アンドロギュヌスの極み
ミッツィ・ゲイナー・ルック11 マリーン・スタイル
- セーラー服、パンツスタイル
ショーガール姿で女性美を発散させて踊っていた彼女が、少年的なセーラー・ルックで踊ります。トムボーイ・スタイルです。エンターテイメントという枠の中で、性の垣根を越えることからトランスセクシャルの歴史は始まっていったのです。奇しくも本作が公開される少し前の1952年12月には、〝元GIがブロンド美女に〟という言葉と共に性転換美女クリスティーン・ジョーゲンセンが一大センセーションを巻き起こしている時だったのです。
女性が男装することによって、より女性美の本質を見せることのできる恒例がこのミュージカル・シーンにはあります。
『麗しのサブリナ』のようなパリジェンヌ・スーツ
ミッツィ・ゲイナー・ルック12 モード・スカートスーツ
- 『麗しのサブリナ』においてパリ帰りのオードリー・ヘプバーンが着ていたようなタイトスカートスーツ
- ショッキングピンクのインナー
- 二連パールネックレスとパールイヤリング
- 黒のハイヒールパンプス
ミッツィ・ゲイナーのアイコニック・ドレス
ミッツィ・ゲイナー・ルック13 レッド・イブニング・ドレス
- レッドベルベット・ストラップレスドレス、パネルスカート
- 豪華なネックレス
- レッド・レザー・ロンググローブ
- 赤のハイヒールサンダル
最後にドレスアップしたミッツィ・ゲイナーが登場します。マリリン・モンローのマーメイド・ラインのドレスをも凌ぐほどのエレガンスかつ若さ溢れる情熱のレッドカラーのドレスです。特に絞り上げられたウエストラインと、露出された健康的なデコルテと、どこか倒錯的なレザーのロンググローブのアンバランスなバランスが圧巻です。
ミッツイは、映画の出演本数が極めて少ない女優です。ですが、この作品の彼女はマリリン・モンローをも凌ぐ存在美に満ち溢れています。