ティファニー＆ラブ フォーヒム
原名：Tiffany & Love For Him
種類：オード・トワレ
ブランド：ティファニー
調香師：ソフィー・ラベ、ニコラ・ ボーリュー
発表年：2019年
対象性別：男性
価格：50ml／11,990円、90ml／16,610円
販売代理店ホームページ：ラトリエ デ パルファム
ブルー・ドゥ・ティファニー
2020年1月（海外では2019年10月）にティファニーからはじめてのペア・フレグランスが発売されました。その名も「ティファニー＆ラブ」です。
両方に共通する香料として、ブルーセコイアの香りが使用されています。この聞きなれないブルーセコイアという香りは、スキっとしたセコイアのウッディな香りを再現したものです。
男女それぞれが同じタイミングで、それぞれの香りを身に纏うと、同じタイミングにこのブルーセコイアの香りが現れ、二つがひとつに結ばれるという、ロマンティックな調香が成されています。
このシトラスアロマティックの香りは、IFFのソフィー・ラベとニコラ・ ボーリューによって調香されました。ちなみにティファニーのフレグランスは、コティにより制作されています。
私たちが、ジンジャーを選んだ理由は、ジンジャーこそ、エレクトリック・ラブ＝一目惚れを象徴する香料だと考えたからなのです。
ニコラ・ ボーリュー
刺激的なジンジャーと甘いマンダリン・オレンジにスパイシーなカルダモンを絡め合わせ表現される感情は「エレクトリック・ラブ＝電流が走るような運命の出会いの瞬間」。この香りのテーマは文章で読んでいる分にはとてつもなく素晴らしい。
次に、ティファニーが万感の思いを込め生み出した「ジュニパー・サイプレス」という未知なる香料が登場します。これはジュニパーベリーオイルとサイプレスアブソリュートの成分に、第三成分を加えて蒸留分離した、共沸蒸留により生産された全く新しい香りです。
ちなみにIFFによるこの蒸留方法で生産された香料が、フレグランスに使用されるのははじめてです（コストがかかるため）。
ここでひとつ気になるのが、日本の公式サイト及びあらゆるメディアに「ジャクシンとイトスギのブレンド」と書かれているのですが、ジャクシンというのはジュニパーベリーの別の呼び方なのでしょうか？私はこの言葉の存在を知りません。
話を香りに戻します。そして、ベースの前述したブルーセコイアと調和を奏でながらベチバーとシダーウッドが、よくあるメンズ・フレグランスのドライダウンへと導いてゆきます。
苦労が報われなかった愛の香り。お金をつぎ込み、新たなる合成香料まで創造したが、出来上がったものは、同じ系統の多くの香りよりも遥かに劣ったものだった・・・そんな香りです。
ティファニーに相応しくないボトル・デザイン
香り自体も、ティファニーらしい高級感に満ちているとは言い難いのですが、ボトルデザインに関しても、賛否両論があります。
このディオールっぽい独創性に欠けるボトルのど真ん中に記された「＆」マークが、その賛否両論の爆心地なのですが、これは偏に、2017年にティファニーのチーフ・アーティスティック・オフィサーに就任したリード・クラッコフのバックグラウンドが生み出した創造性の賜物なのでしょう。
リードは、パーソンズ出身のアメリカのファッション・デザイナーで、トミー・ヒルフィガーとコーチを復活させた人なのですが、どうもティファニーというブランドをデザインするにしては、チープな空気を生み出しすぎる（＝軽すぎる）嫌いがあります。
どうせなら、ジュエリー・デザイナー（ベストはエルサ・ペレッティやパロマ・ピカソのジュエリー・デザインからインスパイアされたボトルデザインを生み出せる人）にボトルデザインを依頼した方が、「ティファニー オードパルファム」のような高級感を演出できたと思います。
このボトルを一言で表現すると、ブルーベルの店頭にはぴったりなのですが、ティファニーの店頭では浮きまくっているということなのです。
ちなみに、広告キャンペーンには本物のカップルが登場しています。
香水データ
香水名：ティファニー＆ラブ フォーヒム
原名：Tiffany & Love For Him
種類：オード・トワレ
ブランド：ティファニー
調香師：ソフィー・ラベ、ニコラ・ ボーリュー
発表年：2019年
対象性別：男性
価格：50ml／11,990円、90ml／16,610円
販売代理店ホームページ：ラトリエ デ パルファム
トップノート：カルダモン、ジンジャー、マンダリン・オレンジ
ミドルノート：ジャニパーサイプレス、ゼラニウム、ラベンダー
ラストノート： ブルー セコイア、サンダルウッド、ベチバー