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キリアン

【キリアン】アンバー ウード(カリス・ベッカー)

キリアン
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アンバー ウード

原名:Amber Oud
種類:オード・パルファム
ブランド:キリアン
調香師:カリス・ベッカー
発表年:2011年
対象性別:ユニセックス
価格:日本未発売

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一瞬で燃えるように恋に落ちたアンバーとウードの物語

©Kilian

ダークなウードの動物的な資質を取り入れ、マダガスカル産バニラとラオス産ベンゾインを過剰に摂取して豊かさを加えることによって、従来のアンバーを脱構築/再構築することが目的でした。

アトラス産のシダーウッドは、バルサムノートのバランスを保ちながら、この香りの骨組みを作り上げていきます。最後に、ベイラムツリー(ベイリーフ)エッセンスのスパイスが、フェルメールの絵画に見られる光のように、このオリエンタルの香りの構図に光をもたらしてくれます。

カリス・ベッカー

キリアンからオリエンタル・ゴールドと呼ばれるウード(沈香)とゴールドをテーマに発表された「千夜一夜物語(アラビアン・ナイト)」コレクションの第四弾として、2011年に発売されたのが「アンバー ウード」です。カリス・ベッカーにより調香されました。

シリーズ最高傑作と呼ばれるこの香りは、お互いに相性の良い配偶者がいるアンバーとウードが、或る冬の日に出会い、ベンゾインとバニラの温かな空気に包まれながら、一瞬で燃えるように恋に落ちてしまう〝禁断の安らぎに満ちた〟香りです。

ギリシア神話に登場するヘーリアデス(太陽神の娘たち)の涙の物語からこの香りはインスパイアされたとキリアン・ヘネシーが言及しています。

その物語は、ゼウスにより亡き者にされた弟に対し、4ヵ月間ずっと嘆き悲しんでいるうちにポプラの木になり、その涙が琥珀(アンバー)になり、それがエーリダノス川に落ち、ローマの花嫁の装飾品として使われるようになった…

そう、悲しみから生まれたからこそ、琥珀(アンバー)は、喜びと祝福の瞬間にもっとも美しさを増してゆくのです。

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ウードの香りがしない『奇跡のウード』


きらめくアンバーが黄金に輝いてゆく中、ベンゾインとバニラがクリーミーに溶け込んでいくようにしてこの香りははじまります。そこに、苦味と酸味が効いたウードが到来するのですが、ここで時を同じくして現れるシダーウッドとベイリーフがそのウードの特性を絶妙に削ぎ落としてゆくのです。

この香りの魔法の瞬間は、まさにその削ぎ落とされていくウードと酔わせるようなクリーミーアンバーが遭遇する瞬間にあります。それはまるでクリーミーなバニラに溶け込んでゆくアンバーとウードとも言えます。オールスパイスとアニマリックなカストリウムがアクセントとして効いています。

そして、ドライダウンするにつれて、蜂蜜のようにスモーキーなベンゾインとバニラが、アーシィーなシダーウッドと溶け合い、甘美でグルマンなアンバーとして、円やかに肌を通して心に温もりを与えてくれるのです。

ウードのヘビーなイメージを徹底的にライトにしてゆき、ウードの存在をほとんど意識させないこの香りは、言葉では表現できないほどに、複雑=芸術的で、それでいて心地よい肌馴染みの良さを生み出してくれる『奇跡のウード』なのです。

お互いにまったく別の世界で生きてきた二人の男女が、30代から40代を迎えていく中、あるひとつの世界で出会い、一瞬で恋に落ちる瞬間。

それはまるでキリアン・ヘネシー自身と、バーグドルフ・グッドマンの敏腕バイヤーであり、彼のために力になり、後に二番目の妻になるエリザベスとの関係のようです(お互いに離婚し、結ばれた)。

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香水データ

香水名:アンバー ウード
原名:Amber Oud
種類:オード・パルファム
ブランド:キリアン
調香師:カリス・ベッカー
発表年:2011年
対象性別:ユニセックス
価格:日本未発売


シングルノート:ヴァージニア・シダー、アンバー、ラオス産ベンゾイン、マダガスカル産バニラ、西インド諸島産ベイリーフ