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『オーシャンズ11』5|ジュリア・ロバーツとティファニー

その他の現代の女優たち
その他の現代の女優たち
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作品データ

作品名:オーシャンズ11 Ocean’s Eleven (2001)
監督:スティーブン・ソダーバーグ
衣装:ジェフリー・カーランド
出演者:ジョージ・クルーニー/ブラッド・ピット/マット・デイモン/ジュリア・ロバーツ/アンディ・ガルシア/ドン・チードル/スコット・カーン/エリオット・グールド/カール・ライナー

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ジュリア・ロバーツという13人目の男。

ジュリア・ロバーツの魅力。男に囲まれても色気を武器にせず、仲間に見えること。

一昔前までいた心斎橋や梅田なら、OPAやHEPやEST、渋谷や新宿なら109やルミネにいた、10cmは超えるであろうハイヒール、魔女のような長いネイル(もちろん家事はできない)、ミニスカート、ブランドバッグとブランド化粧品のショッパーで武装した厚化粧の女たちがなりを潜めた2017年の今、女性が本当の意味で目指したいと願う女性像は、この作品のテスのような女性です。いいや、もっと端的にいえば、この時代のジュリア・ロバーツ(1967-)。つまり、男性のハリウッド・スターに囲まれても、友人のようなムードを漂わせることができる女性。これぞ、真に女神の領域に立つ女性なのです。

12人の男たちの中でたった1人の女であっても、全く違和感がないということがジュリア・ロバーツの魅力です。それは175㎝という長身であることもそうなのですが、その立ち振る舞いと、お世辞にもロマンティックな演出が様になる訳ではないジェンダーレスな雰囲気があればこそ、彼女は、オーシャンズ11とテリー・ベネディクトと、そして、もう1人目の男であるかのように、まったく嫌味のない存在感を示せるのです。

21世紀の女性にとって、すごく参考になるのは、そんな彼女の存在の在り方なのではないでしょうか?スタイルは抜群。しかし、歩き方は優雅とはいい難く、所作も洗練されているとはいい難い彼女の魅力は、どこか不器用で洗練されない女性が、時折見せるハッとするほどの美しさなのです。

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水色ではなく、赤色のドレス

心持ちストロング・ショルダーのパワースーツ。

どこまでもぎこちない歩き方。ジュリア・ロバーツは決して器用な女優ではない。

テス・スタイル1
  • 真紅のスカートスーツ、比翼仕立て、少しパワーショルダー
  • 黒のアンクルストラップ・ハイヒールサンダル
  • 黒のクラッチバッグ
  • ティファニーのタヒチアン・パール・ネックレス

当初は水色のスーツで登場する予定だったジュリア・ロバーツ扮するテス。しかし、スターらしく赤色のスーツにしようというプロデューサーの指示によりスーツの色は変更されました。そんあテスの登場シーンは、その歩き方のぎこちなさが示すようにお世辞にも優雅とは言い難いのですが、ここで、グレース・ケリーやオードリー・ヘプバーンのような女性が階段から降りてくると、一瞬で物語の空気が変わってしまうのです。

ジュリア・ロバーツという女優の魅力は、うんざりするほどに自己主張が激しい(さらにSNSを駆使して24時間エゴ剥き出しのような)いまどきのハリウッド・スターにはないおしとやかな雰囲気=禅の精神があるところにあります。だからこそ、彼女のファッションはあくまでもシンプルなのです。

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テスのアイコニック・ドレス

アップにした髪形とオリエンタル・ドレスの相性は抜群です。

ジュリアの首の長さを生かすハイネックという選択。

この時と、そして、最後のカジュアル・スタイルのジュリアがもっとも魅力的に見えます。

後姿のシルエットは抜群です。

テス・スタイル2
  • スタンドカラーのチャイナドレス・スーツ、グレー、スチールボタン、ミニスカート
  • 黒のアンクルストラップ・ハイヒールサンダル

彼女の恋人テリー・ベネディクト(アンディ・ガルシア)の東洋趣味を反映させたドレス。そして、テスのイメージにぴったりのドレスです。こういう静謐な雰囲気に包まれても嘘くさくないのが、ジュリア・ロバーツという人の存在感です。彼女には、どこかオードリー・ヘプバーンに似た魅力が存在します。