作品名:バーバレラ Barbarella(1968)
監督:ロジェ・ヴァディム
衣装:パコ・ラバンヌ/ジャック・フォントレー
出演者:ジェーン・フォンダ/アニタ・パレンバーグ/ジョン・フィリップ・ロー/マルセル・マルソー/デヴィッド・ヘミングス
東映特撮ヒロインの源流
バーバレラ・ルック3 ファイティング・コスチューム
- スパンコールトップス
- シルバースパンコールのケープ
- ワイド・シルバースパンコールベルト
- Tバック
- ブラック&シルバー・ゴーゴーブーツ、海賊風
- ブラック・ネットボディストッキング
コスチューム・デザインは、3人のデザイナーによって行われました。ジェーン・フォンダが演じるバーバレラの衣装を、パコ・ラバンヌ(1934-)が担当しました。1966年に自身のメゾンをパリでオープンし、この頃から、ロジェ・ヴァディムと出会い交流を深めていました。そして、金属、紙、プラスチックなどを使用した前衛的な〝着ることのできない12着のドレス〟を発表しました。
他の主要登場人物のファッションは、ジャック・フォントレー(1928-2013)が担当しました。彼は、後に『ボルサリーノ』(1970)『ラムの大通り』(1971)『地獄の貴婦人』(1974)『友よ静かに死ね』(1977)『007 ムーンレイカー』(1979)の衣裳デザインも担当し、ロミー・シュナイダーに愛されたデザイナーでした。
そして、全体的な衣裳のスーパーバイザーとして、中世の衣裳デザインを得意とするグロリア・ミュゼッタが雇われています。彼女は『エル・シド』(1961)『北京の55日』(1963)『ローマ帝国の滅亡』(1964)『じゃじゃ馬ならし』(197)『カサノバ』(1976)『カリギュラ』(1979)の衣裳デザインも担当しています。
アニマル・コスチュームの元祖
バーバレラ・ルック4 スカンク・ルック
- ノースリーブのファー・トップス
- ファー・ジャケット、尻尾つき
- シルバーブーツ
今の感覚からすれば『バーバレラ』はスローに感じられる(当時でさえ、スローだという批判は多かった)。だが私には、お粗末な効果と形にとらわれない見え見えのユーモアがこの作品に独特な魅力を与えているように思える。
ジェーン・フォンダ
ヴァディムの飲酒癖はひどくなる一方で、一滴も飲まない期間が何週間も何ヶ月も続いたかと思うと、一転して崩壊に向かい出すような事態に陥った。撮影の途中でありながら、ランチに酒を飲み始め、こうなるともう予測がつかなくなった。酔いつぶれはしなかったが、言葉は不明瞭になり、時には監督としてまともな指示すらだせなくなった。未だにこの作品のあるシーンを見ると、あの頃の辛さが昨日のことのようにこみ上げる。そして怒りは、ますます激しくなる!
ジェーン・フォンダ