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5.サンローラン


サンローランvsセリーヌの戦いの火ぶたが切られようとしている。もしかしたら、今こそサンローランはロックテイストを捨てる時かもしれないわ。

エディ・スリマンのサンローラン黄金期(2012-2016)に、日本中でサンローランの直営店がどっと増えたの。そして、サンローランの販売員たちは、他のどのブランドよりもモード感溢れる制服に身を包み、日本全国の百貨店で爆発的な売り上げを上げていった。特に、2015年とは、サンローランにとって、この世の春の一年だったの。2015年の〝イヤー・オブ・サンローラン〟のハイライトが、東京・表参道で、世界最大規模となる売場面積1000平米を誇り、3フロアで構成される日本初の旗艦店が12月にオープンしたことだったの。

そして、ブランドとして販売拠点が拡大し、これからどんどん売ってやろうと意気込んでいた矢先の、2016年4月にエディ・スリマンが突然サンローランを去り、日本各地でサンローランを販売していた精鋭部隊は、次の戦場(あるものはセリーヌ、あるものはルイ・ヴィトン・・・)へと旅立っていったの。

2016年9月27日に開催された、アンソニー・ヴァカレロ新クリエイティブ・ディレクターによるファーストコレクション以後のサンローランは、エディの生み出したロックテイストを捨てきれずに中途半端に引きずりながら、現代に至っているの。グッチの大躍進の理由のひとつに徹底されたイメージ戦略があるんだけど、そのために一番最初にしたことは、ブランド・イメージを徹底するために、店舗イメージを一新したことなの。

これからのサンローランに最も必要なこと。それは、デザイナーのクリエイション以前の問題として、エディ時代の店舗イメージを一新しなければならないのよ!そういう意味においては、2019年は、サンローランにとって、セリーヌ・バイ・エディ・スリマンとのイメージ戦争になるはず。(圭子・スカイウォーカー)

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