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【ペンハリガン】ブラステッド ブルーム (アルベルト・モリヤス)

ペンハリガン
©Penhaligon's
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ブラステッド ブルーム

原名:Blasted Bloom
種類:オード・パルファム
ブランド:ペンハリガン
調香師:アルベルト・モリヤス
発表年:2015年
対象性別:女性
価格:50ml/17,050円、100ml/24,750円

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スコットランドの寒い海岸の香り

©Penhaligon’s

両方とも香りを調香するときに意識したのは自然が生み出す絵画のように香りを作ろうということでした。共に、英国の海岸の野生の風景が描かれています。

私はとても視覚から入る人間なので、風景を見て感じた、自然発生的なイメージを香りに投影しました。「ブラステッド ヒース」には、岩に砕け散る力強い波が見えます。一方「ブラステッド ブルーム」には、風や潮風に吹かれた野生の植物が見えます。

アルベルト・モリヤス

2015年にペンハリガンから発売された「ブラステッド ブルーム」は、スコットランド北部のハイランド地方をテーマにしたウイメンズ・フレグランスです。「ブラステッド ヒース」と共にペアフレグランスとして同時発売されました。二つともアルベルト・モリヤスにより調香されました。

スコットランドとは、グレートブリテン島(南部にイングランド、西部にウェールズ)の北部3分の1を占める北海道くらいの大きさの『グレートブリテン及び北アイルランド連合王国』=英国に属する国です。ちなみに英国とは、イングランド、ウェールズ、スコットランド、北アイルランドの4国から成る連邦国家です。

日本人にとって最も愛着のあるスコットランド名物と言えば、ネッシーで有名なネス湖でしょう。


もしくは、カルト的人気を誇る「ハイランダー 悪魔の戦士」(1986年、主題歌はクイーン!)。

これは1539年のスコットランドでハイランダーとして闘った「不死の者」たちが、究極の宝を求めてやがて来る「集合の時」へ向けて戦い抜き、遂にその時がニューヨークでやって来て、日本刀を振り回し戦うことになる不思議な映画でした。

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時は来た!戦士モリヤス、スコットランドに行く!

ロサ・ルビギノーサの匂いを嗅ぐアルベルト・モリヤス ©Penhaligon’s

「ブラステッド ブルーム」とは、英語で「爆発するように開花する」という意味です。それはスコットランド北部の海岸において、無限のパワーに満ちた大海が生み出す潮風が、この土地特有の寒さに強いフローラルとベリーに吹きかかる瞬間をイメージした香りです。

赤と青と紫の様々なベリーが、ふんわりとジューシさを解き放つようにしてこの香りははじまります。すぐに冷たい海水を思わせるカロン、センテナールをはじめとするマリンノートが注ぎ込まれ、海風を吹かせ、海岸沿いの草の葉(手で砕いた青葉のような)を揺らしてゆきます。

この潮風は最初から最後まで自由奔放な野生の輝きを香り全体に与えてくれます。

やがて、ほのかにリンゴの香りがする野生の薔薇=ロサ・ルビギノーサと、サンザシの柔らかな酸味が、二酸化炭素抽出されたピンクペッパーによりスパイシーフローラルの芳香を追加してゆきます。

ちなみに、サンザシ=ホーソンは、5月に英国を支配する花と呼ばれるほどに、英国中にその生垣は多く、白い花を咲かせます。

そこにシダーウッドを中心に、モスとムスクが、マリンノートとグリーンノートに豊かなきらめきを与えながら、クリアウッドとブレンドされてゆき、大地の安らぎを思わせる優雅な余韻を残していくのです。

クリアウッドとは、2014年にフィルメニッヒ社がホワイトバイオ(遺伝子組換え微生物を作成してアルコールやプラスチックなどの工業原料、産業酵素、エネルギーなどを生産すること)によって、サトウキビを発酵して作った、本来のパチョリよりも汚れのないクリーンでソフトな香り立ちがします。

「ブラステッド ヒース」とは全く違うフレッシュグリーン、フレッシュフローラル、フレッシュアクアティックな香り。つまりは新鮮なスコットランドの寒い海岸線を感じさせる香りです。

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香水データ

香水名:ブラステッド ブルーム
原名:Blasted Bloom
種類:オード・パルファム
ブランド:ペンハリガン
調香師:アルベルト・モリヤス
発表年:2015年
対象性別:女性
価格:50ml/17,050円、100ml/24,750円


トップノート:ワイルドベリー、シーウォーター、青葉
ミドルノート:ロサ・ルビギノーサ、ピンクペッパー、サンザシ
ラストノート:シダー、モス、ムスク