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『真昼の決闘』Vol.2|グレース・ケリーの原点

グレース・ケリー
グレース・ケリー
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ファッション・アイコンに必要な絶対要素とは?

この作品からグレース・ケリー神話の扉は開かれました。つまり『真昼の決闘』という、美意識の高い女性にとって極めて無縁に見えるこの西部劇の中に、〝永遠の女性の憧れ〟が誕生する瞬間が存在しているのです。

この作品の中のグレースは、「謙譲の美学」を体現する存在でした。それは東洋的な思想であり、この作品自体が、その美学に包まれています。「美とは、痛みを伴うもの」であり、ただひたすらにやせ我慢の美学でもあるのです。

保安官が、孤立無援になっても、街の人々に対して恨み節をくどくど述べるわけでもなく、その妻(グレース扮する)が、夫を見捨てるときも、取り立てて喚き散らすこともなく、目もあわせずに馬車で去っていく。そこには〝沈黙の美徳〟が存在します。

そして、闘いに勝っても、二人は、ただ無言で去って行くのです。美にとって、ファッションが生み出す美にとって、話しすぎや、見せすぎは禁物なのです。

ファッション・アイコン=美の象徴とは、本人が望まない環境から生み出されるものなのです。それは「私こそが、ファッション・アイコンよ!」という、押し付けがましい姿勢とは真逆の姿勢なのです。

グレース・ケリーがタイムレスな存在である理由は、エルメスに作り上げられたアイコンではないということ。

グレース・ケリーと三人の共演者たち。

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エミイ・ケインのファッション

  • ボンネット帽
  • ペールトーンのドレス、ラッフルスリーブ

衣装の全体的な雰囲気

後ろから見たボンネット帽






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「私はいつも年上の男性が好きでした」

撮影当時、グレース・ケリー21歳。ゲイリー・クーパー50歳でした。

実は二人はグレースの全くヒットしなかった作品『Fourteen Hours』(1951)の撮影現場で1950年半ばに初対面していました。

私は年上の男性のほうが好きです。私よりたくさんのことを知っているし、ずっと面白いわ。これまでも、いつも年上の人が好きでした。

グレース・ケリー

本作からはじまるグレース・ケリーのハリウッド・スターとしてのキャリアは、11人の相手役の主演男優と共に築きあげられました。1951年から1956年の21歳から26歳の期間において、相手役の平均年齢は46歳でした。

フレッド・ジンネマンが「彼は自分の年より若く見せようとは一度たりともしなかった。やせて、いくらか前屈み、ちょっと堅苦しく歩く彼は、キャラクターにまったくぴったりの体型をしていた。」と回想するように、この作品のゲイリー・クーパーは、若い男性には出せない哀愁に満ち溢れています。

ここに、男性と女性の明確なる〝老いの美学〟の違いが分かります。男性にとって、皺は年輪になるが、女性にとって、皺は一部の例外を除いて、年輪にはならないということです。

それが故に、若い女性は、年上の男性に対する恋愛に違和感を感じず、若い男性は、年上の女性に対する恋愛に違和感を感じる訳なのです。

しかし、整形手術で不自然に面の皮が突っ張った男女を、目の当たりにすることによって、私たちは、皺に対する評価を高めつつあります。そして、こう考えるのです。女性にとっても男性にとっても、最も美意識と知性を高めうるパートナーとは、年の差が離れた相手に対してではないかと・・・

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美女の隣に必要なのは、ダンディな中年紳士のみ。

ケティ・フラドと談笑するグレース・ケリーとゲイリー・クーパー。

1950年から51年にかけてアメリカ全土でテレビは普及していきました。

ケイティとグレースに演技指導するジンネマン監督。

ジンネマン監督と談笑する、眼鏡を持つグレース・ケリー。

クーパーとジンネマン監督、グレース。

撮影中に談笑するグレースとゲイリー・クーパーとロイド・ブリッジス。

犬を抱きかかえるグレース。

ボンネット帽を装着してもらうグレース。

娘のマリア(1937-)にアイスクリームを食べさせるゲイリー・クーパー

この作品の保安官が、味方を求めて彷徨う姿に、「アメリカの恥だ」と激怒したジョン・ウェインとハワード・ホークスが1959年に『リオ・ブラボー』を生み出すのですが、面白いことに、史上初めてテレビ放映された1953年の第25回アカデミー賞において、不在のゲイリー・クーパーの代わりに親友のジョン・ウェインが、主演男優賞のオスカー像を受け取るのでした。

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撮影中のグレース・ケリーのオフスタイル(ふんわりブラウス)






元々、乗馬が得意なグレース・ケリー。

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撮影中のグレース・ケリーのオフスタイル(カーディガン)



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撮影中のグレース・ケリーのオフスタイル(チェック・シャツ)





作品データ

作品名:真昼の決闘 High Noon (1952)
監督:フレッド・ジンネマン
衣装:ジョー・キング/アン・ペック
出演者:ゲイリー・クーパー/グレース・ケリー/リー・ヴァン・クリーフ/ロイド・ブリッジス/ケティ・フラド