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花の香水図鑑

年代順に見るサクラ香水図鑑【2024年版】

花の香水図鑑
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年代順に見るサクラ香水図鑑【2024年版】

日本人の美学を象徴する花、サクラ=桜の精神について、清少納言の『枕草子』の中で桜について記された以下の一文が全てを語っているといっても過言ではありません。

さても春ごとに咲くとて、櫻をよろしう思ふ人やはある。

毎年咲く桜を見て、「今年はもう見る気がしない」という人などいないでしょう。

600~800種以上ある桜(チェリー・ブロッサム)は、バラ科サクラ亜科サクラ属の落葉広葉樹の総称です。日本で見かける桜の8割以上は染井吉野です。他にも八重桜、枝垂桜、山桜、大島桜といった桜が有名なのですが、特に大島桜が淡くも甘い香りを漂わせてくれます。

桜の葉の中にクマリン(ラクトンの一種、桜餅の香り)という芳香成分が含まれており、干草のような温かみのあるハーバルスパイシーさ、タバコのスモーキーさ、ココナッツのような甘さ、アーモンドキャラメルのような香ばしさを感じさせます。ちなみにクマリンはトンカビーン、シナモンにも含まれています。

サクランボ(チェリー)は、花を鑑賞するための桜だと、実は大きくならないため、主に西洋実桜(セイヨウミザクラ)に実る果実のことを言います。世界の生産地のトップはトルコ(25%)、アメリカ(13%)であり日本は全体の1%(山形県)です。


時代によって、調香師によって、テーマによって、同じ〝桜(チェリー・ブロッサム)がメイン〟でも、見せる表情も様々です。そんな色々なサクラの香水について年代順にご紹介させて頂きたいと思います。

歴史的に見て、世界ではじめて本格的な桜の香水が、一流調香師により手がけられたのは、ゲランの四代目調香師ジャン=ポール・ゲランが、かつて日本を訪れた時に、ソメイヨシノに感動したことから生み出された「チェリー ブロッサム」からでしょう。

そして、〝香りのない花〟である桜の香りが定義づけされたのは、大沢さとり様が2004年に調香した「桜 Sakura」からだと思われます。

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サクラの香水20選(1999年~2007年)

1999年


チェリー ブロッサム(ゲラン)

・調香師:ジャン=ポール・ゲラン
・グリーンティー/ライラック
・フワっと柔らかい〝満開の桜と桜吹雪〟
・宇治茶から平安神宮まで
・四代目調香師が感動したソメイヨシノ
2004年


桜 Sakura(パルファンサトリ)

・調香師:大沢さとり
・シソ/チェリー/ローズ/ジャスミン
・身に纏う女性の個性を引き出してくれる香り
・谷崎潤一郎の『細雪』の平安神宮の桜の香り
・世界に評価された〝日本人の生み出した桜の香り〟
2007年


チェリーブロッサム(ロクシタン)

・フリージア/ブラックカラント/レモン
・届かぬ想いが温められていくような
・淡い初恋が生み出す甘く切ない香り
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サクラの香水20選(2011年~2017年)

2011年


サクラ チェリー ブロッサム コロン(ジョー・マローン・ロンドン)

・調香師:クリスティーヌ・ナジェル
・オレンジ/ミモザ/ローズ
・桜舞い、心舞う。桜散り、夢が咲く。
・華やかなる哀切を極めた香り


チェリーブロッサム(フローリス)

・オスマンサス/チェリー/ピオニー
・夢のように優しい桜の花は、
・未来のサクランボのために散るのです
・日本女性の控えめな美しい生き方
2013年


フェアリー スプリング ブロッサム(ヴァン クリーフ&アーペル)

・調香師:アントワーヌ・メゾンデュー
・ライチ/ラズベリー/マグノリア
・春を呼ぶ〝ピンクの妖精〟
・春の魔法をかけるロマンティックな香り
・軽やかで透明感を感じる香り
2016年


クロエ フルール ド パルファム(クロエ)

