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【セルジュ ルタンス】ユヌボワノワール(クリストファー・シェルドレイク)

クリストファー・シェルドレイク
クリストファー・シェルドレイクセルジュ・ルタンスブランド調香師香りの美学
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ユヌボワノワール

原名:Une Voix Noire
種類:オード・パルファム
ブランド:セルジュ・ルタンス
調香師:クリストファー・シェルドレイク
発表年:2012年
対象性別:ユニセックス
価格:不明

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ビリー・ホリデイのガーデニアの香り


パレ・ロワイヤル本店限定の香り「ユヌボワノワール」は、フランス語で「ブラック・ヴォイス」の意味です。この香りは、ジャズ・シンガー・ビリー・ホリデイと彼女のトレードマークとして左耳の後ろにつけていたガーデニアを主役に据えた香りです。

それは30年代から50年代のジャズシーンをイメージさせるタバコとラム酒が、ガーデニアと交差する香りです。そして、その中にストロベリーがまるで「奇妙な果実」であるかのように現れるのです。

セルジュ・ルタンスはこの香りについて「ビリー・ホリデイの生涯を香りにしたものです」と答えています。それはつまり、1915年4月7日に生まれ、1959年7月17日に僅か44歳の若さで死去した女性ジャズ・シンガーの香りなのです。

15歳の父親と13歳の母親の間に生まれたエレオノーラ・フェイガンは、父親に捨てられた売春婦の母親にもやがて育児放棄され、1925年に孤児院に入れられます。それは、セルジュ・ルタンスの境遇と似た部分があります。

やがて、母と共に生活するようになっていたエレオノーラは、1926年クリスマスイブに近所の男性に強姦され、11歳で処女を喪失します。更に、29年には、母と共に売春行為により逮捕されてしまうのです。

この香りのトップノートは、この破天荒な10代の地獄の季節をテーマにしているのです。

やがて禁酒法時代のハーレムの非合法のナイトクラブでジャズ・シンガーとして働くようになったエレオノーラは、再会した父親に男のような外見だとからかわれ、ビルと呼ばれました。彼女は、そんな父親に対する愛憎渦巻く感情から、ビリーという男性名と、父親の姓を組み合わせた「ビリー・ホリデイ」という芸名を名乗るようになったのです。

やがてジャズ・シンガーとして成功の道を突き進むビリーは、黒人としてはじめて白人の楽団(アーティ・ショウ)と競演することになります。しかし、彼女は壮絶なる人種差別に苦しめられることになりました。

そして、1939年にリンチにあって虐殺され、木に吊りさげられた黒人の死体を揶揄した「奇妙な果実」を人種差別が渦巻く時代に、プライドを持って歌い続け、ビリー・ホリデイはスターの地位を手にしたのでした。

このスター街道を直走る季節が、この香りのミドルノートです。

しかし、頂点に登り詰めた彼女のその後の人生は、麻薬中毒とヒモ男、逮捕と服役といった不幸に付きまとわれます。肉体も精神もボロボロになりながら、1954年に遂に初めてのヨーロッパツアーを成功させ、念願を果たしたビリー。

ラストノートは、成功の後の不幸の末の死と、その後に不滅の存在になった永遠の季節をテーマにしています。

そんな波乱万丈な女性の人生をガーデニアに託した香りは、クリストファー・シェルドレイクにより調香されました。

香水データ

香水名:ユヌボワノワール
原名:Une Voix Noire
種類:オード・パルファム
ブランド:セルジュ・ルタンス
調香師:クリストファー・シェルドレイク
発表年:2012年
対象性別:ユニセックス
価格:不明


シングルノート:ストロベリー、ジャスミン、ガーデニア、ラム、アイリス、ローズ、タバコ、バニラ、アンバー

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