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東京

フエギア 1833 麻布台【全国フレグランス×香水聖地巡礼ガイド2024】

東京
©Mori Building Co., Ltd.
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フエギア 1833 麻布台

場所 東京・麻布台ヒルズ
住所 東京都港区虎ノ門 5-9-1 麻布台ヒルズ ガーデンプラザB 2F
電話 03-6809-1771

真のラグジュアリー空間を、ラグジュアリー・ブランドのために取り戻すという一大野心と共に、まったく新しいコンセプトで2023年11月24日に誕生した「麻布台ヒルズ」。この東京のバーグドルフ・グッドマンと呼ぶべき商業施設にオープンした『フエギア 1833』は、ツリーハウスのような外観が特徴的な、ワインバーを併設した、新しい感覚のラグジュアリー・フレグランス・ギャラリーです。
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日本で最高峰の香水トレーニングが行われている「フエギア 1833」

フエギア 1833 麻布台 ©Mori Building Co., Ltd.

日本でも有数のラグジュアリー・ホテルであるグランドハイアット東京の1Fロビー内に「フエギア1833」が初上陸したのは、2015年10月7日のことでした。

2010年に設立されたアルゼンチン発のニッチ・フレグランス「フエギア 1833」は、イギリスのビーグル号がチャールズ・ダーウィンらを乗せて南米を探検した1833年をそのブランド名の由来としています。フエギアとは、この時に同行したインディオの少女フエギア・バスケットの名から取られたものです。

調香師ジュリアン・ベデルのこだわりもあり、100種類もの香りのラインナップがある上に、香料がマイナーチェンジすることが多いため、名前は同じでも一年前の香りとは全く違ったりします。

そのためフエギアでは、ギャラリストと呼ばれる、フエギアのフレグランスに100%精通した販売員たちをトレーニングすることに重きが置かれています。日本でも有数のフレグランス接客を体験することが出来ると言われているのは、しっかりしたトレーニングと日々の自習(ギャラリストの皆様は常に自習しておられる)が存在するからです。

そういう意味では、フエギアのギャラリスト(フレグランス販売員)の接客姿勢から、全ブランドのフレグランス販売員の皆様が学ぶべきところは大いにありと言えます。ルイ・ヴィトンのフレグランス・スペシャリストの中にも愛用者が多いのはそのためなのでしょう。一流の販売員は、超一流から学ぶものです。

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麻布台ヒルズの一大野心

麻布台ヒルズ ©Mori Building Co., Ltd.

麻布台ヒルズ ©Mori Building Co., Ltd.

©Mori Building Co., Ltd.

森ビルが30年の時をかけて、2023年11月24日にオープンした麻布台ヒルズは、六本木一丁目から徒歩10分程度の距離にあるのですが、関西で言うところの芦屋に商業施設が出来たようなものであり、一般的に東京に住む人々が、一度は訪れても、二度目の訪問を躊躇してしまう、上流階級のための商業施設です。

2024年2月以降、続々とラグジュアリー・ブランドのブティックもオープンしているのですが、エルメス以外は賑わいを見せていません。

特に、「フエギア1833」の店舗のある、『ガーデンプラザ B』は、麻布台ヒルズの心臓部である『タワープラザ・森JPタワー』から見ると、端っこに位置し、どこにある店舗でも行列を成しているセリーヌ(ルイ・ヴィトンの関西の旗艦店で経験を積んだ男性のストアマネージャーが率いる)でさえも、お客様が入っておらず、都内でも、最も人がいない場所になっています。

と、ここまでが、通常、麻布台ヒルズを訪問した時に感じる感想でしょう。

しかし、この麻布台ヒルズには一大野心があるのです。それは、真のラグジュアリー空間を、ラグジュアリー・ブランドのために取り戻すということです。つまり「新宿や銀座の商業施設と比べて、ここは明らかにお客様が少ない」という比較自体が意味のないことなのです。