・調香師:ミシェル・アルメラック
・レモンバーベナ/ローズ/ピーチ
・ローズと桜の花蕊から抽出した香り
・桜とローズが一緒に…春の夢を身にまとう
・クロエの「ローズ革命」第五章


コモレビ(木漏れ日)(フエギア 1833)

・調香師:ジュリアン・べデル
・アンバーグリス/ムスク
・〝はかなさ〟ではなく〝華やかさ〟を
・〝桜の香りの王朝絵巻〟が肌に広げられてゆく
・墨絵の松林図屏風=陰と陽が共生する世界
2017年


シニョリーナ イン フィオーレ(サルヴァトーレ・フェラガモ)

・調香師:エミリー・コッパーマン
・洋ナシシャーベット/ザクロ
・心躍る〝新しい恋の予感〟
・『ロマンスの香り』=シニョリーナ第五弾


ブロッサム ラブ(アムアージュ)

・調香師:ナタリー・ローソン、エリス・ベナ
・ローズリキュール/アマレット/チェリー
・ディサローノとチェリーシュトゥルーデル
・情熱的な甘い〝春のファンタジー〟
・オマーンと日本を結ぶ恋の物語
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サクラの香水20選(2018年~2024年)

2018年


サクラ(クリスチャン・ディオール)

・調香師:フランソワ・ドゥマシー
・ヴァイオレット/ミモザ/ローズ
・桜のようにあなたが舞い、相手を散らす
・Diorのキモノドレスへのオマージュ
・〝桜と芸者〟を体現する香り


スプリングスノー(トバリ)

・ウコンサクラ/サンダルウッド
・〝至高の雪桜〟の香り
・〝優美に秘める冷静〟=究極の流し目
・性を超越した瞬間の人間の美しさ
2019年


アクア アレゴリア フローラ チェリージア(ゲラン)

・調香師:ティエリー・ワッサー
・ウォーターメロン/ナシ
・満開の桜が、清流に向かって散りはじめる
・春にはサクラ、夏にはスイカになる香り


サクラ(アクア・ディ・パルマ)

・調香師:フランソワ・ドゥマシー、ニコラ・ボンヌヴィル
・マンダリン/ピンクペッパー/ジャスミンサンバック
・香り華やぐ果樹園と桜花爛漫たる桜並木
・イタリアの太陽に愛される『日本の桜』
・桜の儚さではなく、桜の永遠の煌きを捉えた香り


サクラ/SAKURA TOKYO(アッカカッパ)

・和梨/ネロリ/フリージア/睡蓮
・ささやかな桜の不思議な魅力
・日本古来の美を失わずに咲き誇る
・威風堂々とした桜の荘厳さを身に纏う香り
2021年


サクラ マグナ(リベルタ パフューム)

・調香師:山根大輝、武宮志昌
・ジャスミン/イランイラン/イリス
・桜が散る儚さではなく、満開の桜の力強さ
・永遠に枯れない桜花爛漫の香り


ドリーム ダスク(エスティ ローダー)

・調香師:ジャン=マルク・シャイラン
・ブラックカラント/ゼラニウム
・桜吹雪に包まれる夢のような香り
・ラグジュアリー フレグランス コレクション
・「ビター ピーチ」の調香師が作る桜の香り


ローズ グリオット(パルファン・ロジーヌ パリ)

・調香師:ニコラ・ボンヌヴィル
・和ナシ/ピオニー/オスマンサス
・ローズとさくらんぼのマリアージュ
・可憐なる『桜の園』の香り
2022年


キモノ サクラ(コスメデコルテ)

・調香師:キャロリーヌ・デュミュール
・ライチ/ピオニー/スズラン/ローズ
・通り抜けた桜並木の香り
・きものを着て感じる桜の情趣
・桜の情趣を肌と心に映し出して
2024年


チェリー ブロッサム ミレジム2024(ゲラン)

・調香師:ジャン=ポール・ゲラン
・グリーンティー/ライラック
・10万円以上する〝究極のゲランの桜〟
・永遠に枯れないソメイヨシノ