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グレース・ケリー9 『モガンボ』5(2ページ)

グレース・ケリー
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素晴らしいサファリ・スーツ!!

グレースの凛々しさが見事に生かされたサファリ・スーツ。

旦那の、カーキのサファリジャケットにネイビーの白のピンドットのスカーフも粋です。

このサファリスーツはヘレン・ローズによるデザインです。

ポケットに手を突っ込んだトムボーイ・スタイル。

普段着においてもパンツスタイルが好きだったグレースならではの見事な着こなしです。

ワードローブ・テスト。

実際の衣装。

グレース・ケリー・ルック9 サファリスーツ
  • ベージュのウールのサファリスーツ、スエードのエルボーパッチ付き
  • キャメル・レザーベルト
  • 白のブラウス
  • 黒のレースアップブーツ
  • ベージュのピスヘルメット

グレース・ケリーは、2人の初老の男性によって、女を磨きました。それは、『真昼の決闘』(1952)におけるゲーリー・クーパーであり、本作におけるクラーク・ゲーブルでした。そして、後に『ダイヤルMを廻せ!』(1954)のレイ・ミランド、『裏窓』(1954)のジェームズ・ステュアート、『泥棒成金』(1955)のケーリー・グラントへと続いていきます。

オードリー・ヘプバーンもそうなのですが、昔のハリウッド女優が女を磨けたのは、魅力的な中年~初老の男優とのロマンス溢れる役柄によってでした。そして、段々とハリウッドが軽くなっていったのは、そういった年代のスターがいなくなり、年の差の恋愛を、ごく当たり前のように描かなくなったことによってでした。イイ女は、決して同世代の恋愛からは生まれないのです。

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撮影の合間のグレース・ケリー

エルメスのスカーフを頭に巻くサファリ・ルック。

プロモーション・フォト。

クロコダイルの死骸を見つめるグレースのバッグは?エルメス?

本作の唯一のドレスにおけるグレース・ケリーのエレガンスさが、アルフレッド・ヒッチコックのハートに火をつけたのでした。そして、『ダイヤルMを廻せ!』に彼女を抜擢することになったのでした。

彼女のイメージの全ては、すでに本作で完全に作り上げられていたのでした。グレース・ケリーの奇跡とは、一つのイメージに向かってひたすら突き進み、それ以外の可能性がないことを誰よりも本人が知り、映画で作り上げられたイメージをリアル・ライフの中で昇華させていった精神の強さにあるのです。

オードリー・ヘプバーンにしても、ブリジット・バルドーにしても、永遠のスタイル・アイコンと呼ばれる女性に共通する点は、自分の限界を知る潔さにあるのです。それはまたマリリン・モンローにも共通する美徳でした。こうして、グレース・ケリーも映画女優のキャリアを僅か4年半で切り上げ、プリンセスとして生きることに決めたのでした。