特報!2020年2月27日ルイ・ヴィトン新作フレグランス発売!

【ミキモト】ミキモト オード パルファム(フランク・フォルクル)

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全てにおいて衝撃的な香水

MIKIMOTO EAU DE PARFUM

まずこの香りについての詳細を記載する前に、一つの衝撃的かつ、日本のラグジュアリー・ブランドのフレグランスに対する認識の甘さ(ある意味、冒涜とも言える)を象徴する出来事についてここで包み隠さずに記しておこう。

恐らく、日本国内には、まともなフレグランス・メディア(批評精神のない、提灯記事ばかり)は存在しないのかもしれない。だからこそ、こういった出来事について記載されることはほとんどなかったのだが、カイエデモードはそこまで甘くはない。

香りから批判的な精神が失われたならば、そこに残るのは、有閑マダム達が集まり、高いものならどんなものでも絶賛する「ブランド崇拝」が繰り広げられるのみだ。

ミキモトのファースト・フレグランスは、その販売において、膨大な宣伝費を使い、芸能人を招きイベントをするという、多くのニッチフレグランスが言及している、最も忌まわしきフレグランス販売のパターンを今更ながら再現しているにも関わらず、最も重要なことは何一つしていないという点において、典型的です。

要点を述べよう。

  1. 3万円以上するこのフレグランスに対して、店頭にはその価値を知る販売員は、存在せず、まともな説明も出来ていない。そして、まともな資料も存在せず、トレーニングも行われていない。
  2. 直営店でこの香りを嗅ぐときに、まず最初にあなたは、ケースの中から取り出されるムエットを手渡しされるでしょう。そして、当然の如く、つけたての香りを確認したいと願うとき、もしくは直接手首につけてみたいと望むときに、販売員は、テスターを持ち店外へと歩いて行き、ムエットに吹きかけるという異様な光景を目撃することになるのです。もし、あなたが手首につけることを望むならば、もちろんあなたも店外に出なければならない。

これは販売員には何一つ責任はありません。なぜなら、今までミキモトではフレグランスを扱ったことはないのですから。そして、ミキモト自体にも責任はない。

ただ、ミキモトはフレグランスというものを冒涜してしまっていることだけは知らなければならない。自分の商品のスペースを汚したくない(もしくは人によっては香りの好き嫌いがあるので香りを広げたくない)と考えるのなら、フレグランス販売隔離スペースを作っておくべきです。

そして、フレグランスに対してその程度の低い認識しか持たないのなら、ミキモトはフレグランスを売るべきではなかった(こういう事実を知ると、CFやローンチパーティーがとても薄っぺらなものに感じてしまいます)。

明らかにこの価格帯のフレグランスを体感しに来るフレグランス愛好家たちをミキモトは完全に見くびってしまっているのでしょう。どこの世界に、盗人のようにこそこそと店舗の外で香りをかける提案をされて、その香りを購入する人なぞいるものでしょうか?

恐ろしいことなのですが、販売員は、この3万円以上もする香りの香料に関して、例えばサンダルウッドなら、オーストラリア産かどこのものかも全くトレーニングされていないのです。

例えば、彼らは真珠についてどういう説明をしているのでしょうか?間違いなく産地、養殖、加工も含めミキモトパールの素晴らしさについてパーフェクトな説明をしていることでしょう。

しかし、フレグランスに関しては、全く説明を受けていないフランク・フォルクル(ミキモトの店舗にある説明パネルにはフランク・ヴォークルと記載。基本どちらでも良い)という調香師の背景も何ひとつ知らずただ「“真珠”をイメージした神秘的なフローラルノート」と、伝えているのです。

私はこの香りから、神秘性は何一つ感じなかったのですが、ミキモトのフレグランスに対する姿勢には強烈な神秘性を感じたのでした。

表参道と銀座のメゾン・ディオールの日本史上最低ランクのフレグランス販売さえも、素晴らしく見えてしまうほどに、お粗末極まりない、近年稀に見る、ある意味フレグランス販売の常識を覆した販売方法を、ミキモトは始動させたわけです。

「店内が、この香りで汚されるといけないので、ドアの外でテスターを吹きかけますね」さぁ、東洋の神秘に触れてください。

パールに香りをつけたならば・・・


2020年1月25日(土)より発売されたこの香りは、ミキモトのブランドの歴史を香りで表現したミキモト初のフレグランスです。オリエンタル・フローラルの香りは、フィルメニッヒ社のフランク・フォルクルにより調香されました。

