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【ヴァレンティノ】ヴァレンティナ(アルベルト・モリヤス/オリヴィエ・クレスプ)

ヴァレンティノ
©VALENTINO
ヴァレンティノ
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ヴァレンティナ

原名:Valentina
種類:オード・パルファム
ブランド: ヴァレンティノ
調香師:アルベルト・モリヤスオリヴィエ・クレスプ
発表年:2011年
対象性別:女性
価格:30ml/6,700円、50ml/9,700円、80ml/14,100円

ヴァレンティノ ヴァレンティナ EDP スプレー 50ml

価格:24,077円
(2023/8/9 03:21時点)
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世界三大珍味のひとつ白トリュフの香り

©Monica Feudi / GoRunway.com

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プーチ社がフレグランスのライセンスを買収した後、はじめて生み出されたヴァレンティノの香り「ヴァレンティナ」は、2011年9月に発売されました(日本では2012年3月14日に発売された)。それは2年の歳月をかけ、1000回もの試作の果てにアルベルト・モリヤスオリヴィエ・クレスプにより調香された香りです。

ヴァレンティノのクリエイティヴ・ディレクター、マリア・グラツィア・キウリピエールパオロ・ピッチョーリが描き出す、ローマの良家のプリンセスをイメージしたフレッシュ・フローラル・フルーティー・オリエンタルな香りです。

それは、ヴァレンティノの2012年春夏コレクションのイノセンスなスタイル。ヌーディーやクリームのレースのドレスに重ねるのは輝くシフォンなどといったアンバランスなバランスを反映させた、ロマンティックでありながら繊細な香りなのです。

世界三大珍味(フォアグラ・キャビア・トリュフ)のひとつであるトリュフの中で、最高級とされるアルバ産の白トリュフ(黒トリュフと違い人工栽培出来ないので希少価値が高く、3~10倍の値がつく。100グラム10万円以上)。

白トリュフは、汚れた男性の靴下の香りとも、きのこ、蜂蜜、干し草、にんにく、スパイス、湿った地面、アンモニア、不発弾などの匂いが複雑に絡み合う香りだと言われています。黒トリュフとは全く違う香りを放ちます。

そんな白トリュフを中心にイタリアの食材を配したのが、このイタリア女の貞淑と情熱の狭間の香りなのです。

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美しい女主人よりも目立つ召使は許されない

©VALENTINO

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私はこの香りに敢えてローズを入れませんでした。正直に言うと、ローズを〝若く〟するのは簡単ではありません。一方、ジャスミンはずっと〝若く〟なりやすく、そもそもイタリア産のローズはほとんどありません。

アルベルト・モリヤス

そんなイタリアの最高級の食材である白トリュフが主役のこの香りは、カラブリア産のベルガモットの煌きと共にやって来ます。そして、芳醇なストロベリーにパウダリーなバニラが注がれていく中、複雑な甘さと共にプリンセスは目を覚ますのです。


このストロベリーノートは、正確にはフラゴリーネ・ディ・ボスコというイタリアの野生のストロベリーを再現した香りです(ちなみにローマ郊外のネーミという村は〝いちごの村〟と呼ばれている)。

つまりこの香りは、イタリアを象徴する三つの食材である、若さ弾ける=ベルガモット(爽やかさ)、貴重なる種族=白トリュフ(時代を超えた圧倒的な品格)、可愛い悪魔=ストロベリー(キュートさ)からはじまるのです。

それは、緑・白・赤というイタリア国旗の並びに合わせたトップノートとも言えます。

注ぎ込まれたバニラにより、オリヴィエ・クリスプ印とも言えるグルマンノートがふんわりとお淑やかに発動されます。決して甘すぎず、どこかジェラートのような冷たいバニラの雰囲気も漂わせます。

やがて、クリーミーなジャスミンとチューベローズに、アマルフィ産のオレンジブロッサムが溶け込んでゆきます。白トリュフは最初から最後までこの香りにおいて重要なアクセントとなっており、独特の土っぽさを生み出しながら、抑えきれぬフローラルの妖艶さを限界まで抑えきろうと孤軍奮闘しています。

そして、ドライダウンにおいて、妖艶なアンバーがフローラルと結びつきオリエンタルの結界を生み出していく中、涼しげなシダーウッドとバニラにより白トリュフのアーシィーさが、香り全体に優しい温かみを生み出してくれるのです。

ストロベリーとチューベローズの珍しい競演!おお…ヴァレンティーナ!この香りを身に纏いし者は、ヴァレンティノのブランド・フィロソフィーでもある〝美しさは矛盾により生み出される〟の意味を知ることになるのです。

花のようであり、スイーツのようであり、大地のようでもあり、動物のようでもあり、冷たくも温かく、スパイシーで甘い。美しい女主人よりも目立つ召使は許されない。それを教えてくれる香りなのです。

間違いなくクリスティーヌ・ナジェルが生み出したディオールの「ミス ディオール シェリー」の影響の下で生み出された作品と言えます。

パオロ・コンテの名曲「Via con me」に合わせて、元祖アンドロギュヌス・モデル・フレジャ・ベハ・エリクセン(1987-)が登場するキャンペーン・フィルムが『ローマの休日』を少し連想させかなりお洒落です。

ボトル・デザインは、ヘリコプターから円形闘技場を見下ろしたようなラウンドボトルに、薔薇の飾りが散りばめられており、サイズによって薔薇の色や数も変わってくる拘りぶりです。

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香水データ

香水名:ヴァレンティナ
原名:Valentina
種類:オード・パルファム
ブランド: ヴァレンティノ
調香師:アルベルト・モリヤスオリヴィエ・クレスプ
発表年:2011年
対象性別:女性
価格:30ml/6,700円、50ml/9,700円、80ml/14,100円


トップノート:カラブリアン・ベルガモット、ホワイトアルバトリュフ、スターアニス
ミドルノート:ジャスミン、アマルフィ産オレンジブロッサム、チューベローズ、ワイルドストロベリー
ラストノート:ヴァージニア・シダー、アンバー、バニラ

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