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ジョージ・クルーニー2 『オーシャンズ12』4

    作品名:オーシャンズ12 Ocean’s Twelve (2004)
    監督:スティーブン・ソダーバーグ
    衣装:ミレーナ・カノネロ
    出演者:ジョージ・クルーニー/ブラッド・ピット/マット・デイモン/ジュリア・ロバーツ/キャサリン・ゼタ=ジョーンズ/アンディ・ガルシア/ドン・チードル/スコット・カーン/エリオット・グールド/カール・ライナー/ヴァンサン・カッセル

    本作はブラッド・ピットとマット・デイモンの主演作だった。

    ある意味ジョージ・クルーニーがいたからこそ、皆が自由な活躍の場を与えられた。

    一番目立つわけではないが、その人が居なければグループはまとまらない。ドリフで言えばいかりや長介の立ち位置。

    本作において、ジョージ・クルーニー(1961-)は、ブラッド・ピット(1964-)とマット・デイモン(1970-)に完全に食われています。しかし、それは彼のファッション・アイコンとしての立場を弱くするものではありません。結局のところ、スターが集結した前作において、ジョージ=ダニー・オーシャンが存在感を発揮出来たのは、テスの愛を取り戻すというストーリーラインが存在したからであり、それは本作におけるラスティとイザベルの恋の駆け引きと同じことです。結局は、ボンドムービーもそうなのですが、対象となる女性がいるからこそ、主人公の男性は生き生きとし、そのファッションも冴え渡るものなのです。

    そういう意味においては、シリーズ最終作となる『オーシャンズ13』(2007)のジョージ・クルーニーとブラッド・ピットはすっかり精彩を欠いています。ジェームズ・ボンドが常に魅力的なのは、サメのようにオンナを求めて、オシャレをしているからであり、間違ってもラストシーンのコモ湖における何の変哲もない、リラックスしきった平凡なファッションに身を包む夫婦二人組にはならないからです。

    大人の男はシンプルに、ブラックスーツとホワイトシャツ。

    ロマンスグレーのジョージ・クルーニー。当時、43歳。

    ヴァンサン・カッセルとジョージ。並び立つ大人の男の色気。

    上質な白のドレスシャツは大人の男の色気を引き立たせます。

    ダニー・オーシャン・スタイル1
    • ブラック・スーツ。ノッチドラペル
    • 白のドレスシャツ

    男子たるもの25歳を越えれば、スーツの一着くらいは、勝負スーツを揃え、その着こなしに心くばらなければなりません。高価なスーツ(20代にとっての5万円~15万円)を手元に持っておくことの重要性は、高価なものだからこそ、丁寧に扱い、大切にスーツを着るということを知り、それに見合ったシャツ、靴、ネクタイ、鞄を揃えていこうという気持ちになるからです。

    30歳を越えても、だらしないスーツを着ている人は、女性から見ると、「あらゆることにおいて未熟者」に見えます。

    25歳で勝負スーツを揃え、男を磨いた男子が、30代を迎えた時、本格的な大人の男としての階段を登るために必要なもの、それは『勝負のための白のドレスシャツ』(もちろん胸ポケットのないもの)です。それは汚れやすいからこそ、汚れないように優雅さを身につける必要に迫られる代物であり、他のメンズ・アイテムとの相性を殺しもすれば生かしもする「メンズ・ファッションの両刃の刃」なのです。

    ブラックのカードを切るということ。

    ダニーのコートもトレンチコートでした。

    ダニーがシンプルだからこそ、ラスティの魅力は映えたのでした。

    ダニー・オーシャン・スタイル2
    • 黒のタートルネック
    • 黒のトレンチコート

    本作のダニー・オーシャンは、ブラック一辺倒です。ブラック・ファッションはクールなのですが、そればかりだと、逆に野暮ったく見えてきます。的確なときにブラックのカードを切るのが男のダンディズムなのです。

    女性にとっての最上級ジュエリーな男。

    ダニー・オーシャンのスーツは全体でこれ一着のみです。

    ブラック・オン・ブラック。

    仲間内で50代に見られていることを気にするダニー。

    退屈なブラックスーツに終始したジョージ・クルーニーでしたが、そこには、ブラッド・ピットの恋の駆け引きの物語の邪魔をしない役割も担わされているわけです。彼が、往年のファッション・アイコンであるケーリー・グラントと並び称されるのは、男性が目立つのではなく、女性を引き立たせる「最上級ジュエリー」としての女性の最も高価なファッション・アイテムとしての役割を果たしている所にあります。

    ブラッド・ピットのようなそれ自身が華やかな男性が隣にいるよりも、ジョージ・クルーニーのような華やかではないが、ダンディズムの塊のような男性が隣にいるほうが、その女性の輝きとクラスは遥に高まるものなのです。



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