アビルージュ パルファン
原名:Habit Rouge Parfum
種類:パルファム
ブランド:ゲラン
調香師:デルフィーヌ・ジェルク
発表年:2024年
対象性別:男性
価格:100ml/19,800円
公式ホームページ:ゲラン
バーボン片手に漂わせる、煌めく男のダンディズム
「アビルージュ パルファン」では、バーボンからインスピレーションを得た、新しい力強さを感じさせるレザーの香りを持つバニラリキュールを想像しました。
デルフィーヌ・ジェルク
1963年5月2日に、ゲランの三代目調香師ジャック・ゲランが、88歳で死ぬ少し前に、大腿骨を骨折し寝たきりになっていたとき、四代目調香師を引き継ぐジャン=ポール・ゲランをはじめとする一族の調香師たちに、遺言のような宿願を託していました。
その宿願とは、自ら調香したオリエンタルの歴史的傑作「シャリマー」の男性用の香りを作って欲しいということでした。かくして「アビルージュ」は、ジャックの死後2年後の1965年にジャン=ポール・ゲランにより完成され、発売されたのでした。
この香りにより、それまでは女性のためにだけ存在していたオリエンタルという「香りの門」の扉が、男性のためにこじ開けられたのでした(バニラは60年代において、男性のための香りには使用されなかった)。ここに史上初のオリエンタル系メンズ・フレグランスが誕生したのでした。
「アビルージュ」とは、「赤い乗馬服」の意味です。それは最高の舞台に臨むために、正装した男と油を塗り毛並みを整えた馬が一心同体になり、戦いに挑む姿が香りに託されています。
この「アビルージュ」にラム酒とバーボンの大人の嗜みと余韻を加えたのが、「アビルージュ パルファン」です。デルフィーヌ・ジェルクにより2024年に調香されたこの香りには、21世紀の女性が好む、リキュールの世界で煌めく、男性のダンディズムが見事に投影されています。
こちらは、「ラール エ ラ マティエール」が取り扱われているゲラン・ブティックでのみ取り扱われています。
「アビルージュ」を男の肌の上で、もっと妖艶にする試み
女性調香師が、メンズフレグランスを創造するということはどういうことなのでしょうか?ノージェンダーという言葉が幅を利かせようとも、やはり男性が子供を生むことは出来ず、女性には、自らの肉体から生み出した子に対する母性が存在するのです。そんな女性だからこそ、生み出せるメンズ・フレグランスがあるはずです。
甘い太陽の光のように、弾けるベルガモットが、一瞬で、砂糖漬けされたベルガモットへと変化して、男たちの上に舞い落ちます。そして、甘いシトラスの香りを背景に、ラム酒とバーボンが素肌の上を濃密にとろけるように滑らかに引き伸ばされてゆきます。まったりと酔わせるような香りのはじまりです。
そこにゆっくり、ゆっくりと、バニラとパチョリが注ぎ込まれ、すべてがひとまとめになり、甘くまろやかな元祖「アビルージュ」の魔法の瞬間が、さらに酔わせるリッチなアンバーの吐息に魅了されるように、レザリーな余韻と共に、全身に満ち広がるのです。
男の弱さを包み込む、大いなる母のような優しさを感じさせる「21世紀のアビルージュ」は、母のような優しさで、強がって生きている男たちを抱擁する聖母のような女性に愛される香りとも言えます。イイ男は、イイ女の手のひらで転がされ、妖しさを増すものなのですから。
香水データ
香水名:アビルージュ パルファン
原名:Habit Rouge Parfum
種類:パルファム
ブランド:ゲラン
調香師:デルフィーヌ・ジェルク
発表年:2024年
対象性別:男性
価格:100ml/19,800円
公式ホームページ:ゲラン
シングルノート:ラム、パチョリ、バニラ