ここで簡単にミキモトの歴史について触れておきましょう。1905年に世界で初めてアコヤ貝による養殖に成功した御木本幸吉が、遡ること6年前の1899年3月に、銀座に御木本真珠店を創立したことから「キング・オブ・パール」伝説がはじまるのでした。

1000個の貝の中に、1個あるかないかの大変希少で高価な天然の真珠という偶然の産物を、養殖することにより「海のダイヤモンド」と呼ばれる女性にとって憧れの宝石に変えた御木本は、そのノウハウを進化させ、1951年には、三重県鳥羽市に御木本真珠島を開業するのでした。

御木本の死後、1986年には、パリ・ヴァンドーム広場に日本唯一のハイ・ジュエラーとして店舗を構えることになり、名実共に、日本最高峰のジュエリー・ブランドの地位に君臨することになりました。

つまりこの香りは、真珠の世界においてのみならず、ハイジュエリーの世界において頂点の一角に君臨するミキモトが初めて生み出した、記念碑的な香りなのです。

菊池寛の「真珠夫人」を読むべきでしょうか?グレープフルーツ、シチリアンレモン、ベルガモットといった柑橘系からはじまるトップノートに、真珠が養殖されている海の世界を感じさせるシーノートが加わり、ヴィーナスの誕生のような、何かが誕生する期待感を香りが運んでくれます。

やがて、アイリスとマグノリアによるフローラルな香りが現れ、それは女性の頬に塗りこめられたファンデーションが一筋の涙により、放物線を描くような閃光に包まれます。

真珠は塩水から生まれる宝石です。ソルティ・フローラルな香りは、ラストにおいて、サフランとサンダルウッドにより、乳白色の甘さで余韻を生み出すのです。

このフレグランスのクリエイティブ・ディレクターをつとめるレイモンド・マッツという人は、ブルックリンでアラミスの香水カウンターの販売員からキャリアをスタートした人です。そして、フィルメニッヒ、IFFのフレグランス・エバリュエータを経て、1991年から1996年までエリザベス・アーデンのマーケティング部門最高責任者、1996年12月から2006年4月にかけてエスティローダーのフレグランス部門の副社長になります。

そんな彼がフランク・フォルクルの調香をプロデュースし、生み出したのがこの香りなのです。しかし、どうせなら、大沢さとり様に調香を依頼しなきゃだめでしょと考えたのは私だけでしょうか?


ちなみにボトルデザインは、横から見るとこのような形である。はっきりいって持ちにくい、野暮ったい、高級感がないのないないづくしのデザインです。

このボトルのデザインをしたランス・マックレガーという人は、2005年から2006年にかけて、MACの主任インダストリアル・デザイナーをつとめ、その後、ジョー・マローン・ロンドンのために「レア ティー コレクション」のボトルデザインなどをした人です。

日本でこの香りは、銀座4丁目本店、銀座2丁目店、横浜ランドマーク店、Salon de MIKIMOTO 名古屋、大阪梅田店、大阪心斎橋店でのみ販売されています。

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3万円の価値があるかと問われると・・・

香りについて何も知らない販売員から購入することに抵抗がない、ブランド至上主義者ならば、「ミキモトの香りよ」と所有したいものでしょう。

しかし、本当に良質なフレグランスに触れ合っている人が、この香りを嗅ぐと、一流のクリエイターによる作品ではないなと感じるはずです。かつて、ブルガリのために生み出されたジャン=クロード・エレナの「オ パフメ オーテヴェール」やマチルド・ローランによる「レズールドゥカルティエ」といったハイジュエラーのために生み出された香りに比べると遥かに独創性の欠ける平凡な作品だと言わざるを得ません。

香水データ

香水名:ミキモト オード パルファム
原名:Mikimoto Eau de Parfum
種類:オード・パルファム
ブランド:ミキモト
調香師:フランク・フォルクル
発表年:2020年
対象性別:ユニセックス
価格:75ml/33,000円


トップノート:グレープフルーツ、オレンジビガレード、シチリアンレモン、ベルガモット、シーノート
ミドルノート:アイリス、マグノリア
ラストノート:龍涎香、サフラン、沈香、サンダルウッド

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