麻布台ヒルズは、エルメスやルイ・ヴィトンやディオールのブティックの前で、行列が出来ているそんな空間に対するアンチテーゼとして生み出されている商業施設なのです。

店舗の前に行列が出来ていることは、本来、ラグジュアリー・ブランドにとって、高額な商品を購入してくださるお客様に対して、大変失礼な対応なのです。ラグジュアリー・ブランドが販売している商品は、購入体験も含めての商品価格であり、そのため、販売員も優れた接客を心掛けているわけなのです。

『ガーデンプラザ B』にある「フエギア1833」は、神谷町駅から桜田通り経由で向かうと、外からツリーハウスのような外観が窺える、玄関口のような場所にあります。

まさにグランドハイアットやGINZA SIXにある「フエギア1833」の究極形態とも言えます。なぜならこの店舗は、日本の香水文化の聖地として定着している京都の「ルシヤージュ 京都」様の精神と同じ感覚で生み出された店舗だからです。

それは、ひとりひとりのお客様に対する接客に時間をかけるために、敢えて、沢山のお客様で溢れかえらない静かな空間に拘っているところにあります。

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フレグランス・ギャラリー×インフュージョンバー

©Mori Building Co., Ltd.

©Mori Building Co., Ltd.

それでは、実際に男性マネージャー様からカイエデモードがお聞きした内容をお伝えしていきます。

世界でもはじめてかもしれないインフュージョンバー(ワインバー)が併設されたフレグランス・ギャラリー。このバーカウンターに立つスタッフは、ギャラリストです。私も含め、フエギアのスタッフは、かつてバーで働いていたり、アートに関わる仕事をしていた人が多いので対応できるのです。
この店舗を訪問して最初に目につくのが、美しい八角形のバーカウンターです。さらにCO2抽出された天然香料などが陳列された棚と、 吹きガラスを平らに伸ばした板ガラスがはめ込まれた窓ガラスが、この店舗がただ単にツリーハウス風に作られたものではなく、麻布台ヒルズのビルディングの中に、本格的なツリーハウスが同居しているという、とんでもない店舗であることを教えてくれます。
さらに奥に進むと、真ん中に木が生えており、ジャックの豆の木のようにどこまでも伸びていくこの木を囲むように、八角形のディスプレイ・テーブルがあるのです。
さらに、ジュリアンがライブコンサートの音響係並みに拘りに拘ったという、ジェネレックのスピーカーから流れる音楽がとても心地よく、真のラグジュアリー・ギャラリーにいる心地よさを五感で感じさせてくれます。
ここまで素晴らしい環境が整えられた中、フエギアの香りの旅がはじまるのです。今までのフエギアの香りの選び方が、瞑想できる空間で、自分自身の内面との対話であるなら、こちらの店舗は、木に囲まれた安らぎの空間で、ギャラリストと軽くチャットしながら香りを発見する空間なのです。つまりは日々の生活や趣味・仕事の延長線上で、新しい香りを発見していただくということなのです。
このフエギアのユニフォームを着て働いてみたい!とおっしゃってくださるお客様がおられます。
マネージャーの方がふと漏らしたこの一言が、このブランドに対するお客様の敬意の高さを伝えてくれます。一時期「もうフエギアしか愛せない」という、アイドルの推し活のような言葉がSNS上で溢れかえり、香水を愛する人々の間で、「フエギアしか知らない癖に何言ってるんだ」という冷ややかな反応が相次ぎました。
しかし、それはまったく香水に興味がなかった層に、新しいアプローチで衝撃を生み出したことから、このような熱狂が生まれたのでしょう。他にこのような熱狂を日本で生み出すことができたニッチ・フレグランス・ブランドは存在しません。
最後に、麻布台店は、オックスフォード大学のデューク・ハンフリー図書館のような学術的な空気を感じさせる〝洗練された香りの空間〟だと思います。
真の聖地。それはこの場所だけを求めて訪問する場所のことを指します。私はギャラリストと交流することができるこの場所こそが、〝はじめてのフエギアとの遭遇〟に相応しい場所かと感じております。