ルージュ エルメス
原名:Rouge Hermes
種類:オード・トワレ
ブランド:エルメス
調香師:アキコ・カメイ(亀井明子)
発表年:2000年
対象性別:女性
価格:100ml/23,320円
公式ホームページ:エルメス
日本人調香師が作った唯一のエルメス
2000年に発売された「ルージュ エルメス」は、後にディプティックの「オイエド」(2000)を調香することになるアキコ・カメイとレイモン・シャイラン(イヴ・サンローランの「オピウム」を調香した三人のうちの一人)によって、1984年に「パルファム ドゥ エルメス」として発売されたフレグランスを、アキコ・カメイが再調香した香りです。
1934年からメゾンを象徴してきた重要なカラーである「ルージュ」を冠したこの香りは、すべての香料が、女性の心に温かいルージュを生み出すことだけを考えて存在しているような〝うつくしい仕草をみちびく〟香りです。
ゆっくりと濃厚なルージュのローズが、アルデハイドの煌きと共に現れるアイリスと(クリーミーな)イランイランにその棘を抜かれていくように、馥郁に、センセーショナルに、ゆっくりと開花してゆきます。
すべての香りの流れが、通常の香りよりも遥かにゆったりとしているこの香りは、2000年というミレニアムに相応しくない香りです。
エルメスの気概。それは時代に媚びない気高さにあります。すぐにスパイスとマートルが、アイリスのパウダリー感とひとつになり、ローズはヒヤシンスのいのちを手に入れ、よりルージュにその情熱を燃やしていくのです。
やがてサンダルウッドとシダーウッド、アンバリーバニラ、ミルラにより、華やかにうっとりするような甘やかな妖艶さを広がらせてゆきながら、滑らかに美しく散るのです。
〝同じ場所にとどまるつもりはない〟女性の香り
〝枯れた魅力〟ではなく、〝美しく散るローズ〟のいのちを肌の上に授かるような、とてもロマンティックな香りです。〝永遠に媚びないエルメスのルージュローズの香り〟です。
ジャンヌ・モローのルージュの口元から放たれる、「人を知るにはその人と寝てみるのが一番じゃないかしら」という言葉と共に香ってきそうな〝同じ場所にとどまるつもりはない〟女性の香りです。
ルカ・トゥリンは『世界香水ガイド』で、「ルージュは胃にもたれそうな、混沌とした香りだ。」「カルティエの「マスト」の安っぽいチョコレートノートと「シャマード」のパウダリーなドライダウンを薄っぺらにまねた香りを混ぜ合わせたようだ。」
「まるで、お粗末なディナーパーティに参加している客のように、原材料同士の話がかみ合わず、最終的には酔っ払いの喧嘩のようになってしまっている。見苦しいまでの混乱。販売を中止したほうがよいだろう。」と1つ星(5段階評価)の評価をつけています。
香水データ
香水名:ルージュ エルメス
原名:Rouge Hermes
種類:オード・トワレ
ブランド:エルメス
調香師:アキコ・カメイ(亀井明子)
発表年:2000年
対象性別:女性
価格:100ml/23,320円
公式ホームページ:エルメス
トップノート:アイリス、イランイラン、ローズ
ミドルノート:サンダルウッド、アンバー、バニラ、シダー
ラストノート:香辛料、マートル