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ラルチザン パフューム

【ラルチザン】フー アブサン(オリヴィア・ジャコベッティ)

ラルチザン パフューム
@L'Artisan Parfumeur
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フー アブサン

原名:Fou d’Absinthe
種類:オード・パルファム
ブランド:ラルチザン
調香師:オリヴィア・ジャコベッティ
発表年:2006年
対象性別:男性
価格:100ml/28,820円
販売代理店ホームページ:ラトリエ デ パルファム

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〝はじめの一歩〟に相応しい香り

飲み残した一杯のアブサン。自分は、その永遠に償い難いような喪失感を、こっそりそう形容していました。

『人間失格』太宰治

「フー アブサン」とは、フランス語で「狂乱のアブサン」という意味です。

ヴェルレーヌやロートレック、ゴッホといったフランスの芸術家の寿命を縮め(そして、その創造性を後押しした)、20世紀初頭から禁制品とされ、1981年に製造を復活された禁断のリキュール・アブサンの、冷たくもあたたかく、スパイシーなのにソフトと、捉えどころのない魅力を香りにしたアロマティック・フゼアの香りです。

弾けるような爽やかさからウッディーでセンシュアルなぬくもりに包まれたこの香りは、オリヴィア・ジャコベッティにより調香されました。

シャネルディオールトム・フォードのフレグランスに慣れ親しんだ人々がこの香りを嗅ぐと、最初は、猛烈な拒否反応を与えることでしょう。しかし、青年がビールの味を覚えていくように、やがてはニッチ・フレグランスの味を覚えていく〝はじめの一歩〟に相応しい香りです。

一体このような香りが存在する意義がどうしてあるのだろうか?と考えることから(そして、そんな香りの存在を知ることから)、フレグランスに対するその人の嗅覚は洗練されていくのです。

ルカ・トゥリンは『世界香水ガイド』で、「フー アブサン」を「木の削り屑」と呼び、「アブサン(ニガヨモギ)は何年か前に爆発的な人気を博した。危険成分を抑えたアブサンのリキュールが75年を経て、再び解禁になったのだ。それまで代わりに飲まれていたパスティス(アニスシードで香りをつけたリキュール)同様に害はないし、興味深い味だということがすぐに知れ渡ったからだ。この流行は香水業界にも浸透した。」

「香水業界でもニガヨモギは何十年も使われていなかった。わずかに興味を引くだけの樹脂のような香りだ。フーアブサンは巧みに構成されているにもかかわらず、ハーブと樹木の混合物以上の、陽気な「パコラバンヌ プールオム」にはなれなかった。ほかにも、ホップアブソリュートがやけにおろそかになっていて草食動物のようなノートがするし……などなど。」と2つ星(5段階評価)の評価をつけています。

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香水データ

香水名:フー アブサン
原名:Fou d’Absinthe
種類:オード・パルファム
ブランド:ラルチザン
調香師:オリヴィア・ジャコベッティ
発表年:2006年
対象性別:男性
価格:100ml/28,820円
販売代理店ホームページ:ラトリエ デ パルファム


トップノート:ブラックカラント、アンジェリカ、ニガヨモギ
ミドルノート:ジンジャー、パチョリ、ペッパー、ナツメグ、スターアニス、クローブ
ラストノート:バルサムモミ、インセンス、松葉