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ジーナ・ローランズ1 『グロリア』1(2ページ)

    作品名:グロリア Gloria (1980)
    監督:ジョン・カサヴェテス
    衣装:エマニュエル・ウンガロ/ペギー・ファーレル
    出演者:ジーナ・ローランズ



    グロリア、あんたはすごい。タフで、クールで・・・やさしいよ。

    劇場公開時のキャッチコピーです。この素晴らしいキャッチコピーがこの作品のすべてを表しています。決して、いまどきのハリウッドスターのように、アンチエイジングに励み、綺麗なオバサマではない主人公グロリア。苦虫を噛み潰したような表情で、「子供は嫌いさ」なんて言いながらも、咥えタバコで子供を守るその姿。

    1999年にシャロン・ストーンでリメイクされることになるのだが、もうどうしようもないくらいに、女優の格が違いすぎました。それは実に単純な理由からです。ジーナ・ローランズの場合、登場シーンで感じるのは、なんだこのやさぐれたオバサンは?主人公にしては花がないなです。一方、シャロン・ストーンの場合、綺麗なスタイルの良い女優が演じてるんだなと感じさせます。

    ジーナは・・・彼女の知らない人生を生きてきたその女性のリズムをつかむことができた。ジーナはとても不思議な女性だ。そして、僕が雇える役者の中では最高だ。・・・はじめるにあたって、彼女はこういうことを聞く。「私はこの映画で誰を好きになるの?どの人物がすきで、自分はどんな人物なの?」。一度、彼女の脚本を見たことがあるけど、書き込みで一杯だった。・・・彼女は始めに役作りをすると、後は完全に脚本通りに演じるんだ。即興はほとんどしない。自分の頭や感情の中では即興しているのにね。誰もが勢いにまかせて演じるけれど、ジーナはひたむきで純粋なんだ。映画的にどうかとか、キャメラはどこかとか、見栄えがいいかなんてことは気にしないーただ本物らしく見えるかどうかだけを気にするんだ

    ジョン・カサヴェテス

    つまりこのカサヴェテス監督のコメントが、全てなのでしょう。ジーナ・ローランズは女性を演じ、シャロン・ストーンはグロリアを演じた訳なのです。



    インディペンデント映画の母

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    ジーナ・ローランズ、30~31才、1961年

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    ジーナ・ローランズ、34~35才、1965年。

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    ジーナ・ローランズ、36~37才、1967年。

    ジーナ・ローランズ(1930-)は、アメリカのウィスコンシン州マディソンで母親は専業主婦、父親は銀行家の裕福な家庭に育ちました。のちに父親は価格管理局の支部長になります。1947年から50年のウィスコンシン大学在籍時からジーナはその美貌と優秀さで有名でした。大学卒業後、演劇を勉強するために、ニューヨークに出ます。そして、名門のアメリカン・アカデミー・オブ・ドラマティック・アーツ在籍時に、同級生のジョン・カサヴェテスと出会い、1954年に結婚します。

    同年ブロードウェイの舞台で成功し、1957年に映画デビューします。夫のジョンの方も、俳優として同時期、活躍していました(後に『ローズマリーの赤ちゃん』(1968年))。「私の最大の憧れの女優はベティ・デイビスです」と言うジーナは、その美貌を売りにする仕事にはまったく興味がありませんでした。そして、1968年以降夫のジョン・カサヴェテスが低予算で製作するインディペンデント映画に出演することになります。彼女は夫の作品に12本出演しました。当時はほとんど一般的に評価されなかったカサヴェテスは、今では、インディペンデント映画の父として崇められています。そして、ジーナは、インディペンデント映画の母と呼ばれているのです。

    ハリウッドの大手資本にコントロールされない即興などを取り入れた作品の数々。その力を生み出した原動力は、第一作目『アメリカの影』を監督した時のカサヴェテスのこの言葉に集約されています。(1957年の撮影時の)「僕たちには何もなかった、だから創造し、即興しなきゃならなかった」。守られて何かを作っている人と、自分の力で何かを作ろうとする人とでは、その作品のパワーは違ってくるのです。



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