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【カルヴェン】カルヴェン プールオム(フランシス・クルジャン/パトリシア・シュー)

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カルヴェン プールオム

原名:Carven Pour Homme
種類:オード・トワレ
ブランド:カルヴェン
調香師:フランシス・クルジャン、パトリシア・シュー
発表年:2014年
対象性別:男性
価格:日本未発売

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ギョーム・アンリのカルヴェン革命の中生み出された、男のための香り

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かつて1946年に伝説の香水「マ グリフ」や、1957年に「ベチバー」を発表してきたカルヴェンは、20世紀末にはすっかり衰退し、21世紀はほとんど滅んでいました。そんな中、カルヴェンは2013年(日本では8月28日)に「カルヴェン ル パルファン」と共にフレグランス市場に戻ってきたのでした。

当時のカルヴェンのアーティスティック・ディレクターだったギョーム・アンリ(1978年生まれ、2009年からカルヴェン、2015年1月からニナ・リッチ、そして2018年からはパトゥのクリエイティブ・ディレクターをつとめる)がはじめてフレグランスのコンセプト、パッケージなどのクリエーションを担当しました。

フローラル・シプレの香りは、若き日に「ベチバー」を愛用していたというフランシス・クルジャンにより調香され、世界的な大ヒット作となりました。

その〝カルヴェン旋風〟の中、2014年に同じ調香師の下で生み出されたのが「カルヴェン ロードトワレ」でした。そして同年9月に生み出された新生カルヴェン初のメンズ・フレグランスが「カルヴェン プールオム」でした。

早朝の爽やかさ、襟を立ててポケットに手を入れているような、官能的な男性のフレンチ・シックを体現するウッディー・スパイシーな香りは、フランシス・クルジャンとパトリシア・シューにより調香されました。

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ヴァイオレット・リーフが主役の隠れたメンズ・フレグランスの逸品

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結局、カルヴェン全盛期においても日本に上陸することのなかったこの香りは〝隠れたメンズ・フレグランスの逸品=万能フレグランス〟と呼ばれています。全体的にスマートで洗練された空気を運んでくれるこの香りは、大声を上げるような騒々しさではなく、静やかに洗練されたオーラのあるグリーンが輝くヴァイオレット・リーフに、透き通るシャンパンのように弾けるグレープフルーツが注ぎ込まれるようにしてこの香りははじまります。

とても興味深いのは、この香りのヴァイオレット・リーフの不思議なバランス感覚です。シャープでメタリックでありながら、滑らかに美しいのです。

すぐに涼やかなシダーウッドがグレープフルーツと抜群の相性の良さを見せてゆきます。一方で、スパイシーなナツメグとセージが温かい吐息を吹きかけ、ヴァイオレット・リーフに穏やかな微笑みを与えてゆきます。

やがて、ひんやりとクリーンな苦みのあるベチバーとミルキーなサンダルウッドの余韻が、シックにエレガントな高級石鹸のような心地よさですべてをひとまとめにしてゆきます。

ボトル・デザインはティエリー・ドゥ・バシュマコフによるものです。クリードの「グリーン アイリッシュ ツイード」とよく比較される香りです。

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パトリシア・シューという女性調香師


クルジャンと共に本作の創造に関わった女性調香師パトリシア・シューは、ワインの産地ブルゴーニュで生まれ育ちました。野菜やフルーツを栽培する祖父の大きな畑を散策するのが好きな少女でした。少女時代に、クロスグリやレッドベリーの実をジャムにしたりするうちに、果実から漂う香りに興味を持つようになりました。

10代のはじめに両親とカンヌに旅行に行った時に、グラースを訪れ、香水が作り出されるプロセスを見てすっかり調香の虜になりました。彼女が最初につけた香水は、14歳のときに親から貰ったニナ・リッチレールデュタンでした。「この香りによって私は大人になった」と彼女は回想しています。

そして、パトリシアが最初に愛した香りは、ジャコモサイレンスでした。しかし、ゲランミツコに出会い、それ以降は、シプレー系の香りを愛好するようになりました。彼女自身の最高のお気に入りの香水は、フランシス・クルジャンによるエリーサーブル・パルファムです。オレンジ・ブロッサムを使用した最も素晴らしいシプレー系の香りと大絶賛しています。

香料専門学院イジプカで1993年から勉強したパトリシアは、フロラシンス社に入社後、ドミニク・ロピオンの下で働きます。ベルトラン・ドゥシュフールモーリス・ルーセルの下でも働き、ドイツの香料会社ハーマン&ライマーによってフロラシンス社が吸収後は、ドイツ、英国で転勤します。

やがて、モーリス・ルーセルの誘いにより、ニューヨークで、セリーヌ・ディオンのシック(2009)やマイケル・コースのベリー・プリティ(2008)ジョー・マローンのブルー アガバ & カカオ コロンのクリエイションに関わります。

2009年にニューヨークで高砂に移籍し、ロシャス家の孫娘が立ち上げたクーライフの香水の調香が認められ、憧れのクルジャンとの競作に抜擢されたのが本作の誕生への流れとなります。

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香水データ

香水名:カルヴェンプールオム
原名:Carven Pour Homme
種類:オード・トワレ
ブランド:カルヴェン
調香師:フランシス・クルジャン、パトリシア・シュー
発表年:2014年
対象性別:男性
価格:日本未発売


トップノート:ヴァイオレット・リーフ、グレープフルーツ
ミドルノート:ナツメグ、セージ、シダー
ラストノート:ベチバー、サンダルウッド