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【トム フォード】プラム ジャポネ(ヤン・ヴァスニエ)

トム・フォード
©TOM FORD
トム・フォードブランドヤン・ヴァスニエ調香師香りの美学
この記事は約4分で読めます。

プラム ジャポネ

原名:Plum Japonais
種類:オード・パルファム
ブランド:トム・フォード
調香師:ヤン・ヴァスニエ
発表年:2013年
対象性別:ユニセックス
価格:50ml/30,800円

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「シルクロードに実る日本の梅の香り」

©TOM FORD

アジアのエキゾチックなテイストは、それが多文化の美と融合したときに、予想もつかない美を導き出してくれます。

私にとってこれはプライベート ブレンドの真髄のようなコレクションです。

トム・フォード

トム・フォードプライベート ブレンド コレクションから2013年に発売された『アトリエ・ドリアン(Atelier d’Orient)コレクション』の4種類(「フルール ド シーヌ」「シャンハイ リリー」「リーヴ ダンブル」)のうちのひとつとして「プラム ジャポネ」は発売されました。

「プラム ジャポネ」は、「日本の梅」からインスパイアされたエキゾチックな香りです。ヤン・ヴァスニエにより調香されました。この香りが実に風変わりなのは、トム・フォードの「シルクロードに実る日本の梅の香り」を作って欲しいという要望からも伺えます。

その要望は、まさにトム・フォードが箸を使って、畳の上に正座し、梅干を食べる姿が想像できないくらい、非現実的なものでした。

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ゴッホの描いた油絵の梅の香り

ゴッホ「花咲く梅の木」1887年

トム・フォードが日本に向けてではなく、世界に向けて生み出した〝梅の香り〟は、オリエント(東方)を象徴する3つのスパイス(カルダモン、サフラン、シナモン)に蜂蜜のように甘いイモーテルが溶け合うようにしてはじまります。

すぐにさわやかな甘さと酸味とダークなニュアンスを併せ持つ梅(プラム)が登場し、香りをスパイシーからフルーティーへと方向転換させてゆきます。この香りのテーマである日本を象徴する素材と異文化の素材の〝香りの異文化交流〟のはじまりはじまりです。

ゆっくりと幻想的にスモーキーなアガーウッド(ウード)とベンゾインがブレンドされる中、酔わせるように梅酒が注ぎ込まれてゆきます。かくして、甘露なる梅の香りのするお香にすべてが包まれてゆくのです。

やがて、ドライダウンにおいて、トム・フォードが描き出したかった梅の木が、歌川広重の浮世絵ではなく、ゴッホが模写した油絵であることを知るのです。

力強いアンバーとバニラ、バルサムモミ(樹液)により、梅は木の香りと共に、欧米人向けの和菓子のような甘さを伴った〝赤い長襦袢からのぞく白い脚〟のような官能の余韻を残してくれるのです。

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五社英雄の〝日本の官能ものがたり〟の香り




この香りは、まさに非現実的な日本の和の香りなのです。それは祇園の花魁道中、もしくは、大奥で催される梅見園遊会の香りとでも申しましょうか、または映画でたとえるなら、五社英雄が生み出した『鬼龍院花子の生涯』『陽暉楼』『吉原炎上』の世界観の表面をスプーンですくったような〝日本の官能ものがたり〟の香りがします。

「一晩いくらのこの身体、すっきり抱いてくださいな。」「女は競ってこそ華、負けて堕ちれば泥。」そして、「なめたらいかんぜよ!」この三つの言葉の世界観が濃縮された香りなのです。

いかにも和風な香りを着物と組み合わせるのも良いのですが、こういった変化球な和の香りを着物と組み合わせるのも、大人の女性の遊び心があって楽しいものです。

最後にこの香りのテーマは「香りは嘘をつきます」です。そして、その香りに導かれてあなたの心も、その嘘の世界に飛び込んでいくのです。欧米人が妄想するジャパニーズ・ビューティーを体現してやろうじゃないかと、腕まくりする香りなのです。

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香水データ

香水名:プラム ジャポネ
原名:Plum Japonais
種類:オード・パルファム
ブランド:トム・フォード
調香師:ヤン・ヴァスニエ
発表年:2013年
対象性別:ユニセックス
価格:50ml/30,800円


トップノート:サフラン、ラオス産シナモン
ミドルノート:ジャパニーズ・プラム、プラム・ブロッサム、イモーテル、カメリア(椿)、リカー、サイプレス
ラストノート:アガーウッド(ウード)、アンバー、ラオス産ベンゾイン、バルサムモミ、バニラ

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