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アラン・ドロン

アラン・ドロン6 『さらば友よ』1(2ページ)

アラン・ドロン
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作品名:さらば友よ Adieu l’ami (1968)
監督: ジャン・エルマン
衣装:タニーヌ・オートレ
出演者:アラン・ドロン/チャールズ・ブロンソン/オルガ・ジョルジュ・ピコ/ブリジット・フォッセー

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本物の男たちの姿を見たけりゃコレを見ろ!

全く正反対の漢(おとこ)の面構えに震えて眠れ!

アラン・ドロンのマッチのすり方がカッコ良すぎます。

この作品のアラン・ドロン(1935-)とチャールズ・ブロンソン(1921-2003)は、完全にタイムレスなメンズ・アイコンになりました。それは、21世紀の私たちから見ると「ダンディズムの神話」の領域に到達しています。

この作品は、ラグジュアリー・ストリート・ブームが終焉を迎え、ブランドロゴ・ブームも一段落しようとしている今、クラシカルな正統派の男らしさが求められる時代において、絶好のバイブルになっていくことでしょう。

2019年9月現在、ファッション&アパレル業界のクールな男たちにとって、最もイタい男の条件をここで箇条書きするならば、

  1. ダッドスニーカーを履いている
  2. ブランドロゴTシャツorキャップを身に着けている
  3. タピオカ待ちの行列の中にいる(更に携帯扇風機持参の彼女つき)
  4. 21歳を越えてもスーツを着こなせないor革靴を履けない
  5. 身に着けているブランドの知識はゼロ、もしくは受け売り程度の安っぽい知識

男のファッションがカジュアルすぎることによって生まれるのは、ダンディズムの欠如です。ダンディズムとは、トレンドに振り回されない不動のセンスによってのみ生まれるものです。そして、この不動心こそが、メンズファッションとウィメンズファッションを明確に分ける垣根なのです。

結局のところ、ハイセンスな女性にとって最も弱いものは、昔ながらの男の持つダンディズムなのです。オンナとは自分が持てないものを持つオトコに惚れるものなのです。

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オープニングは、ベレー帽男子天国

さりげなくブロンソンの後ろを通り過ぎるクールなアラン・ドロン。

フランス外人部隊のベレー帽スタイルがよく似合う。

共に兵役経験者だけに軍服の着こなしも半端なし。

赤のベレー帽が似合う男もそうざらにいない。

アルジェリア戦争(1954-1962)から引き上げてきた外人部隊の二人という設定に説得力を持たせるためには、マルセイユの港に降り立つ二人のオープニングの軍服姿がどれほどサマになるかが全てでした。

この作品がとても魅力的なのは、二人の軍服姿の説得力にあります。どうやら二人は、1954年のディエンビエンフーの戦いから外人部隊に在籍しているみたいです。そして、現実においても、アラン・ドロンは、インドシナ戦争で地上部隊で戦闘経験があり、チャールズ・ブロンソンは、陸軍航空隊で射撃手としてB29に乗り、東京大空襲にも参加し、最終的にはパープルハートを受賞していました(ただし、ブロンソン自体はこの過去を誇らしげに語ることは決してなかった)。

それにしてもフランソワ・ド・ルーベの行進曲風のテーマ曲に合わせて、交錯する赤の他人同士の二人の姿がとてもクールです(それはラストシーンの赤の他人を装う二人の交錯シーンを暗示しています)。

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アラン・ドロンがさらりと着こなすブルゾン・ルック

黒のタートルネックの上に、オーバーサイズのベージュのブルゾンを羽織る。

オルガ・ジョルジュ・ピコがフロントガラスに口紅で金庫室の見取り図を書く。その姿はまるで峰不二子のようだ。

終始、豹柄のコートで登場するオルガ。

アラン・ドロンとチャールズ・ブロンソン。

美しきオルガ・ジョルジュ・ピコ。もっと大成しそうな女優でした。

アラン・ドロン・スタイル1 ブルゾン・ルック
  • ベージュのブルゾン、フロントジップ、オーバーサイズ気味
  • 黒のタートルネック
  • グレーのトラウザー
  • 黒のレザーシューズ
  • 黒のウェイファーラー・サングラス
  • エニカ シェルパ ウルトラダイブ

長年の戦場から戻ってきたアラン・ドロンが着替える服は、地味なブルゾンとトラウザーのアンサンブルです。ゆったりとオーバーサイズ気味のブルゾンの着こなしが、大人の男のみが出しうる、全身からみなぎらせるゆとりを感じさせます。

ファッションの持つ魔性をこの手にする人の特徴は、ただひとつです。それはその年代の性別にしか生み出せない魅力を熟知しているところにあります。