グッド ガール ゴーン バッド オー フレッシュ
原名：Good Girl Gone Bad Eau Fraîche
種類：オード・パルファム
ブランド：キリアン
調香師：アルベルト・モリヤス
発表年：2020年
対象性別：女性
価格：50ml／25,500円
真夏・エーゲ・白いビキニ・日焼け美女の香り
©Kilian
ギリシャにある別荘を思い浮かべてください。そこは、夏真っ盛り、エーゲの青い海に囲まれています。南に向いてる窓を開け、爽やかな風が絶え間なく吹き込めば、白のリネンのカーテンが風のリズムに合わせて踊ります。その爽やかな風が運んでくるのは、地中海の花々の香りと海の水の香りです。
アルベルト・モリヤス
ホワイト・コレクション「イン ザ ガーデン オブ グッド アンド イーブル —エデンの園で紡がれるアダムとイブの物語— 」のひとつとして2012年に発売された「グッド ガール ゴーン バッド」のサマーヴァージョンとして、アクアノート（マリンノート）をブレンドして、2020年5月に数量限定発売されたのが「オー フレッシュ」です。
調香はもちろん、フレグランスを通じて多くのグッドガールをゴーンバッドしてきたアルベルト・モリヤス閣下によるものです。
それは麻薬のような香りと空気のような香りの間の香りで、夏のハチを忙しくさせる季節の蜜です。
アルベルト・モリヤス
冬から春にかけて透き通るような肌の白さが印象的だった女性が、真夏の太陽の下、日焼けした肌の上に、白いデイドレスを身に纏うほどの変貌を遂げていく姿をイメージした香りです。
その姿は、半分は、無垢なオーラに包まれており、そして、残りの半分は、背徳的なオーラに包まれています。太陽の光が白いドレスを透かして、彼女の美しい褐色の肢体を露わにしていることを彼女自身が知っているのかどうかは分かりません。
そんな世界観を再現するために、（オリジナルの香りの重要な花だった）秋に咲くオスマンサスと冬に咲く水仙を排除し、春に咲くオレンジ・フラワーの存在感を高め、更に同時期に咲く二種類のローズ（トルコ産＆モロッコ産ローズ）を投入しています。
そして、夏に咲くジャスミンとチューベローズを絡め合わせることにより、夏真っ盛りのクリーミーさをムスクにより最高潮にまで高めています。
70年代から80年代にかけて、日本で存在した健康的な日焼け美女の世界観を体現した、清楚な美女が、日焼けしてビキニで健康的に砂浜を走り回るような、本当にうっとりするほどに上質なトロピカルシャワーに包まれる香りです。
この香りこそがキャヴァリエのオリジナル作品かもしれない
「グッド ガール ゴーン バッド」三部作の中でも最も男性でも身にまといやすい香りであり、典型的なマリンノートが使用されています。つまりこの香りの〝エーゲの海が運ぶさっぱりした潮風の香りと、そんな風に揺られる花〟はカロンにより生み出されているのです。
そして、カロンと言えば、ジャック・キャヴァリエによる「ロー ドゥ イッセイ」が頭に浮かびます。もしかしたら、この香りこそが、キャヴァリエがルイ・ヴィトンの専属調香師になり、アルベルト・モリヤスに引き継ぐ前の〝オリジナル・ブレンド〟だったのかもしれません。
そんなことを想像してみるのも、香水に対する楽しみ方のひとつだと思います。
香水データ
香水名：グッド ガール ゴーン バッド オー フレッシュ
原名：Good Girl Gone Bad Eau Fraîche
種類：オード・パルファム
ブランド：キリアン
調香師：アルベルト・モリヤス
発表年：2020年
対象性別：女性
価格：50ml／25,500円
トップノート：チュニジア産オレンジ・ブロッサム、トルコ産ローズ、モロッコ産ローズ
ミドルノート：エジプト産ジャスミン、チューベローズ、ウォータリー・ノート
ラストノート：ムスク