バーバリー ザ ビート
原名:Burberry the Beat
種類:オード・パルファム
ブランド:バーバリー
調香師:オリヴィエ・ポルジュ、ドミニク・ロピオン、ベアトリス・ピケ
発表年:2008年
対象性別:女性
価格:50ml/9,440円、75ml/12,420円
素肌にビートを刻む、アールグレイ×セイロン・ティーの香り
1856年にトーマス・バーバリーにより、大英帝国で創立されたバーバリーが、(1989年にユニリーバに買収される)ベスコ・フレグランス社と提携し、最初のフレグランスを発売したのは1981年のことでした。しかし、この頃から1990年代にかけて、バーバリーのブランド力は落ちてゆき、存亡の危機に立たされていました。
そんな中、ミレニアムを越えて、2001年に、バーバリー帝国復興の使命を帯びて、クリエイティブ・ディレクターに就任したのが若干29歳のクリストファー・ベイリー(1971-)でした。彼は、1994年にダナ・キャランにより見出され、1996年にトム・フォード王朝下のグッチでレディース部門のシニアデザイナーに抜擢され頭角を現した人でした。
1990年代以降、バーバリーは、インターパルファムとライセンス契約し香水を作っていました。ベイリーは積極的に協力し、香水の開発に取り組んでいきました。
そしてバーバリーが2006年に発売した「バーバリー ロンドン」に引き続き、スタジオ54とスウィンギング・ロンドンからインスピレーションを得て、若く都会的でヒップな人々をターゲットに、2008年3月に発売したのが「バーバリー ザ ビート」でした。女性版はオード・パルファム、男性版はオードトワレで発売されました。
当時英国で絶大なる人気を誇っていたロック・バンド、カサビアンのアルバムやダーティ・プリティ・シングス、レイザーライト、アークティック・モンキーズ、ザ・フラテリスの音楽から影響を受けた、素肌にビートを刻む香りです。
アールグレイとセイロンティーが織り成すフローラル・ウッディの香りは、オリヴィエ・ポルジュ、ドミニク・ロピオン、ベアトリス・ピケにより調香されました。実際に3人の調香師に対して、ベイリーは先に挙げたロック・バンドの音楽に漬かってもらい、この香りのイメージを膨らませてもらいました。
ロングアイランド・アイスティーのほろ酔い気分を素肌に…
軽快なブリティッシュ・ロックと歩を合わせて、素肌の上にビートを刻むように、晴れやかなピンクペッパーの閃光と共に、カルダモンの効いたアールグレイが流れていくようにしてこの香りははじまります。ピリッとフレッシュなオレンジが、アールグレイの中にひそむベルガモットの柑橘の煌めきを呼び覚ましてゆきます。
それはまるでスパイスとシトラスとティーのバランスが絶妙な英国のアイスティーが、素肌の渇きを癒してくれるようです。そして、うっとりするほど美しくたゆたうパウダリーなアイリスとシアーに輝くブルーベルと共に、セイロン・ティーが注ぎ込まれていくのです。
アールグレイ・アイスティーの中に、ホットなセイロン・ティーが注ぎ込まれ、解き放たれる芳醇なアロマのコクと深みと程よい甘さに、うまい塩梅にシダーとホワイトムスクが淡く溶け込み、デイタイムにこの香りを浴びると、アイスティーの涼しげな余韻を、ナイトタイムにこの香りを浴びるとロングアイランド・アイスティーの酔わせるほろ甘い余韻を受け止めることが出来ます。
ザ・フラテリスの「Got Ma Nuts From A Hippie」に合わせて、スウィンギング・ロンドンの女神ツイッギーのように踊るスーパーモデル・アギネス・ディーンのキャンペーン・フィルムがとても印象的です。
しかし、すぐに2010年に、ザ・ジャムの「ビート・サレンダー」に合わせて、より等身大のファッション・モデル・シャーロット・ウィギンスによるロックテイストをがらりと抑えたキャンペーン・フィルムに差し替えられました。
ヒップフラスコの形をしたボトル・デザインは、バーバリー・チェックのスカーフをモチーフにしたパターンに包まれており、ファビアン・バロンによりデザインされました。
香水データ
香水名:バーバリー ザ ビート
原名:Burberry the Beat
種類:オード・パルファム
ブランド:バーバリー
調香師:オリヴィエ・ポルジュ、ドミニク・ロピオン、ベアトリス・ピケ
発表年:2008年
対象性別:女性
価格:50ml/9,440円、75ml/12,420円
トップノート:ピンクペッパー、マンダリン・オレンジ、ベルガモット、カルダモン
ミドルノート:アイリス、セイロン・ティー、ブルーベル
ラストノート:ベチバー、シダー、ホワイトムスク