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【ゲラン】シャンゼリゼ(オリヴィエ・クレスプ)

ゲラン
©GUERLAIN
ゲラン
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シャンゼリゼ

原名:Champs-Elysees
種類:オード・パルファム
ブランド:ゲラン
調香師:オリヴィエ・クレスプ
発表年:1996年
対象性別:女性
価格:75ml/19,800円
公式ホームページ:ゲラン

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グルマンの神が創ったミモザの香り

ソフィー・マルソー、1996年。撮影:ピーター・リンドバーグ。©GUERLAIN

ソフィー・マルソー、1996年。撮影:ピーター・リンドバーグ。©GUERLAIN

シャンゼリゼ」という名は、ギリシア神話のエリュシオン(極楽浄土)を意味するフランス語です。1828年に創業したゲランは、1914年にシャンゼリゼ通り68番地に一号店を移動し、以後、ここを本拠地にゲラン帝国を築き上げていきました。

1994年にLVMH(モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン)グループの傘下に入ったゲランは、1996年にLVMHが株式を100%取得したことにより、創業者一族が経営から離れることになりました(ジャン=ポール・ゲランは2002年まで調香師として雇用された)。

そして、新生ゲランとしてはじめて生み出された香りの名が「シャンゼリゼ」でした。それは当時珍しかったミモザの香りを生み出そうとした一大挑戦であり、後のゲランのクリエイティブ・ディレクターとなるシルヴェーヌ・ドゥラクルト初の大役となりました。

それは、ジャン=ポール・ゲランさえも知らない間に極秘裏に行われました。

1996年に発売されたこの香りは、1992年に「エンジェル」で世界初のグルマンノートを生み出したオリヴィエ・クレスプにより調香されました。

ジャン=ポール・ゲランとフィルメニッヒやジボダンの調香師たちにそれぞれの試作品を提出させ、エバリュエーターが選び出したのがこの香りだったのです。

325番目の香りとアナウンスされたこの香りは、フランス産とエジプト産の2種類のミモザを使用して作られたミモザの香りです。ミモザとは日本名をフサアカシアと呼ぶ、春の到来を告げる花です。

世界初のグルマンノートを生み出したクレスプだけあり、かつてアメリカのビドル・ソーヤー社にて2年間フード・フレイバーを学んだ経験を生かし、生のアーモンドを粉末状にした(小麦粉の代用品としてパンケーキや焼き菓子などの材料になる)アーモンドフラワーをミモザとブレンドし、ハニーミモザの輝きを生み出したのでした。

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栄光を手にするために前進する女性のための香り

ジゼル・ブンチェン ©GUERLAIN

シャンゼリゼの香りは凱旋門に向かって進んでいきます。シャンパンのような限りなく黄金に近いイエローの輝きに包まれたハニーミモザの香りが最初から現れます。そして、この輝きに賛辞を贈る観客のようにジューシーかつアクアティックなメロン、ピーチと、甘酸っぱいブラックカラントがハニーミモザに透明感を与えていきます。

ヴァイオレットがハニーミモザが甘くなりすぎないようにソーピィーさを与える中、ローズ、ライラック、スズラン、ピオニー、ハイビスカスといった瑞々しい花々が、ハニーミモザと絶妙なハーモニーを生み出します。それはこの路の先に、凱旋門が見えてきた二杯目のシャンパンの高揚感を表しているようです。

このシャンパンを飲み干すにつれて、バニラとベンゾイン、サンダルウッドとシダーがフローラルをふんわりと包み込んでいきます。それは生肌とフローラルを接着していくように優しく機能していきます。「さぁ、今、あなたの凱旋門はすぐ近くにある!

太陽が燦燦と輝く陽の下でシャンゼリゼ通りを、颯爽と凱旋門に向かって歩いていくような人生を送りたい。そんな生き方をしている女性にこそ相応しい香りです。それはゲラン買収という凱旋門を獲得したLVMHグループの凱旋パレードの香りでもあるのです。

ロベール・グラネによるボトル・デザインは、1989年に完成したルーヴル美術館のルーヴル・ピラミッド(イオ・ミン・ペイ作)から凱旋門にまで伸びているシャンゼリゼ通りを喚起させるデザインです。

広告キャンペーンは大々的に行われ、この香りのミューズとしてフランスを代表する女優ソフィー・マルソーが起用されました。ピーター・リンドバーグにより撮影されたCMは、ポーティスヘッドの「グローリー・ボックス」が流れる中、シャンゼリゼ通りを歩く彼女の姿が映し出されています。

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ルカ・トゥリンに酷評された香り


ルカ・トゥリンは『世界香水ガイド』で、「シャンゼリゼ」を「蛍光フローラル」と呼び、「これは「エンジェル」を生み出したことで名高いオリヴィエ・クレスプが手がけた。しかし、天網恢々である。ゲランは最初のキャンペーンで大失敗し、とても高くつく広告を立て続けに打たなければいけなくなった。」

「この香水はヨーロッパでは売れなかったが、もともとターゲットにしていた極東の若造どもには受けがよかったらしい。もっとも、ゲランのプレスがこの話題に触れるときの苦い口調からすると、必ずしもすべてがバラ色だったわけではないようだ。」

「私としてはマカオのナイトクラブがどんなにこの香水でむせかえろうが、知ったことではない。ゲランが作った中で、いまだにワースト2の香水(ワースト1はもちろん「マイヨット」)。」と1つ星(5段階評価)の評価をつけています。

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香水データ

香水名:シャンゼリゼ
原名:Champs-Elysees
種類:オード・パルファム
ブランド:ゲラン
調香師:オリヴィエ・クレスプ
発表年:1996年
対象性別:女性
価格:75ml/19,800円
公式ホームページ:ゲラン



トップノート:アーモンド、メロン、ピーチ、ヴァイオレット、ブラックカラント、アニス
ミドルノート:ライラック、ミモザ、スズラン、ピオニー、アーモンド・ブロッサム、ローズ、ハイビスカス
ラストノート:バニラ、サンダルウッド、アーモンド・ツリー、ベンゾイン、シダー

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