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【マーク ジェイコブス】デイジー シリーズの全て

アルベルト・モリヤス
©MARC JACOBS
アルベルト・モリヤスブランドマーク・ジェイコブス調香師香りの美学
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デイジー

Daisy By Marc Jacobs 2007年当時、マーク・ジェイコブスルイ・ヴィトンのアーティスティック・ディレクター (1997-2013)でした。彼にとって、2003年の村上隆とのコラボレーションは、カワイイ・デザインに目覚めるきっかけとなりました。そして、2007年に、太陽神のごとく、デイジー・モチーフを前面に押し出した「デイジー」コレクションが誕生したのでした。

それは10代から20代の女性をターゲットにした香りであり、発売後、瞬く間に、パステルカラーを愛することが許される女性たち=〝自分が妖精の生まれ変わりなんだと考えることが許される年代の乙女たち〟のアイコニック・フレグランスとなったのでした。

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クロエ旋風の一年前に発売された〝香りの国のデイジー〟

©MARC JACOBS

2022年5月現在、計48種類の「デイジー」が発売されています。それほど、派生品が多いのも、乙女向けである証拠です。男性に対しても、趣味に対しても色々よそ見してみたい女性のための、少女から大人になるまでの、腰掛けフレグランスという見方も出来るのですが、「デイジー」のようなハイセンスなボトル・デザインを通して大人の女性になった人は、間違いなく洗練された女性になることでしょう。

さて、このシリーズは大きく4種類のコレクションに分かれています。「デイジー」「デイジー オー ソー フレッシュ」「デイジー ドリーム」「デイジー ラブ」です。

全てアルベルト・モリヤスによる調香です。60代のおじ様が、作り上げた乙女の香り。それがデイジー・コレクションなのです。それはまるでルイス・キャロルが「不思議の国のアリス」を生み出したような感覚とも言えます。ある種の男性は、女性よりも遥かに乙女心を体現するものを生み出すことが出来るのです。

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現役スペシャリストが語る「デイジー」シリーズの世界観

マーク・ジェイコブス

さて、何よりも確かな情報をお伝えさせて頂くために、かつてブルーベルのチーフだったフレグランス・スペシャリスト様に、デイジー シリーズについて解説して頂きましょう。以下彼女のお言葉です。

私が最初に「デイジー」を見て感じたのは、単純に「カワイイ!」でした。それまでここまで可愛らしさ全開の香水ボトルを見たことがなかったので、インパクト大でした。発売されたのは2007年。丁度クロエ旋風前夜のことでした。結果的に、「デイジー」発売は抜群のタイミングだったという記憶があります。

そして、「デイジー」が出るまでのマーク・ジェイコブスの香りとは、〝可愛い〟よりも清楚なお姉さんのイメージであり、ボトルもとてもシンプルで香りもシンプル、ある意味〝特徴がない〟〝インパクトがない〟香水でした。

それでもある一定数のファンの方はいらっしゃいました(特に2作目の「ブラッシュ」のファンの中には、廃盤になった時にまとめて購入される方もいらっしゃったくらいです)。そんなそれまでのマークのフレグランスのイメージから脱却し、マーク・ジェイコブス・ブームの火付け役となったのが「デイジー」だったのです。

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シャネルの「チャンス」シリーズのライバルでもあった。

©MARC JACOBS

非常に興味深いのは、「チャンス オー フレッシュ」が「デイジー」と同じ2007年に発売されたということです。そして、2010年には「チャンス オー タンドゥル」が発売され、翌年「デイジー オー ソー フレッシュ」が発売されました。両シリーズの香りを比較してみると面白いかもしれません。

「デイジー」はとても人気がある香りでした。さらに2作目の「デイジー オー ソー フレッシュ」もクロエ旋風の中発売された香りにしては、すごく注目された香りでした。

香り自体は、フローラルで軽やか、そしてキュート、瑞々しさやピュアな世界観。「クロエEDP」のムスキーなところが苦手と仰る、ファッションもナチュラル思考なお客様に選ばれていた記憶があります。

私の中でも二つのデイジーはとても思い入れのある(反響があった)香りでした。しかし、2014年に発売された「デイジー ドリーム」は、正直あまり売れた記憶がありません。これもまた時代の流れなのでしょうか…

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デイジー三姉妹の香りのイメージについて

©MARC JACOBS

三つの香りのイメージは、「デイジー」が優等生の長女で、「デイジー オー ソー フレッシュ」が快活でキュートな愛されキャラな次女。そして「デイジー ドリーム」は個性がありながらも真面目な三女です。

「デイジー」はそれまでのマークのフレグランスをうまく継承しつつも、可愛らしさや、より無垢な印象を打ち出す事に成功した香りだと思います。ある意味ブランドの方向性を変えた瞬間とも言えます。そして、その良い影響を受けて創られた2作目が「デイジー オー ソー フレッシュ」です。

ちなみになぜ「デイジー ドリーム」が印象に薄いかと言うと恐らく私の感覚ですが、「デイジー」と「デイジー オー ソー フレッシュ」の限定ボトルや限定バージョンがよく出たためです。そのためあまりのやりすぎた感が否めず、お腹いっぱいの状態で「デイジー ドリーム」が出たためだと思います。

ちなみにカイエデモードは、この「デイジー」三作の比較を読んでいて、逆にお花をつけてもらえない悲しい子「デイジー ドリーム」に愛着を持ってしまいました。どこかどんくさそうで、愛嬌を感じました。
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デイジー シリーズ

2007年


デイジー

2011年


デイジー オー ソー フレッシュ

2014年


デイジー ドリーム

2017年


デイジー トゥインクル

デイジー オー ソー フレッシュ トゥインクル

デイジー ドリーム トゥインクル

2018年


デイジー ラブ

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