ヴェリディア
原名：Veridia
種類：オード・パルファム
ブランド：ブルガリ
調香師：アルベルト・モリヤス
発表年：2018年
対象性別：女性
価格：100ml／41,580円
ビザンティン帝国の皇妃テオドラの香り
©BVLGARI
サン・ヴィターレ聖堂の皇妃テオドラのモザイク画
1992年に、ブランド初となるフレグランス「オ パフメ オーテヴェール」を創作したブルガリは、その後に続く「ブルガリ プールオム」以後、ティー・フレグランスを中心にコンスタントにフレグランスを発表してきました。
しかし、取り扱う小売店を無尽蔵に広げたことにより、一躍フレグランス・ブランドとしての知名度が上がる一方で、法外なディスカウント価格で商品が出回ることになり、2000年代の最初の10年間で、安っぽくて、個性のない、香水初心者向けのフレグランス・ブランドというイメージが、定着してしまいました。
そんな状況を変えるべく、ブルガリの香水部門のクリエイティブ・ディレクターに就任したヴァレリア・マニーニは、ブルガリ・フレグランスのラグジュアリー・イメージを高める戦略として、2012年よりブルガリ・フレグランス史上初の最上級ラインの制作を開始したのでした。
そして、その調香をジボダン社の女性調香師ダニエラ・アンドリエに依頼したのでした。
かくして2014年10月に、バリ島のブルガリ・リゾートにて、100mlで41,580円する『レ ジェンメ』コレクションが発表されたのでした。
そして、時は流れ、2018年に発売された第五弾『レ ジェンメ レアリ（王家の宝石）』コレクション三部作の調香師に、皇帝アルベルト・モリヤスが『レ ジェンメ』初登場したのでした。
ビザンティン帝国の皇妃テオドラにインスパイアされたこのコレクションは、皇帝だけが身につけることを許された三つの宝石（ルビー、サファイア、エメラルド）をテーマに、それぞれの香りが創造されました。そのうちのひとつである「ヴェリディア」はオリエンタルウッディの香りです。
エメラルドを弾けるガルバナムで表現した香り
ブルガリのトランブランブローチとエメラルドペンダントブローチを付けるエリザベス・テイラー。
「ヴェリディア」という名は、ラテン語でグリーンを意味する「viridis」から付けられています。
クレオパトラに愛され、エリザベス・テイラーにも愛された世界四大宝石の1つであるエメラルド。帝政ローマにおいては、ダイヤモンド、真珠に次ぐ第三の宝石として称えられていました。
ちなみにブルガリにおけるエメラルドとは、1950年代に〝新たなる神秘性〟を生み出した宝石でした。それはターコイズとアメジストとの革新的な組み合わせのカボション・カットにより、世界中のセレブリティーに衝撃と賞賛の嵐を巻き起こしたのでした。
ビザンティン帝国の庭園をイメージした、ガルバナムとバニラ、インセンスのコントラストを生かした香りは、もしエメラルドから香りがしたらどんな香りになるだろうか？という発想で生み出されました。
エメラルドの中から豹が飛び出る様に、スパークリングするガルバナムからこの香りははじまります。弾けるグリーンノートの引き金をひいたのは、ハーバルでスパイシーなアンジェリカによってでしょう。
非常に珍しいグリーン・フレグランスのはじまりです。そして、身に纏いすぐにこの香りが、〝3つの宝石の香りの中でも、至宝の一品〟であることを容易に理解させてくれることでしょう。
やがて、インセンスがガルバナムをなだめすかすように注ぎ込まれてゆきます。このミドルノートもまた〝エメラルドの伝説〟とでも呼びたくなる素晴らしいひと時を演出してくれます。この香りの素晴らしさは、最初から最後まで輝きが衰えず、それでいて大仰ではないところにあります。
そして、バニラとパチョリが、〝緑の世界〟に、クリーミーな甘い神秘の閃光を最後に解き放ち、肌も心もその磁力で引き寄せるような余韻で包み込んでくれるのです。どこかチョコレートの香りのような安心感も与えてくれます。
アルベルト・モリヤスは「早朝に向いている、生き生きと活力に満ちた繊細な香りです」とコメントしています。
香水データ
香水名：ヴェリディア
原名：Veridia
種類：オード・パルファム
ブランド：ブルガリ
調香師：アルベルト・モリヤス
発表年：2018年
対象性別：女性
価格：100ml／41,580円
トップノート：ガルバナム、アンジェリカ、ベルガモット、サイプレス、オレンジ、セージ
ミドルノート：インセンス、ジャスミン、ペッパー
ラストノート：バーボン・バニラ、パチョリ、アンバーウッド、ダーク・チョコレート