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【NARS ナーズ】オーディシャス(オリヴィア・ジャコベッティ)

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その他オリヴィア・ジャコベッティブランド調香師香りの美学
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オーディシャス

原名:Audacious
種類:オード・パルファム
ブランド:NARS ナーズ
調香師:オリヴィア・ジャコベッティ
発表年:2019年
対象性別:女性
価格:50ml/20,900円
公式ホームページ:NARS

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フランソワ・ナーズという男

「オーディシャス」は2014年から発売されているリップの名です。

フランソワ・ナーズ、現在60歳。

NARS(ナーズ)が25周年を記念して初めて生み出した香り「オーディシャス」。「オーディシャス」とは、英語で「大胆な」という意味です。

1980年代から90年代にかけてスーパーモデルブームがファッション業界を席巻しました。そして、ヴォーグにおいて天才フォトグラファー、スティーヴン・マイゼルが三人のミューズ(クリスティー・ターリントン、ナオミ・キャンベル、リンダ・エヴァンジェリスタ)を従え大活躍していました。


そのクリエイションを脇から支える二人の天才がいました。一人はヘアスタイリストのオリベ・カナレス。そして、もう一人がメイクアップアーティストのフランソワ・ナーズでした(ローラ・メルシエと同じくパリのカリタ・メイクアップスクール出身)。

NARSとは、そのフランソワ・ナーズにより1994年にニューヨークで創業されたコスメブランドなのです。そして、その歴史はバーニーズ・ニューヨークで発売された12本の口紅(フランソワ自身がモデルに対して最もヘビロテしていた口紅12種類)によりリップパレットに革命を起こしました。

さらに、1999年にオーガズム・ブラッシュを発表し、「赤面したときの頬の艶やかさを再現する」というコンセプトの下で、今までにない発色力と肌の生命感を生み出すチークとして、世界で1分に2個売れるベストセラーとなりました。

そして、2000年に資生堂の傘下に入り、フランソワは更なるマーケティングの拡大を図るのでした。

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二人の女性により生み出された「オーディシャス」

バーバラ・カルカーニ

それはひとりの女性の雇用からはじまります。彼女の名をバーバラ・カルカーニと申します。

メイシーズのランコムのコスメカウンターからキャリアを叩き上げたこの女性は、エスカーダ、クロエ、ラガーフェルドのフレグランスに関わった後に、カルバン・クライン・コスメで9年間グローバル・マーケティングの責任者(1994-2003)をつとめました。

その後、ヴィクトリアズ・シークレット・ビューティーの商品開発本部長(2003-2007)を4年間つとめ、2008年にNARSのグローバルマーケティング本部長に就任し、NARSの世界展開を見事に軌道に乗せ、2015年に最高責任者となり今に至るのでした。ちなみに彼女自身はナルシソ・ロドリゲスのフォーハーを愛しています。

フランソワ・ナーズとバーバラがNARS25周年に向けて、その一年半前から開始したプロジェクトが、はじめてのフレグランスだったのです。二人が、このフレグランスに求めるものはただひとつでした。

それは「今まで存在しなかったような香りを生み出したい」ということでした。そして、その想いを託すに値する調香師は、オリヴィア・ジャコベッティ以外には存在しないという答えに到達したのでした。

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タヒチの楽園は、肌で感じてみないと実感できない


この香りは、NARSのコスメと同じように、ボラボラ島のすぐ近くにあるフランソワ・ナーズのプライベートアイランド・モツタネ島(美の神の島の意味)とタヒチをテーマの中心に据えています。

それでいて、南国のカラフルなイメージを全て排除するというとんでもないアプローチで世界有数のメイクアップ・ブランドに相応しい香りを創造することにしたのでした。

それはメイクアップからカラーを削ぎ落としたら何が残るのだろうか?そして、南国から青い海と空、カラフルな花々が失われる「モノトーンに支配される夜のタヒチ」をテーマにしたらどのような香りが生まれるのだろうか?という発想から生まれた香りでした。

まずジャコベッティは、ココナッツオイルにティアレ・フラワーを漬け込んで作るタヒチの伝統的な香油モノイオイルの香りを中心に配置することにしました。

私の念願はフレグランスを作ることです。ただし、私はその愛が強いものに対しては決して妥協しません。だから、まだ私はフレグランスを作らない。

私自身の香りの好みは、少し変な香り、いいとこ取りしたような香りです。ホワイトフローラル、ムスク、スモーキーな香りがとても好きです。いつかオーガズムのためのフレグランスを作りたいと願っています。

フランソワ・ナーズ(2011年)

フランソワ・ナーズ念願の香りは、フランジパニ(プルメリア)をほのかに包み込むスモーキーさからはじまります(白と黒のコントラスト)。そこにクリーミーなティアレ・フラワーとイランイランが加わり、スモーキーなお香と共鳴するサンダルウッドと共に、官能と静謐さの見事なコントラストを生み出していきます(光と影のコントラスト)。

決して甘くならず、スモーキーにもならず・・・やがて香りがドライダウンするにつれ、シダーウッドとホワイトムスクに香り全体が包み込まれ、心地よさと、温かさと、官能のムードの中で、この香りは、太陽直下に「真っ白に燃え尽きて」イクのです。

この香りの本当の名は、やはり「オーガズム」なのでしょう。

2019年10月23日に発売されたこの香りは日本においては、伊勢丹新宿店、阪急うめだ本店、公式オンラインサイトでのみ限定発売されています。

ボトル・デザインは、ファビアン・バロンによるものです。

最後に、この香りほど、ムエットというものが信用に値しないものはありません。ムエットにこの香りをつけた所で、感知できるのは、分泌液のような生臭い甘さです。ただし、肌に乗っけてみると、NARSというブランドがどこまで本気でこの香りを生み出したのかが理解できます。

しかし、残念ながら、例のごとく、わざわざ限定した店舗で販売されているにも関わらず、フレグランスについての理解が全くない販売員のお粗末な説明を聞かされることは覚悟してください(本当に、この会社はフレグランスを販売するためのトレーニングさえも行わずに商品を売るという、お客様に対する背信行為をいとも簡単にやってのけるのです。それはまるでNARSが好きなら、四の五の言わずにフレグランスを購入しなという気持ちの表れともいえます。)。

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香水データ

香水名:オーディシャス
原名:Audacious
種類:オード・パルファム
ブランド:NARS ナーズ
調香師:オリヴィア・ジャコベッティ
発表年:2019年
対象性別:女性
価格:50ml/20,900円
公式ホームページ:NARS


トップノート:フランジパニ、インセンス
ミドルノート:イランイラン、ティアレフラワー、サンダルウッド
ラストノート:シダー、ホワイトムスク

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