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ディプティック

【ディプティック】オー キャピタル(オリヴィエ・ペシュー)

ディプティック
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オー キャピタル

原名:Eau Capitale
種類:オード・パルファム
ブランド:ディプティック
調香師:オリヴィエ・ペシュー
発表年:2019年
対象性別:ユニセックス
価格:75ml/28,270円
公式ホームページ:ディプティック

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ディプティックからの〝ボンジュール・パリ〟

©Diptyque

ディプティックは約60年前にパリで生まれましたが、私たちはこれまでパリの物語を香水で共有してきませんでした。ずっと私たちは香水を吹きかけると異国の地へと誘ってくれる香りを生み出してきました。

そして、ようやくこの美しい街、私たちの生まれ故郷に敬意を表する時が来たのです。今度は、世界中の人々が香水を吹きかけると同時に、パリへ誘われる香りを生み出したのです。

ミリアム・バドー

どんな季節でも、どんな時間帯でも、パリジャン/パリジェンヌがデートのお供に出来るような、人生をセレブレート出来る香りを作ることが今回のテーマでした。ただシックでエレガントなだけでなく、官能的でセクシーな香り、であるならシプレしかないと私は考えました。

オリヴィエ・ペシュー

ディプティックより2020年1月2日に発売された「オー キャピタル」は、ディプティックの故郷であり、フランスの首都(キャピタル)パリに捧げられた香りです。それは今まで、3人の創業者の生まれ育った異国の地や、旅からインスピレーションを受けて香りを生み出してきたディプティックがはじめてパリと向き合った瞬間でした。

ディプティック初のシプレの香りは、オリヴィエ・ペシューにより調香されました。

調香師とクリエイティブ・ディレクターのミリアム・バドーとフランス人イラストレーターのピエール・マリー(パッケージ・デザインを担当。エルメスのスカーフのデザインなどでも有名な人)が共同作業を行い香りのイメージを紡ぎ出しました。

80年代に流行したアニマリックなローズシプレを現代風に解釈した「オー キャピタル」は、永遠に古くならないパリという街の魅力を濃縮したような香りです。

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ディプティックとパリとシプレが交錯した香り

©Diptyque

パリを祝福するフレグランスを作ろうと考えたとき、シプレの香りは当然の選択でした。シプレノートこそが〝香りの黄金比〟を表現することが出来るからです。

それはフローラル、ウッディ、オリエンタル、シトラスといった4つの主要なノートを併せ持つ香りを生み出すことが出来るからでした。つまり伝説的なシプレノートだけが、百もの表情を持つパリにオマージュを捧げる香りを生み出すことができるのです。

ミリアム・バドー

カラブリア産の厳選された最高級のベルガモットが弾ける中、マダガスカル産のピンクペッパーが現れ、まるで何かを祝福するかのように、シャンパンのボトルを開けた時のスパークリング感に包まれるようにしてこの香りははじまります。

すぐに二種類のローズがパチョリと共に花を咲かせます。それは一輪挿しのローズではなく、イランイランに温められた温室のローズガーデンで育てられたローズが一斉にキラキラと開花するような華やかさがあります。そこにピンクペッパーがジャミーさとフルーティーさを加えてゆきます。さらにペッパーと共にクミンが迷い込み、クラシカルなアニマリックなムードを仄かに漂わせてゆきます。

ちなみにここで使用されている2種類のローズはブルガリアのローズオイルと、トルコ産のローズアブソリュートです。そして、パチョリは、LMR(ラボラトリー・モニーク・レミー。2000年よりIFF社の傘下に入ったグラース最高の天然香料会社)により開発された、パチョリの葉を水蒸気蒸留した後、分子蒸留法で精製されたパチョリクールです(甘いおがくずのような香りがする)。

ディプティック、パリ、シプレの3つの要素をひとつの世界に表現しました。

ミリアム・バドー

花の都パリが永遠にあらゆる年齢の男性・女性にとって憧れである理由は、一切ミステリアスさのない所にあります。一度もこの街を訪れたことのない人々にとっても、パリは永遠のエレガンスの都であり、365日中恋する気持ちにさせる街なのです。

つまりは、この香りの秀逸なところは、ローズシプレからミステリアスな要素を一切感じさせないところにあります。そして、ロマンティックであることを最重要に考え、ローズとパチョリが自由を求めて美しいデュエットを奏でているところにあるのです。まさに光の都パリです。

やがて、スパイシーなアキガラウッド、ベチバーのようなジョージーウッド、アンブロキサンといった3つの合成香料が、ベチバーとオークモスのダークさに、モダンな生き生きとした雰囲気も加えて、ローズパチョリを包み込んでゆきます。

オークモスの代わりにパチョリクールと3つの合成香料でネオシプレを表現したこの香りは、ディプティックのアナウンス通り、生き生きとしたシプレです。

フレデリック・マルの「ポートレイト オブ ア レディー」とトム・フォードの「ローズプリック」とよく比較される香りです。

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エッフェル塔と孔雀と薔薇が描かれたイラスト

©Diptyque

©Diptyque

ピエール・マリーが担当したボトルのイラストデザインがとても素晴らしいです。アール・ヌーヴォー様式で、オーバル形のラベルの表面にはエッフェル塔をローズやジャスミン、ベルガモット、パチュリの葉が取り囲むように描かれています。

またラベルの裏面には羽根を広げた孔雀を中心にした独特な世界観が繰り広げられています。

アール・ヌーヴォーはシプレノートが誕生した1917年頃に生まれ、ディプティック創業の60年代に再流行しました。そんな時代の流れを反映した見事なイラストです。

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香水データ

香水名:オー キャピタル
原名:Eau Capitale
種類:オード・パルファム
ブランド:ディプティック
調香師:オリヴィエ・ペシュー
発表年:2019年
対象性別:ユニセックス
価格:75ml/28,270円
公式ホームページ:ディプティック


トップノート:ピンクペッパー、ベルガモット
ミドルノート:ローズ
ラストノート:パチョリ