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ローゼズ オン アイス|他人を酔わせるヘンドリックスジンの香り

キリアン
©KILIAN PARIS
キリアン
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ローゼズ オン アイス

原名:Roses on Ice
種類:オード・パルファム
ブランド:キリアン
調香師:フランク・フォルクル
発表年:2020年
対象性別:ユニセックス
価格:50ml/33,000円
販売代理店ホームページ:ラトリエ デ パルファム

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肌の上で溶けない氷を作り出したい。

©KILIAN PARIS

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フレグランスの名前は、オペラや演劇で言うところの題名であり台本です。そして、調香師は私にとっての演者です。彼らと協力して、私が伝えたい感情を表現するための方法を模索するのです。

そのためにまず最初に、3~7つの香料を見つけることからはじめます。そして、香水を組み立てていきます。それはモーツァルトが言うところの「私はお互いを愛する小さなメロディーを探しています」ということなのです。

キリアン・ヘネシー

日本においてもファッション感度の高い男女のみならず、より一般的なラグジュアリー・フレグランス・ブランドとして定着しつつある「キリアン」。このブランドの創業者であるキリアン・ヘネシーはその苗字が示す通り、世界最大のコニャック生産企業ジャズ・ヘネシー&カンパニーの創設者であるリチャード・ヘネシーの子孫です(1987年にルイ・ヴィトンと合併し、モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン(LVMH)となる)。

そんなヘネシー一族の貴公子である彼が、自身のルーツであるコニャックとジンを題材にしたコレクション『ザ リカーズ』をローンチしました。2020年10月16日に発売されたこのコレクションは二つの香りから成ります。そのうちのひとつ「ローゼズ オン アイス」=〝氷の上の薔薇〟は、フランク・フォルクルにより調香されました。

全く新しい領域に到達したいと考えたキリアン・ヘネシーは、いつか一緒に作品を生み出したいと考えていた、今まで一切接点のなかった調香師をあえて選びました。そして、18ヶ月の歳月をかけこの香りを創造しました。

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世紀末に、43歳の女性が生み出し、ジン業界に衝撃を与えたジン。

©Hendrick’s

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妻(エリザベス・ジョーンズ・ヘネシー)が、ライムを搾り、オン・ザ・ロックでよく飲んでいるヘンドリックスというジンの香りで、新しい香りを作ろうと考えました。そして、私はこの飲料について掘り下げてみました。そして、二つのことを知りました。1)ヘンドリックスは創業者の名ではないということ。2)キュウリ(キューカンバー)とローズをジュニパーベリーと一緒に蒸留するというアイデアを思いついたローズ・ガーデンの庭師の名から取ったということ。

そして、フランクにより正確なキュウリの香りを生み出せないか確認したところ(通常キュウリからは香料が抽出できない)、フィルメニッヒ社の STT (smell the taste)という新しいテクノロジーを紹介してくれたのでした。このテクノロジーによって、キュウリのみずみずしい香りを再現することに成功したのでした(この技術ははティエリー・ミュグレーの「エンジェル」に触発され生み出された)。

キリアン・ヘネシー

ここでまずヘンドリックスジンについて説明してゆきましょう。

それはレスリー・グレイシー(1956-)という一人の科学者の女性が、蒸留家として、数々の斬新な工夫を凝らし生み出した、『ジン革命』をもたらした極上のプレミアムジンです。

実にユニークな味わいを実現するために、11種類のボタニカル(ジュニパーベリー、キャラウェイシード、アンジェリカ、カモミール、エルダーフラワー、オレンジピール、コリアンダー、レモンピール、オリスルート、キュベブベリーズ(Cubeb)、セイヨウノコギリソウ)を独自にブレンドし、さらにブルガリア産のダマスクローズとオランダ産のキューカンバーを浸漬することにより仕上げられた、スコットランドのジンとして、1999年に誕生しました。

この11種類のボタニカルの独自ブレンドというのが、このジンの肝であり、1860年に製造されたベネット社の銅製ポットスチルと1948年に製造されたカーターヘッドの銅製ポットスチルの二種類の蒸留器を使い、じっくりと蒸留し、秘密の比率でブレンドされます。

この一見非効率的な工程を経て生み出されるジンは、爽やかで他に類を見ない香りが特徴です。

2003年度サンフランシスコ・スピリッツ・コンペティションで金賞を受賞。また同年、アメリカのウォール・ストリート・ジャーナルにて「世界のベストジン」にも選ばれ瞬く間に話題になり今に至ります。

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他人を酔わせるヘンドリックスジンの香り

©KILIAN PARIS

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宝石を砕いたような煌めきと共に弾けるライムと共に、朝の光を想わせるみずみずしい〝キュウリ=キューカンバー〟が現れます。このライムグリーンのクラッシュドアイスの中に、ジュニパーベリーのハーブのエキスが注ぎ込まれ、素肌の上でフルシェイクされていく情景からこの香りははじまります。

実に興味深いのは、このカクテルは最初に、うんざりするほどのキュウリの香りに包まれるのですが、素肌の上でお披露目されるジン・オン・ザ・ロックの失敗作と成功作の差が激しいということです。素肌のコンディションや環境にこれほど左右される、繊細な香りはなかなかないでしょう。

だからこそ、成功作が素肌の上で飲み干された日には、うっとりするほどのピュアなローズが咲く冷たいジンの余韻に浸ることが出来るのです。この香りの醍醐味は、ドキドキしながら、ローズが咲くかどうかという成功と失敗を待ち侘びる緊張感にあるのです。真のエレガンスとは、大きな失敗も大らかに受け入れる心なのですから。

まさにキレのある喉ごしを肌で受けとめていくような、心の澱みが洗い流されていくようなフレッシュな感覚に満たされてゆきます。キリアンがキリアンたる所以は、ただフレッシュではなく、このうえなくロマンティックな、何かに〝酔わされる〟期待感を感じることが出来るところにあります。

キリアンのリキュール系の香水には、大人の女性を冒険に誘う、まるでハイヒールに足を通す時、足に力が加わって足首やふくらはぎがキュッと格好よく引き締まるような感覚を感じることが出来るのです。

そんな背筋がすっと伸びるような心持ちの中に、ピュアなローズウォーターがジントニックに注ぎ込まれてゆきます。まさに素肌の表面に薄氷が張るような、そんなひんやり感がうみだされてゆきます。

この香りの面白さは、(ムエット上では感じることが出来ない)肌の上で感じるヘンドリックスジンの蒸留の過程にあります。それは肌の上に生み出されていく、溶けない氷のような感触です。

やがてヘンドリックスジンの真骨頂である〝ローズガーデンで、キューカンバーのサンドイッチを食べながら、アロマティックなジンのミストシャワーを浴びる〟ような、ローズジンの至福の余韻で満たしてくれるのです。

ロックグラスを彷彿とさせるアールデコ調のボトルデザインは、最高級のバーで過ごす至福のひとときを想わせます。

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人によってはこの写真の通りになってしまう香り

人によっては、この写真そのままの香りになってしまうので、危険な香りとも言えます。

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香水データ

香水名:ローゼズオンアイス
原名:Roses on Ice
種類:オード・パルファム
ブランド:キリアン
調香師:フランク・フォルクル
発表年:2020年
対象性別:ユニセックス
価格:50ml/33,000円
販売代理店ホームページ:ラトリエ デ パルファム


トップノート:キュウリ、ジュニパーベリー、ライム
ミドルノート:センティフォリアローズ
ラストノート:ムスク、サンダルウッド