。

そして、今回は、デンっと、太陽神のように煌びやかなすごく目立つカウンターが作られています。西日本の川辺のエリアマネージャーの女性やベテランの女性販売員の方は、とても素晴らしい方ので、この方々が、売り場におられる時は、クリードの接客に関しては期待できると思います。しかし、これだけゴージャスな売り場になってしまうと、販売員のメッキが剥がれやすくなることに注意しないといけません。

川辺の一番の問題点は、給与です。ここを改善していかないと良い人材は集まりません。香水業界で最も安い給与形態の会社が、高額なフレグランスを扱っているという事実について真剣に考えていかないと駄目な気がします。

それにしても、このコーナーのキリアンが本当に素晴らしいです。二人のソムリエールの女性の販売員の方が、キリアンとしっかりと向き合われていて(よくある表面的な薄っぺらなキリアン接客ではなく)、キリアンの世界観を的確に伝えてくださります。これは並大抵の努力では出来ないことです。

御一方は、ブルーベルでは伝説的とまで言われているファンの多いソムリエール様(ラウンダー)です。この方の接客は本当に隙がなく〝自分の言葉でフレグランスを説明する教科書〟のような接客をされる方です。

そして、もう一方の若いソムリエール様は、この売り場のチーフであり、香水が大好きという感情がよく伝わってくるだけでなく、色々なブランドに対するしっかりとした香水知識をお持ちの『関西のブルーベルの希望の星』と呼ぶべき方です。

この方々と共に、キリアンを中心に、ペンハリガン、クルジャンの素晴らしい香りと比較して、自分の香り探しをする旅は、至福の香水体験=〝香りを選ぶコト消費〟になることでしょう。

何よりも賞賛に値するのは、トレーニングがほとんど機能していないブルーベルにおいて、かなり難易度の高いキリアンの香水についてご案内することが出来る御二方のプロ意識の高さに深い敬意を覚えます。