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【トバリ】アイアン ウィンド(トバリ)

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その他その他ブランド調香師香りの美学
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アイアン ウィンド

原名:Iron Wind
種類:オード・パルファム
ブランド:トバリ
調香師:不明
発表年:2018年
対象性別:ユニセックス
価格:50ml/13,200円、100ml/16,500円

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不可能を可能にすべく、鋼鉄の鎧を身にまとい〝出陣〟に臨む。

隆大介が黒澤明監督の『影武者』の中で演じた織田信長は、〝史上最高の信長〟と言われています。

信長の戦術家としての特色は、必要な時期と場所に最大の人数を迅速に集結させ、不利とみればあっというまに引き上げてしまう。戦法はナポレオンに似ている。

天正3年5月の暮れ、信長、三河の長篠で武田勝頼の大軍と合戦し、故信玄の大軍団を完膚なきまでに破る…信長の考案した「一斉射撃」という世界史上最初の戦法の前に砕け去る。

『国盗り物語』司馬遼太郎

1575年に創業し、1965年に線香「青雲」のヒットにより、翌年より社名を日本香堂に改めた線香製造メーカーが2018年に生み出した日本発の香水ブランドそれが『TOBALI トバリ』です(2016年には京都・二寧坂に〝香十〟という店舗もオープンしています)。

『TOBALI=帳(とばり)』とは、覆い隠し、秘める布=空間を隔てて見えなくする垂れ絹のことです。谷崎潤一郎の『細雪』の4人姉妹のひとり雪子の持つ〝魅力をひけらかさず、敢えて内に秘める事により、奥ゆかしさの中から美は昇華する〟という、日本女性の独特の感性が導き出した〝秘める美〟をテーマとして2018年に一挙5作品が発売されました。

全ての香りに共通したベースノートとして「Hidden Japonism 834(合成ウード)」が使用され、〝色気と知性〟〝強さと情愛〟〝気品と狂気〟など、相反するイメージが表現されています。すべての作品は、クリエイティブデザイナー(ディレクター)の米津智之氏により生み出されています。

そのうちのひとつ「アイアン ウィンド」は、戦国時代の風雲児・織田信長(1534-1582)に捧げられた香りです。鋼鉄の鎧をまとい自ら先陣に立ち、疾風のように戦場を駆け抜け、天下人となるも、世紀末覇者になる寸前に、味方(明智光秀)の手にかかった悲劇の武将。

〝強さに秘める情愛〟がテーマのこの香りは、室町時代後期に、一地方領主の嫡男として生まれ、規格外のスケールの大きな考えと行動力により、群雄割拠の戦国時代の日本において、天下統一を果たした〝魔王〟織田信長がその中心に立っています。

圧倒的な強さと残忍さ(天正2年(1574年)正月の酒宴で浅井久政・長政父子と朝倉義景の3人の頭蓋骨に金箔と漆を塗り酒宴の肴として披露した)を持ち、一方で、情愛の深さも持ち合わせていたという稀代の英雄の香りです。

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肌の上で壮大なる〝香りの戦国絵巻〟が再現されます。


『人間五十年、下天の内をくらぶれば、夢幻の如くなり』さあ、出陣の時が来ました。肌の上で舞うが如く、二つのスパイス=クミンとサフランが、肉体と精神に宿るすべての力を導き出すように激しく咆哮するように香り立ちます。

それは、まるで6倍の敵との戦いに挑む、桶狭間の合戦の前に舞いし信長のように、一筋の光陰のようなクローブが不可能を可能にする決意の表れのように解き放たれるのです。

すぐにサフランに導かれ、アガーウッド(ウード)が戦いの中の高揚感を生み出す中、ムスキーなアンブレットシードが、パウダリーなアイリスとヴァイオレット・リーフと結びつき、悠久の調べを奏ではじめるのです。

やがてインセンスとシダーが肌の上に壮大なる歴史絵巻を再現するように香り全体に滑らかな骨太のリズムを与えてゆくのです。そして、勝利の余韻に酔う〝血と汗=鋼鉄とクミン〟の結晶に甘やかに包まれていくのです。

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香水データ

香水名:アイアン ウィンド
原名:Iron Wind
種類:オード・パルファム
ブランド:トバリ
調香師:不明
発表年:2018年
対象性別:ユニセックス
価格:50ml/13,200円、100ml/16,500円


トップノート:クミン、クローブ、サフラン
ミドルノート:アンブレット、アガーウッド、ホット・アイロン、アイリス、ヴァイオレット・リーブス
ラストノート:インセンス、シダー

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