作品データ
作品名:薔薇のスタビスキー Stavisky… (1974)
監督:アラン・レネ
衣装:イヴ・サンローラン
出演者:ジャン=ポール・ベルモンド/アニー・デュプレー/シャルル・ボワイエ
『去年マリエンバートで』を連想させるブラック・ガウン

突然、大海原を歩く二人。海風がブラック・ガウンにドレープを生みます。

シャルル・ボワイエの演技力の高さ。こういう年の取り方をしたいと男性は思うはず。

アニー・デュプレーの魅力は、アンドロギュヌス的なところにあります。

マッシュルームカットにブラックガウンを合わせています。

70年代のミレイユ・マチューに似た雰囲気。

イヴ・サンローランのデザイン画。
アルレット・スタイル5 黒鳥ルック
- ビジューストラップ・ブラックロングガウン
- ブラックフェザーストール
- 沢山の高価なジュエリー
イヴ・サンローランが、間違いなくアラン・レネ監督の『去年マリエンバートで』のシャネルのフェザードレスを意識してデザインしたであろうこのドレスがとても素晴らしいです。アニー・デュプレーが黒鳥のように飛び立ちそうな躍動感に満ち溢れています。ちなみに、シャネルがフェザードレスをデザインしたインスピレーションの源は、1932年のマレーネ・ディートリッヒの主演作『上海特急』の中に登場するフェザーガウンにあります(トラヴィス・バントンによるデザイン)。
本作の宝石の数々はとても豪奢です。それらはパリのコスチューム・ジュエラーのルネ・ロンゲによるものです。
イヴ・サンローランがデザインしたシャネル

水兵のようなピルボックス・ハットと、豪華なファーを身に纏い・・・

撮影当時26歳にしてファーコートを着こなす堂々とした存在感。

1930年的なショートボブにツイードジャケット。

イヴ・サンローランがシャネルのデザインをしたならば・・・

パテントレザーのブラッククラッチ。

イヴ・サンローランのデザイン画。
アルレット・スタイル6 ツイード・アンサンブル
- 白のピルボックスハット
- ファーの付いたグレーのツイードコート
- グレーのツイードジャケット、コンケーブドショルダー
- 白のシルクボウタイ・ブラウス
- 黒のフレアスカート。膝下
- ブラックハイヒールパンプス
- 黒グローブ
- 黒ベルト
- 黒のパテントレザークラッチ
実物のアルレットは、昔、シャネルのドレス・モデルをしていました。そのため彼女は、スタヴィスキーと結婚して裕福になるとシャネルを愛好しました。
つまり、本作における全てのアニー・デュプレーのファッションは、イヴ・サンローランという元々はクリスチャン・ディオール出身のデザイナーがデザインしたシャネルと言っても差し支えありません。