カイエデモードに花束を|最終日

香水を愛するひとびとのまいにちを豊かにしたい!そんなカイエデモードの記事を楽しんで頂いているみんなに読んでもらえたら幸いです。|2026年3月22日

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シェンヌ|大自然の中で感じる集中力を覚醒させる、森の栄光を称える香り

セルジュ・ルタンス
©資生堂
セルジュ・ルタンス
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シェンヌ

原名:Chene
種類:オード・パルファム
ブランド:セルジュ・ルタンス
調香師:クリストファー・シェルドレイク
発表年:2004年
価格:日本未発売(75ml/€260)

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ラム酒に酔わされ、晩秋の森を彷徨い、オークの輝きに辿り着く

©資生堂

王権の象徴であるオークの木は、フランス史において極めて重要な存在であった。フランス革命の際に全て伐採されたが、セルジュ・ルタンスはラム・アブソリュートを用いて、この卓越した象徴的なウッディノートを再現し、心地よくエレガントな男性的要素を加えた。

「フランス革命は王の首を刎ねただけでなく、象徴的なオークの木 ―― つまり樹木の王の首も刎ねたのだ」

セルジュ・ルタンス公式サイトより

2004年にセルジュ・ルタンスより発売されたシェンヌ」は、フランス語で「オーク、楢の木」の意味です(よく樫の木と誤訳されます)。晩秋の気配を感じさせる魔法の香りは、クリストファー・シェルドレイクにより調香されました。

2018年11月から、限られた店舗でのみ販売されていたプレミアムコレクション「グラットシエル コレクション」に組み込まれ、現在は、パレ・ロワイヤル本店だけで取り扱われている「レフラコンドターブル」コレクションのひとつとなっています。

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大自然の中で感じる集中力を覚醒させる、森の栄光を称える香り

『楢の木のある風景』ヤン・ファン・ホイエン

ニスやおがくずを感じさせる木材が磨き込まれていくように、素肌にシダーウッドの新鮮なきらめきが広がっていくようにしてこの香りははじまります。そこにちょっぴり悲しげなメランコリーな気分にさせる甘くて苦い樹液のようなブラックタイムが溶け込んでゆきます。

そして間髪入れずに、ラム酒に浸けられたオーク樽の香りが漂いはじめます。このオーク樽の中に、ビーズワックス、トンカビーン、バーチ、イモーテルといった香りが混ぜられてゆきます。どこか謎めいたクリーミーなフルーティーさが感じられるようです。

緑に包まれた美しい大自然の情景がただ感じられるのではなく、葉がすっかり落ちた後、枯葉とどんぐりが落ち、腐植土の絨毯が広がる、焦げ茶に包まれた大自然の情景も感じられるのが素晴らしく、木々の精神が心にまで響いてくる気高さと荘厳さを感じさせます。

やがてほろ酔い気分が醒まされるようにラム酒が和らぎ、バニラのように甘くてスモーキーなオークのドライな余韻に包み込まれてゆきます。全体の香りの広がりはあくまで穏やかです。

さらに言うと、オークだけでなく、シダーやバーチの香りに引き立てられながら(隠し味として塩っ気のあるオークモスとクミンがいる)オークが薫るので、とっても豊潤な木々の煌めきを受けとめていくようであり、ファンタジーな空気も感じさせます。

それはまるで心地よく大自然の息吹により、晩秋を迎えた森の中を散歩し、五感が研ぎ澄まされていくようです。青木ヶ原樹海を彷徨うような香りでは決してなく、この森の香りの中で迷いながら辿り着く先には、大いなる希望があるように感じられる、森の栄光を称えるうつくしい香りです。

近代香水が存在しなかった時代の〝原始の神聖な森の香り〟とも言えます。

タニア・サンチェスは『世界香水ガイド』で、「シェンヌ」を「鉛筆削り」と呼び、「ウッディ調の構造をおが屑にまで削って痩せたものにした。香水というよりは、議論のネタを提供してくれたようだ」と2つ星(5段階評価)の評価をつけています。

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香水データ

香水名:シェンヌ(樫)
原名:Chene
種類:オード・パルファム
ブランド:セルジュ・ルタンス
調香師:クリストファー・シェルドレイク
発表年:2004年
価格:日本未発売(75ml/€260)


トップノート:シダー、ブラックタイム
ミドルノート:バーチ、ラム、ビーズワックス、オーク
ラストノート:トンカビーン