20.バレンシアガとマーク・ジェイコブス
流行の最先端を行く二つのブランド。それは最先端でありながら両極端を行くブランドでもあった。 |
バレンシアガとマーク・ジェイコブスのバッグを見れば2018‐19年冬のバッグのトレンドが100%見えてくるのよ。それは、
- スポーティー
- ミニバッグ
- フリーハンド
- 軽快さ
の4点であり、それはまさしくトレンド以外の何者でもなくて、タイムレスではないということ。つまりファッションにおいてトレンドとは、若者にとっての楽しみであり、大人の女性にとっては息抜き程度のものにすぎない。だから私はバレンシアガとマーク・ジェイコブスのバッグを基本的におすすめしないの。
しかし、バレンシアガを語るとき避けては通れないのが、トリプルSについてよ。
それはファッション史を塗り替えた瞬間だった。
2017ー18年秋冬メンズ・コレクションにおいて、デムナ・ヴァザリアは、アレキサンダー・ワンが生み出したネオ・バレンシアガを完全に別次元のものに進化させたの。それはもしかしたら、ラグジュアリー・ストリートというパンドラの箱を開いた瞬間かもしれないわけ(ストリートブームが終焉すると、見向きもされなくなる恐れあり)。
しかし、デムナがローンチしたトリプルSという、ランニング、バスケットボール、トラックの3種のスポーツシューズをもとにデザインされ、それらを重ね合わせた分厚いソールが特徴的のこのスニーカーが現在においては、女性のファッションにおいてもトレンドであるダッドスニーカー・ブームを巻き起こすきっかけになったのよ。(圭子・スカイウォーカー)