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カイエデモード香水図鑑を応援する|2025年5月30日~6月1日終日

2025年夏に9年目を迎えるカイエデモード香水図鑑。このたび聖地調査が完了し、5月より東京・横浜・名古屋・大阪・京都・神戸の約100か所の『香水超聖地ガイド』の更新を行っております(6月中に完成予定)。さらに、4月末より、これからの日本の香水業界を動かしていく25人のキーパーソンのインタビュー記事『フレグランス・アイコン・インタビューズ』を公開させて頂いております。

この大いなる活動にあたり、2025年5月30日~6月1日終日にあたりご寄付を募らせて頂きます(エックスのDMが半日不調であったため1日延期させて頂きます)

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【ヴァン クリーフ&アーペル】ミュールミュール(ジャック・キャヴァリエ/アルベルト・モリヤス)

ヴァン クリーフ&アーペル
©Van Cleef & Arpels
ヴァン クリーフ&アーペル
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ミュールミュール

原名:Murmure
種類:オード・トワレ
ブランド:ヴァン クリーフ&アーペル
調香師:アルベルト・モリヤスジャック・キャヴァリエ
発表年:2002年(現在廃盤)
対象性別:女性
価格:50ml /7,500円、75ml/10,000円

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宝石にささやきを与えるように香りを作る

©Van Cleef & Arpels

ヴァン クリーフ&アーペルが最初にフレグランスを発売したのは1976年の「ファースト」によってでした。この香りを調香したのはジャン=クロード・エレナでした。何よりもこの香りが画期的だったのは、ハイジュエラーが、香水を販売するという流れを生み出したところにありました。

それから数十年の時が経ちヴァン クリーフ&アーペルはこれといった香りを生み出せずに21世紀を迎えてしまったのでした。そして、ブルガリエルメスがフレグランスに力を入れるということを知り、先駆者の誇りを示すために生み出されたのが、「ミュールミュール」でした。

ミュールミュールとは、フランス語で〝ささやき〟を意味します。フレッシュ・フローラルの香りはアルベルト・モリヤスジャック・キャヴァリエという今では考えられないタッグにより調香されました。

花弁のような縦長のフォルムを持つ、ボトルデザインは、フランス人デザイナー、グエナエル・ニコラにより東京に設立されたデザインスタジオ・キュリオシティによるものです。

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宝石のささやき、香りのきらめき

©Van Cleef & Arpels

宝石で生み出された花々のモチーフを感じさせる、静けさと華やかさを伴うフリージアとホワイトローズの香りからこの香りははじまります。ヴァンクリーフのジュエリーをひとつ身に着けるように、エレガンスが手に入るような予感をさせるはじまりです(マンダリンは最初から最後まで静かにちょこんとフルーツの匂いを漂わせます)。

やがて、透き通るようなグリーンな百合の香りと共に、宝石に生命を与えるように、今からまさに花弁を開かんとする、活き活きとした甘さを放つジャスミン・サンバックとオレンジ・ブロッサムが現れます。

そこに、蜂蜜とバニラが結びついたチューベローズのクリーミーグリーンな甘さが香り全体に温かみを生み出し、肌馴染みを良くしてくれます。一方で、アルデハイドが香り全体に宝石のきらめきのような気品を与えてくれるのです。

そして、ドライダウンにつれ、可憐なる生花が、シダーウッド、ブラジリアン・ローズウッドのスパイシーウッディな温かい余韻に包み込まれるようにしてふんわりと消えてゆくのです。

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香水データ

香水名:ミュールミュール
原名:Murmure
種類:オード・トワレ
ブランド:ヴァン クリーフ&アーペル
調香師:アルベルト・モリヤスジャック・キャヴァリエ
発表年:2002年(現在廃盤)
対象性別:女性
価格:50ml /7,500円、75ml/10,000円


トップノート:マンダリン、フリージア、ホワイトローズ
ミドルノート:ジャスミン、百合、オレンジブロッサム、チューベローズ、シナモン
ラストノート:バニラ、シダーウッド、ブラジリアン・ローズウッド