京都とは、あなたが日本一覚醒する都市なのです。
大丸京都店で決して長居はせずに、再び四条通に出て、その対面に渡りましょう。
オススメ店その7。ガリャルダガランテ京都店
そこには決してハイエンドではないが、ハイセンスなアイテムが集まる表参道発祥のセレクト・ショップが存在します。この価格帯と良質なアイテムのバランス感こそが、本当の意味でのプチプライス的な価値だといえるのではないでしょうか。現在プチプライスと言っているものは、不当に安くて、明らかな見た目のチープさに満ちているプアープライス(プアプラ)と言わざるを得ません。
ハイエンドのアイテムと、ココのアイテムをミックスする人が本当の意味でのオシャレな人です。それを「ガリガラ・ミックス」と呼びます。それほど、ココのアイテムの費用対価率は素晴らしいのです。
ちなみに、この並びに大きなルイ・ヴィトンの路面店があります。京都には、他に京都タカシマヤに直営店があります。しかし、両店舗共にプレタポルテ・ファッションの販売は行っておりません。これこそがルイ・ヴィトンの抱える一つの大きな問題です。元々は京都でもプレタを扱っていたのですが、それが売れないのか?説明できる販売員がいなかったのか?今は扱わないようになりました。
ルイ・ヴィトンのプレタポルテの日本での売り上げは、年々落ちています。それはレディースを担当するニコラ・ジェスキエールと、メンズを担当するキム・ジョーンズというクリエイティブ・ディレクターたちの作りたいものと、ルイ・ヴィトンが望むもののヴィジョンが全くマッチしていないことが容易に見て取れるほどに、ルイ・ヴィトンがクリエイトする新たなるファッション・テイストの提案は何一つなされていません。それは、ただルイ・ヴィトンのロゴがぶら下がった布切れという印象を与える代物に終始しています。
特にニコラ・ジェスキエールという天才的デザイナーを持て余している様は、残念でなりません。あのバレンシアガ時代のニコラの天童ぶりはどこにいったのでしょうか?そして、何よりも、販売員にとって、その表情から容易に見て取れるのが、「こんな服をこの金額を出してどこで着るの?」というムードです。こうなったら、もうあの素晴らしいレ・パルファン ルイ ヴィトンを置くべきでしょう。京都だと、しかるべき香水のエキスパートが常駐すれば容易に売れるレベルのフレグランスなのです。
ファッション・スカウターを持つ販売員たち。
さぁ、再び四条通を対面に渡り、東上しましょう。進行方向左手に白い建物が見えるはずです。「ユナイテッド・アローズ」の登場です。
オススメ店その8。クロムハーツ京都店
ここまでのファッションルートの流れからいくと、「ユナイテッド・アローズ」のレディースのセレクトで見るべきものは、ビューティフル・ピープルとのコラボアイテム、フィリップ・リムのバッグくらいです。(しかし、京都店のブログの雰囲気は、実に良い。内容に興味が生まれれば、あなたにとって、「ユナイテッド・アローズ」はマストルックな店舗となるわけです)。さて、そこにはクロムハーツがあります。「クロムハーツ名物のオシャレ女性販売員」と対面しましょう。
どの都市においても、クロムハーツの女性販売員のオシャレさはハンパありません。もし、クロムハーツ・ガール達のスタイルブックというものが出来たなら、下手なインスタのスタイリングよりも遥かにスタイリングの参考になるはずです(特に大阪梅田のグランフロントと銀座のクロムハーツの女性販売員のオシャレさはずば抜けています)。
オススメ店その9。ステュディオス藤井大丸店
再び四条通に出て、東上します。左手にシップス(メンズ)、ラブレスが見えます。ラブレスに関しては、もはや迷走の域に突入しています。ギルドプライム。なぜ今では、男性が着ていて女子受けの悪いファッションの筆頭に上がるようになったのでしょうか?そして、これを着ている男子が好きな女子は痛く思われる傾向にあります。あの心斎橋のドルチェ&ガッバーナの前あたりを往復しているスカウトが着ているファッションというイメージです。これにルイ・ヴィトンのクラッチを持たせたらもう悪趣味の窮みです。
それにしてもギルドプライムは、どうしてファッション誌における掲載がこれほど多いのでしょうか?私は、そこにお金を使わずに別の部分にお金を使わないといけないでしょ?と考えます。それこそが、典型的なデザインしていないクローズの特徴です。端的に言えば、ファッション誌の良いとこどりをしたクローズ。しかし、そこからイメージされるのは、育ちの悪さのみという悲しい現実。ラブレスをはじめとするこのグループは明確に、ファッション感度の高い人々から、そっぽを向かれつつある理由を考えなければいけない時期にさしかかっています。
趣旨がずれました。では速やかにラブレスを素通りして、対面にある藤井大丸に向かいましょう。藤井大丸とは、大丸京都店とは全く関係のない百貨店であり、西日本ではじめてのマクドナルド一号店(1972年7月)が出来た場所でした。ここも数年前に衰退の一途を辿ろうとしていました。そして、やって来た救世主が、ジョン・ローレンス・サリバンと、ステュディオスです。
女性にとって見逃してはいけないドメスティック・ファッションが集まるステュディオス。ここには抜き身の刀のような鋭い若い感性を迸らせている販売員の方々が控えています。こここそが、あなたのファッションのリトマス試験紙なのです!ここの販売員を御しえるならば、あなたは立派なファッショニスタです。それほどに、ストラディバリウスの・・・いや違う!ステュディオスの販売員は、勉強熱心であり、販売と給与の直結に対する情熱は果てしなく、それは明確によい結果を生んでいるのです。一方、ストラディバリウスは完全に名前負けしている置物のような販売員がいるファストクローズ・ショップです。
ステュディオスのような環境でこそ、冷静にそこにある商品の品質を知る大切さも養われます。ここには確かにすばらしい宝物があります。そして、たしかにとんでもないガラクタも存在します。優れたファッション・スカウターを持つ販売員と触れ合うことによってのみ、ファッション感度は高められます。
一方、京都のビームス、シップス、エディフィス。すっかり、ミニマルなアイテムに飲み込まれ個性を失った3つの元祖セレクト・ショップ群。何よりも販売員の方々に覇気がありません。アパレルという名の怪物に若さを食いちぎられているような販売員とはこれらのショップの販売員のことを指します。さぁ、考えて見ましょう。ステュディオスの活気溢れる販売員の方々との違いは何でしょうか?情熱的でなくて、何がファッションなのでしょうか?死体袋のような置き物と化した販売員になぞ、存在価値はありません。